乳幼児の熱中症の応急処置と予防法、重症化した場合の対策

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熱中症は早めの応急処置が大切

赤ちゃんや子どもは熱中症の症状が表に出やすいため、ママが注意をして見てさえいれば軽度の熱中症にはかかっても、重症化を防ぐことは可能です。

大切なことは熱中症の初期症状を発見してすぐに予防をするか、軽度の熱中症にかかったときに素早く応急処置をすることです。

もし赤ちゃんや子どもに以下の症状が見られた場合は、熱中症の初期症状が出ています。必ず熱中症の応急処置と重症化しないための予防を行うようにしてください。

・元気よく遊んでいるのに汗をかいていない
・おしっこの回数が少ない
・少し元気がないように感じる
・足元がふらふらしている
・顔がやけに熱くて赤い
・顔の血の気が引いて青い
・めまいや立ちくらみをしている
・あくびがよく出る

熱中症とは?熱失神、熱痙攣、熱疲労、熱射病の具体的な症状

今回は、熱中症の初期症状が見られたときにママがとる応急処置、そしてもし重症化してしまった場合の対応策のお話しをしたいと思います。

熱中症の応急処置1.日陰や涼しいところに移動させる

子どもの様子がおかしい、熱中症の初期症状があると感じたら、風通しが良い日陰や涼しい室内に移動してください。

もし日陰になる建物や木などがない場所の場合は、衣服などを使って影を作り、せめて直射日光を防ぐようにしましょう。

子どもは外気温によって一度体温が上がってしまうと、なかなか下がりません。落ち着いて横になれる場所で涼しい服装にしたり、ものを使って扇ぐことで、身体の熱を少しでも下げる行為を行なってください。

熱中症の応急処置2.冷たい水や氷で冷やす

熱中症で上がった身体の熱を取るために重要な部分を冷やすようにしましょう。

特に重要な部分はリンパ節があったり、神経が集中している、首の裏、後頭部、脇の下、足の付け根(内もも)などです。

おでこはひんやりして気持ちが良いのですが、おでこを冷やしても身体の熱を下げる効果はあまり期待できません。

水で濡らしたタオルをあてたり、氷があれば氷嚢(ひょうのう)を作って身体の熱を少しでも下げるようにしてください。

熱中症の応急処置3.頭よりも足を高くして寝かせる

休憩をする際は、座るのではなくなるべく横になれる場所を見つけて安静にすることが大切です。

横になる際は、足を頭よりも少し高い位置に置いて横になった方が良いでしょう。

体温が高くなると血管が拡張し、血圧が低下して身体の細部に血液が回らなくなります。特に脳に血液が回らなくなると、意識がもうろうとしたり、意識を失ってしまい「熱失神」を起こしてしまいます。

熱失神の症状は以下を参考にしてください。

熱失神とは、体温が上昇して血管が拡張し血圧が低下することで脳への血流が減少してしまい、結果としてめまいや失神をしてしまう状態のことです。

熱失神は野外だけでなく高温の室内で発症することも多いため、赤ちゃんは特に気を付けなければいけません。

熱中症とは?熱失神、熱痙攣、熱疲労、熱射病の具体的な症状

熱中症の応急処置4.水分と塩分を摂取する

熱中症で最も怖いのは脱水症状です。

脱水症状には「水分がなくなる高張性脱水」「電解質がなくなる低張性脱水」「水分・電解質がなくなる等張性脱水」の3種類があり、水分だけでなく塩分などの電解質も不足してしまう場合があります。

もし赤ちゃんの水分が足りていない場合は、飲む元気があるうちに母乳を飲ませてください。子どもの場合は、市販の経口補水液塩を用量用法を守って飲ませてください。

経口補水液の飲ませ方や注意点は以下を参考にしてください。

乳幼児の脱水症状に必要な母乳と経口補水液の飲み方・注意点

もしも塩があるなら簡易的な経口補水液を作ったり、スポーツドリンクを薄めることで応急処置とすることもできます。

熱中症を起こしている子どもが水分補給する場合は、低張性脱水を起こす恐れがあるため水やお茶などを大量に飲ませることは避けた方が良いでしょう。

また、経口補水液は一気に摂取するのではなく、一口ずつ小分けで飲ませます。熱中症には嘔吐の症状もあるため、一度に大量に水分を摂取すると吐いてしまい、余計に水分を失いかねません。

子どもの意識がある場合は、積極的に水分補給と電解質補給を行ってください。

・子どもが経口摂取できる場合は経口補水液を飲ませる
・経口補水液がない場合は味がなくなるまで薄めたポカリスエットを飲ませる
・ポカリスエットがない場合は1リットルの水に3g(小さじ1/2杯)の塩と40g(大さじ4杯)の砂糖を溶かしたものを飲ませる
・水分は一気に大量には飲ませず、1口ずつ5分間隔で飲ませる
・下痢がある場合はさらに少量(20ml以下)を10分おきに飲ませる
・嘔吐がある場合はさらに少量(10-20ml以下)を10-15分おきに飲ませる

経口摂取(けいこうせっしゅ)とは口から水分や栄養素をとること
年中起こる乳幼児の脱水症状が悪化する仕組みと応急処置の方法

熱中症の応急処置5.症状が回復しない場合はすぐ病院

3歳以下の子どもは熱中症の進行が早いうえ、場所によっては熱中症の応急処置が行えない場合があります。もし熱中症のいくつかの症状が見られたら、すぐに病院に連れて行くようにしてください。

熱中症の症状は以下を参考にしてください。

熱中症とは?熱失神、熱痙攣、熱疲労、熱射病の具体的な症状

また、5-6歳以上の子どもで十分に水分摂取し、身体を冷やし、休憩をとっても熱中症の症状が回復しない場合は、すぐに病院に連れて行くか、救急車を呼ぶようにしましょう。

