年中起こる乳幼児の脱水症状が悪化する仕組みと応急処置の方法

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子どもの脱水症状は年中起こる!

よく冬場に生まれた赤ちゃんは風邪や冷えに気を付けなければいけない、夏場に生まれた赤ちゃんは夏バテや脱水症状に気を付けなければいけないと言われます。

当たり前なんですが、ママにとって初めての赤ちゃんの場合、どの季節に生まれても「気を付けなきゃ、気を付けなきゃ……。」とプレッシャーを感じるものです。

さて、夏場に気をつけたい赤ちゃんの脱水症状ですが、実は赤ちゃんの脱水症状は夏場に起こりやすいというだけで、季節を問わず気を付けなければいけません。

冬場でも発熱、下痢、嘔吐などの赤ちゃんの体調変化によって脱水症状は簡単に起こります。特に赤ちゃんは泣くことしかできないため、ママやパパが常に見守ってあげなければ、ちょっとした変化に気付けません。

1-2歳までは意思の疎通もまだまだ未発達なので、不機嫌になったり、ぐずり始めたり……ママがいつものことだと思って見過ごすと脱水症状の発見が遅れてしまいます。

意思疎通がしっかり取れるようになる3-4歳までは、年中ママやパパが子どもの脱水症状に気を使った方が良いですね。

そこでママはどんな状態が脱水症状なのか、脱水症状だとわかったら何をしなければいけないのかを押さえておきましょう。

脱水症状とは

脱水症状には3つの種類があります。

水分がなくなる高張性脱水(こうちょうせいだっすい)

「高張性脱水」は水分欠乏性脱水とも言われ、汗を多くかいて身体から水分のみがなくなることで起きる脱水症状です。身体から水分が多く失われるため塩分濃度が高くなり、のどの渇きを感じやすくなります。

暑い時期の場合は、水分を補給しないと汗をかいたり、おしっこによって身体の熱を放出できないため、熱が身体に蓄積してしまいます。

電解質がなくなる低張性脱水(ていちょうせいだっすい)

「低張性脱水」はNa欠乏性脱水とも言われ、激しい運動や嘔吐下痢などによって、身体から水分よりも塩分などの電解質の割合が減ってしまうことで起きる脱水症状です。身体の塩分濃度は低くなるため、のどの渇きはあまり感じません。

ここで水分のみを補給し過ぎるとさらに電解質が薄まってしまい、頭痛や手足のしびれが発生し、場合によっては動けなくなります。

水分・電解質がなくなる等張性脱水(とうちょうせいだっすい)

「等張性脱水」は、身体から水分と電解質が同じくらい失われることで起きる脱水症状です。急激な嘔吐下痢になると、身体の水分と電解質が一気に失われます。

もちろんのどの渇きも感じるため水分補給は必要なんですが、水分補給だけを行うとバランスが崩れて低張性脱水に変化してしまいます。

脱水症状が起こる仕組みと怖い症状

脱水症状とは身体の水分と電解質が減ってしまっている状態です。

身体の水分が減ってしまうと、血の流れが悪くなり体中に血が回らなくなります。

脳への血流が減るとめまいが起きます。消化管の血流が減ると食欲がなくなります。内臓器官の血流が減ると栄養素の吸収ができなくなったり、老廃物排除がうまく行えなくなってしまいます。

また、血液中のナトリウム、カリウム、カルシウムなどの電解質が足りなくなると電解質異常を起こします。

電解質異常とは水分と電解質のバランスが取れていないことで、低ナトリウムの場合は頭痛やだるさなどの症状が起こり、低カリウムの場合は不整脈や心停止を起こし、低カルシウムは手足のしびれをおこします。

赤ちゃん・子どもが熱中症になりやすい10の理由

電解質の割合が少なくなると電解質異常を防ぐために、汗やおしっこなどで水分を体外に出してバランスを取ろうという機能が働くため、さらに脱水症状が進行してしまいます。

そのため、それほど気温が高くないにもかかわらず、気が付かないうちに身体の水分を失ってしまい、身体が動かなくなって機能不全を起こし、最悪の場合死に至ります……。

大塚製薬のサイト内の画像がわかりやすいと話題になっていたので、引用させていただきます。これは脱水症状を起こす仕組みの1つですね。

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引用|効率的な水分補給|大塚製薬

乳幼児の脱水症状に必要な母乳と経口補水液の飲み方・注意点

脱水症状の見分け方

脱水症状は、子どもの見た目と状態を合わせて見てあげることで、早期発見をしなければいけません。そのためママは、以下のような環境や子どもの体調変化がないかを確認してください。

