子どもの花粉症はいつから?割合や原因は?赤ちゃんも発症する?

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赤ちゃんや子どもも花粉症になる?

くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみ、目の充血……というと花粉症!とすぐにピンとくるぐらい、毎年、花粉症に悩んでいる人はたくさんいると思います。

現在、日本の花粉症患者は少なくとも3000万人以上おり、国民の4人中1人が花粉症にかかっているという国民病になりました。

花粉症は、花粉をアレルゲンとしたアレルギー反応だということは、多くの人が知っていますね。また、花粉症は年単位でアレルゲンが蓄積しなければ発症しないという話を聞いたことがある人も多いでしょう。

そのため、わたしたちは花粉症はある程度大人になってから発症するイメージを持っています。ところが、実は近年小さな子どもにも花粉症は広がっています。

では、花粉症を持つ子どもの割合はどれくらいなのでしょうか。赤ちゃんにも花粉症の子はいるんでしょうか。また、子どもの花粉症と大人の花粉症には、何か違いがあるんでしょうか。

今回は、子どもや赤ちゃんの花粉症の割合や原因などについてお話したいと思います。

子どもの花粉症の割合

2015年にロート製薬が2,618人の親に行なった「子どもの花粉症」というアンケート調査によると、0-16歳の子どものうち33.5%に花粉症の可能性があるという結果が出ています。

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花粉症|21.5%
花粉症+アレルギー性鼻炎|12.0%
アレルギー性鼻炎|12.3%
どちらでもない|53.8%
無回答|0.4%

この結果は、医師の診断結果ではなく、あくまでも親の判断によるものですが、前述した通り国民の4人中1人が花粉症にかかっているというのは、大人だけではなく子どもも変わらないということになります。

ちなみに、平成25年10月発表の総務省統計によると、日本の総人口は1億2729万8千人、生産年齢人口(15-64歳)は7901万人、65歳以上人口は3189万8千人、15歳未満の子どもは1639万人です。

つまり、1639万人×33.5%=5,490,650人となり、15歳未満の子どものうち550万人が花粉症の可能性があるということです。これはとてつもない数です。

子どもが花粉症になる年齢

では、子どもは何歳で花粉症を発症しているのでしょうか。

同じくロート製薬のアンケート結果によると、「子どもが何歳で花粉症を発症したか」という質問に対して、子どもが5歳までに花粉症を発症したと感じた親は45.5%もいました。

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引用|0~16歳までの子ども2,618人の親に聞いた「子どもの花粉症」調査結果発表 | ロート製薬株式会社

わたしが花粉症を発症したのは20歳過ぎなので、このアンケートを見ると花粉症の低年齢化を実感します。

特に注目すべきは以下の部分で、小学生よりも幼児期での花粉症の発症率が高く、さらに0歳で花粉症を発症しているという回答が1.1%もあったことです。アンケート結果通りだとすると、毎年1万人以上の赤ちゃんが花粉症を発症しているということになります。

0歳で花粉症を発症|1.1%
1歳で花粉症を発症|2.7%
2歳で花粉症を発症|6.1%
3歳で花粉症を発症|13.7%
4歳で花粉症を発症|10.4%
5歳で花粉症を発症|11.4%
6歳で花粉症を発症|9.9%

ところが、「鼻アレルギー診療ガイドライン2013年版」によると、年齢別の花粉症の内訳は以下のようになっています(最新版は2016年)。

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鼻アレルギー診療ガイドラインでは0-4歳における花粉症の内訳が1.1%となっており、仮に、毎年100万人の赤ちゃんが産まれているとすれば、0-4歳における花粉症の子は5.5万人いるということになります。

どちらにしても花粉症の低年齢化が進んでいることはわかりますが、ロート製薬のアンケートでは0-4歳での花粉症の発症率が34%もあるため、発症率の乖離が気になります。

わたしたち親にとっては、子どもが0歳で花粉症を発症するのか、1歳で発症するのかは大きな違いです。実際のところどうなのでしょう。

花粉症になる仕組み・原因

赤ちゃん・子どもの花粉症の可能性の話をする前に、一般的な花粉症の仕組みと原因を押さえておきましょう。

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引用|花粉症のメカニズム|花粉症ナビ

花粉は目・鼻・口など粘膜がある場所に吸着して体内に侵入します。本来花粉は、細菌やウイルスなどに比べて身体に害があるものではありません。

ところが、花粉が体内に入ってくると、免疫機能が花粉を細菌やウイルスなどの異物と間違えてしまい、花粉に対するIgE抗体がその花粉シーズン中に作られます。

そして、次の花粉シーズンに同じように花粉が体内に侵入した際に、花粉に対するIgE抗体はくしゃみ、鼻水、涙などによって花粉を体外に排出しようとします。これが花粉症の仕組みです。

※実際は花粉に対するIgE抗体がある程度蓄積されることによって花粉症を発症する

赤ちゃんも花粉症になる?