目安としては30分-60分同じ症状が続くか、熱中症の症状がひどくなったと感じる場合です。

症状の回復がわからなければ、すぐに小児救急電話相談(#8000)に連絡して、次の行動の指示をお願いしましょう。対象年齢は生後満1か月から6歳までです。

小児救急電話相談は都道府県によって、利用できる時間帯が異なるため以下で確認してください。「#8000」にはスマホからもつながります。

夜間の発熱・嘔吐・ケガに小児救急電話相談!繋がらない場合は?#8000

応急処置ができない重度な熱中症

もし熱中症の発見が遅れて熱射病の症状(III度の重症)が出ている場合は、すぐに救急車を呼ばなければいけません。

熱射病とは、脱水症状が進行し汗をかかなくなってしまい、体温だけが39度以上に上がったままの状態のことを言います。

熱射病になると体温調節が全くできなくなるため体温は上がり続け、41度で細胞障害が起き、43度以上で多臓器不全になります。熱中症の死亡原因のほとんどが熱射病です。

熱中症とは?熱失神、熱痙攣、熱疲労、熱射病の具体的な症状

重度な熱中症対策1.すぐに救急車を呼ぶ

すぐに救急車を呼んだ方が良い症状は次の場合です。救急車が来るまでの間は、焦らず、あまり動かさず、可能な応急処置を続けてください。

・失神、意識を失っている
・意識がなく痙攣(けいれん)を起こしている
・意識が朦朧としている
・体温が40度以上ある

重度な熱中症対策2.痙攣のときは窒息に注意する

痙攣を起こしている場合は、以前お伝えした熱性けいれんのときと同じ対応をしてください。また、水分補給をすると嘔吐することもあるため、自力で水分を飲みこめないようであれば、ムリに飲ませないようにしましょう。

けいれんを起こした時に食べ物が入っていたり、嘔吐物があると呼吸気管がつまってしまうこともあります。

もしけいれんを起こしたら、寝かせて顔を横向き(体を横向き)にし、横向きのまま顔を少しだけ上に向けるようにすれば気道が確保できるようになります。

また、服のボタンやズボンを緩めて、体を締め付けないようにしましょう。

お、お、お落ち着いて!子どもの痙攣4つの原因と対処法

熱中症の予防方法

熱中症は、本体初期症状が出てから対応するものではありません。なるべく些細なことでも熱中症にならないように心がけていれば、しっかりと予防できます。

熱中症の予防法1.涼しい服装と帽子

夏場は締め付けが少なく、通気性が良い服装を選んだ方が良いでしょう。

また、何かあったときのためにボタンが多い服も避けた方が良いでしょう。もちろん外で遊ぶ場合は帽子もお忘れなく。

熱中症の予防法2.遊ぶ場所を考える

あまり子どもを縛り付けるのは良くないと思いますが、遊び場所を選択できるなら、より安全な場所を選んでください。

たとえばアスファルトの駐車場と公園なら公園の方が反射熱を避けることができますし、だだっ広く日陰がない場所よりも、建物や木など適度に日陰がある場所の方が良いですね。

もちろん近場に水道があったり、少し歩くとコンビニやスーパーなどがあると尚良いです。

熱中症の予防法3.十分な睡眠

十分な睡眠をとらずに暑い場所、直射日光を浴びる場所に行くと熱中症になりやすくなります。

以下を参考にして、年齢に合わせた睡眠時間を守る大切さを知っておいてください。

年齢別の睡眠時間の目安を把握する
生後0-3か月児に必要な睡眠時間と注意点
生後4-11か月児に必要な睡眠時間と注意点
1-2歳児に必要な睡眠時間と注意点
3-5歳児に必要な睡眠時間と注意点

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熱中症の予防法4.バランスの良い食生活

熱中症予防にはバランスが良く、栄養価が高い食生活をすることが効果的です。

夏場は電解質のミネラル成分だけではなく、ビタミンやたんぱく質も不足しがちです。これらを補給するためにも野菜を多く食べるようにしましょう。

また、3歳以上であればミネラル成分が入った麦茶や牛乳を飲むことが熱中症予防につながります。

参考|報道用基礎資料 牛乳で熱中症対策 2015年度版 | 教材・資料ダウンロード | Jミルク

もちろん、朝食を抜かずに、3食きちんと食べるようにさせてください。

熱中症の予防法5.日々の体調管理

体調を崩していたり、病気明けの場合、熱中症にかかりやすくなります。

また、子どもでも運動不足だったり、肥満気味だと熱中症になりやすい傾向があります。

熱中症の予防法6.こまめな水分補給

夏場の水分はのどが渇いたから補給するのではなく、1時間毎など定期的に補給するようにしてください。

子どもはのどが乾くのを忘れて遊んでしまうこともあるため、ママが積極的に休憩を挟むと良いですね。

水分だけではなく塩分も補給できるように、麦茶、ポカリスエットを薄めたものやおやつを持っていくようにしましょう。

熱中症の予防法7.普段からの観察が大切

ママは子どものちょっとした異変に気が付くように普段から観察を怠らないようにしてください。

子どもの熱中症の前にママの予防も

今回は、子どもの熱中症の初期症状が起こった場合の具体的な応急処置と予防法についてお話しましたが、これらの対応は大人でも当てはまります。

大人だから大丈夫というわけではなく、子どもが元気に遊んでいる横でママが熱中症になることもあるんです!

もちろんママが熱中症になったとしても、子どもたちが熱中症の対応を取れるわけではありません。

ママは、子どもよりもまず自分が熱中症にかからないように十分注意してください。

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