・外気温による体温上昇
・発熱
・嘔吐
・下痢
・熱中症の初期症状
・火傷

このような症状が見られた場合、子どもの体温が上がっていることが多いため体温の計測は必須です。また、赤ちゃんや小さな子の場合は以下の状態も見てあげてください。

・おしっこの量や回数が少ない
・おしっこの色が濃い
・泣いているのに涙が出ていない
・よだれが少ない
・肌や唇がかさかさしている
・口の中が乾燥している
・体が熱いのに汗をかいていない
・顔がやけに熱くて赤い
・顔の血の気が引いて青い
・めまいや立ちくらみをしている

子どもの状態がいつもと違うと感じたら、脱水症状の初期状態を疑ってください。この状態のまま放っておくと手足のけいれんが起きたり、意識を失う可能性があります。

脱水症状の応急処置

もし脱水症状の初期症状だと感じた場合、または脱水症状の疑いがある場合は、慌てて病院に行く前に応急処置が必要です。

脱水症状の応急処置1.子どもの意識がある場合

子どもの意識がある場合は、積極的に水分補給と電解質補給を行ってください。

・子どもが経口摂取できる場合は経口補水液を飲ませる
・経口補水液がない場合は味がなくなるまで薄めたポカリスエットを飲ませる
・ポカリスエットがない場合は1リットルの水に3g(小さじ1/2杯)の塩と40g(大さじ4杯)の砂糖を溶かしたものを飲ませる
・水分は一気に大量には飲ませず、1口ずつ5分間隔で飲ませる
・下痢がある場合はさらに少量(20ml以下)を10分おきに飲ませる
・嘔吐がある場合はさらに少量(10-20ml以下)を10-15分おきに飲ませる

経口摂取(けいこうせっしゅ)とは口から水分や栄養素をとることを言います。

30-60分ほど様子を見て体調に回復傾向が見えないなら、すぐにかかりつけ医に行くか小児救急電話相談「#8000」に連絡して、次の対応を仰ぎましょう。

小児救急電話相談は都道府県によって、利用できる時間帯が異なるため以下で確認してください。「#8000」にはスマホからもつながります。対象年齢は生後満1か月から6歳です。

夜間の発熱・嘔吐・ケガに小児救急電話相談!繋がらない場合は?#8000

また、脱水症状を起こしている子どもや赤ちゃんに経口補水液や母乳を飲ませる場合は、以下を参考にしてください。

乳幼児の熱中症・脱水症状に必要な母乳と経口補水液の飲み方と注意点

脱水症状の応急処置2.子どもの意識がない場合

子どもに意識がない場合、意識がはっきりしていない場合は、救急外来に向かうか救急車の手配を行いましょう。

また、意識がない子どもに経口補水液などの水分を飲ませようとすると嘔吐し、呼吸困難になる可能性があるため、ムリには飲ませないでください。

脱水症状の応急処置3.離乳食前の赤ちゃんの場合

基本的に赤ちゃんの場合は、脱水症状による何らかの変化が見られた時点で、すぐに病院に連れていかなければいけません。

そうではなく、水分が足りていない程度であれば水分補給をすれば良いのですが、時間帯によっては母乳やミルクを飲んでくれないこともあります。

その場合は、湯冷ましを少量ずつ飲ませてあげましょう。湯冷ましの作り方や飲ませ方などは、以下のことに気をつけてください。

水分摂取の注意点1.温度は常温で
水分摂取の注意点2.量は10-20ccが目安
水分摂取の注意点3.授乳時間を避ける
水分摂取の注意点4.月齢に気をつける
水分摂取の注意点5.保存状態に気をつける

赤ちゃんが飲むミネラルウォーター・湯冷まし・麦茶の注意点

必ず母乳やミルクを飲まなかった場合の対応になります。

ママも脱水症状に気をつけて!

子どもは遊びに夢中になると、他のことには一切興味がなくなります。そのため、ママは注意をしながら子どもを見守っている……公園でもよくある光景ですね。

ところが夏の暑い日、子どもに注意が行き過ぎてママが脱水症状を起こしてしまうこともあるんです。

もちろん大人は、「めまい」「吐き気」「頭痛」などの自覚症状があるため、「あっ、やばいかも……。」と感じて事前の対応ができますが、対応が遅れて動けなくなってしまうと大変です。

ママはポカリスエットかポカリスエットを少し薄めたものを水分補給としてこまめに取るようにし、「あっ、やばいかも……。」ということさえないようにしなければいけません。

だって、もしママが意識を失ってしまったら、そこに残された子どもはどうにもできなくなってしまいますからね。

くれぐれもお体に気をつけて。

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