ロート製薬の「子どもの花粉症」調査結果からわかる通り、花粉症は0歳の赤ちゃんから発症するもの…………だとは言えません。

たしかに、花粉症の時期に鼻水をズルズル垂らしたり、くしゃみをしたり、涙を流している赤ちゃんがいると、ママは「もしかして、花粉症……?」と疑いたくなりますね。

ただ、赤ちゃんの鼻水やくしゃみの症状が花粉症なのか、風邪なのか、他のアレルギー性鼻炎なのかは区別がつきません。明確に花粉症を判断する方法は、病院で血液検査、鼻汁中好酸球検査、皮内テストなどを受けるしかありません。

では、実際のところ何歳から花粉症を発症する可能性があるかというと、稀に1歳ごろに花粉症を発症する子はいますが、通常は早くても2歳以上だと言われています。

花粉症が2歳から起こる理由

子どもが、早くても2歳以上に、早くてもならないと1歳ごろでなければ花粉症を発症しない理由があります。

それは、赤ちゃんの身体が花粉を異物だと判断して花粉に対するIgE抗体を作ったら、そのIgE抗体が働くのは次のシーズンからだからです。

また、花粉症を引き起こすIgE抗体は、ある程度蓄積しなければアレルギー反応が起こりません。

そのため、仮に0歳で花粉に対するIgE抗体が作られても、花粉症を発症するのは1-2歳になってからということになります。

つまり、それまでは鼻に侵入した異物にむず痒さを感じて反射的にくしゃみをすることはあっても、花粉を異物とみなすIgE抗体の反応によってくしゃみをするわけではないということです。

そのため、ロート製薬のアンケート結果において、0-1歳で花粉症を発症していると回答している3.8%は、花粉症ではなく別の原因によってくしゃみや鼻水や涙が出ている可能性が高いということになります。

子どもの花粉症の原因

では、2-3歳という早い時期に、子どもが花粉症を発症してしまう原因は何でしょうか。

2-3歳児の花粉症の原因1.親の遺伝

花粉症は、花粉がアレルゲンになる季節性のアレルギー性鼻炎です。アレルギー体質は遺伝する可能性があり、遺伝した子どもはIgE抗体を作りやすい体質になります。

そのため、すぐに発症するかどうかは別として、アレルギー体質を遺伝した子どもは花粉症も発症する確率が高いと考えられます。

J-CASTニュースが引用している大阪府済生会中津病院小児科の末廣豊医師の発言によると、花粉症は以下のように高い確率で遺伝するそうです。

「アトピーなどの症状のアレルギーも両親のどちらかが(アレルギーを)もっていた場合は60~70%、両親とももっていると80%以上の確率で発症します。花粉症もアレルギーですから、同じように、つまり『遺伝である』と考えられるわけです」

引用|全文表示 | 子どもの花粉症増える 「蓄積して発症」はウソだった? : J-CASTニュース

冒頭のロート製薬が2012年に行ったアンケート調査によると、両親が花粉症の子ども(0-16歳)の花粉症の発症率は43.2%、両親が花粉症ではない子どもの花粉症の発症率は11.6%という結果が出ています。

2-3歳児の花粉症の原因2.アレルギー性疾患

最近の子どもは、花粉症だけではなく通年性アレルギー性鼻炎などのアレルギー疾患を持っていることが多いのですが、このようなアレルギー性疾患を持っている子は、IgE抗体が作られやすいため花粉症にかかる可能性も高くなります。

また、アトピー性皮膚炎は、肌のかぶれや湿疹などで粘膜を傷つけます。そのため、花粉が経皮吸収されることで花粉症が起こりやすくなります。

2-3歳児の花粉症の原因3.花粉の飛散量の増加

やはりわたしが小さいころに比べると花粉の飛散量は増加傾向にあるようです。

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引用|25年春のスギ・ヒノキ花粉の飛散予測|東京都

東京における昭和60年から平成24年までの花粉飛散量は、年毎にばらつきはあるものの徐々に増加していることがわかります。

もちろん、花粉の飛散量が増えれば、花粉に対するIgE抗体が早く活発に作られる可能性があり、子どもでも花粉症に至ります。

子どものくしゃみ、鼻水、鼻づまりは花粉症だけじゃない

極稀に1歳前後で花粉症を発症する子どもはいますが、それ以外の子が花粉症のようにくしゃみ、鼻水、鼻づまりなどを起こすのは、他にも原因があると考えられます。

最も可能性が高い原因は、ハウスダストなどをアレルゲンとして発症する鼻粘膜のアレルギー性鼻炎です。アレルギー性鼻炎は、花粉症と同じようなくしゃみ、鼻づまり症状を起こします。

また、食物アレルギーや寒暖差アレルギーでも、同じようなアレルギー反応を起こす場合があります。アレルギー性結膜炎はくしゃみは出ませんが、目のかゆみや涙が出ます。

さらに、風邪の初期症状でも、発熱などを伴わずにくしゃみ、鼻水、鼻づまりだけを起こしてしばらくすると治る場合もあります。

そのため、赤ちゃんや小さな子に花粉症のような症状が見られたとしても、「あれ?花粉症かな?」と安易に判断せずに、すぐに検査を受けることをおすすめします。

どちらにしても、何らかのアレルギーだとわかった時点で、親は子どもの生活環境や食生活を見直さなければいけませんし、今後のアレルギーが悪化しないような対策をすることができます。

次回は、子どもの花粉症の症状や治療法、予防法についてお話したいと思います。

子どもの花粉症の症状と対策は?治療法・予防法はある?


参考|子どもでも花粉症になるの?|花粉症ナビ|協和発酵キリン株式会社
参考|検索結果: 花粉症 | おおがクリニック
参考|花粉症の低年齢化|SRL 医療従事者サイト

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