母子家庭・父子家庭・標準世帯の平均年収は?収入格差がある理由

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母子家庭・父子家庭・標準世帯の平均年収

世の中には「未婚」「死別」「離別」の3つの原因で、シングルマザーやシングルファーザーの人が大勢います。

このような「母子世帯(母子家庭)」、「父子世帯(父子家庭)」などの一人親家庭(ひとりおやかてい)を支援する国や地方自治体の制度はいくつもありますが、それでも標準世帯の生活水準と比較すると低いのが現状です。

たとえば、「母子家庭」と「父子家庭」と「標準4人世帯※」を比較した場合、世帯の平均年収(平均収入)は以下の様になります。

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・母子家庭の平均世帯年収は291万円
・父子家庭の平均世帯年収は455万円
・標準4人世帯の平均世帯年収は707万円

父子家庭と母子家庭の世帯年収格差は1.5倍以上、父子家庭と標準4人世帯の世帯年収格差も1.5倍以上、さらに母子家庭と標準4人世帯では2.5倍弱もの世帯年収格差があるということがわかります。

ちなみに、総務省における「標準4人世帯」の定義は、夫婦と子ども2人の4人で構成される世帯を言い、さらに妻が専業主婦(夫だけが働いている)の状態を指します。

つまり、「母子家庭」「父子家庭」「標準4人世帯」は、すべて働き手が1人という同条件にもかかわらず、一人親家庭というだけでこれだけの世帯年収格差ができてしまうのです。

そこで今回は、母子家庭・父子家庭・標準4人世帯という家庭の状況が違うことで、なぜ平均世帯年収に格差ができてしまうのかについてお話したいと思います。

参考|平成23年度 全国母子世帯等調査結果報告
参考|世帯平均所得は約542万円…世帯当たりの平均所得金額推移をグラフ化してみる(2016年)(最新) – ガベージニュース

母子・父子・標準世帯収入の格差理由1.男女の平均年収に格差があるため

父親が働く父子家庭や標準世帯が、母親が働く母子家庭に比べて平均収入が高いのは、男女の平均年収に格差があるためです。

プレジデントオンラインに掲載されていた2012年の国税庁のデータによると、全年齢における男性の平均年収は502万円、女性の平均年収は268万円で、男女の平均年収格差は1.87倍あります。

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引用|女と男の賃金格差は倍に拡大! 縮まらない2つの理由 | プレジデントオンライン | PRESIDENT Online

労働基準法では、第4条「男女同一賃金の原則」において、「使用者は、労働者が女性であることを理由として、賃金について、男性と差別的取扱いをしてはならない」と定めています。

それにもかかわらず、男女の平均年収に格差が生まれるのは以下の理由が考えられます。

男女の年収格差理由1.法律を順守していないから

昔ながらの経営をする企業や法律に関心がない企業、また、潜在的に女性蔑視の経営者がいる企業は、意図的に女性の年収を低くする傾向があります。

男女の平均年収格差がこれだけあることから、そのような企業や経営者も少なくないことが考えられます。

男女の年収格差理由2.女性は非正規雇用が多いから

差別うんぬんではなく、女性には妊娠や子育てで生活スタイルを変えるターニングポイントがあり、そこで正社員から契約社員やパートなどに変更するケースが少なくありません。

特にパートの場合、夫の扶養家族になる103万円の壁※もあるため、女性の方が平均年収が低い傾向があります。

2018年(平成30年)度から配偶者控除が103万円から150万円に変わるという話があります。詳細が確定してから、別途お話をしたいと思います。

男女の収入格差理由3.長期で勤めることが難しいから

2と同様、女性は妊娠や子育てなどで長期休暇を取得したり、働き方を変えるポイントがいくつもあるため、キャリアを一旦リセットするケースが多いと予想できます。

日本にはまだ終身雇用制の企業が多いことを考えると、キャリアのリセットは収入減につながります。

男女の収入格差理由4.平均賃金が低い仕事が多いため

たとえ職種による男女間の年収格差がなかったとしても、男性が就きやすい職業、女性が就きやすい職業で格差が生まれる場合があります。

たとえば、保育士、アパレルショップ店員、美容師、介護士などは男性もいますが、女性が働くイメージが強い職業です。そして、これらの職業は一部を除いて収入が低い職種でもあります。

母子・父子・標準世帯収入の格差理由2.仕事と育児の両立をするため

母子家庭・父子家庭では、働き手が仕事と育児を両立することが多くなります。

そのため、標準世帯と違ってフルタイム勤務が難しかったり、子どもが体調を崩すことで急な休暇や勤務時間の変更を余儀なくされます。

近くに頼れる両親がいればまだ良いのですが、それでも標準4人世帯に比べて家事と育児が計画的に分担できないため、勤務形態を変更して働くことが多くなり、それが収入格差につながっています。

勤務形態の収入格差理由1.時短勤務などを選択せざるを得ないから

時短勤務とは、「改正育児・介護休業法」で国が定めている勤務形態のことで、子どもが3歳になるまで1日6時間の短時間勤務を選択できる制度のことです。もちろん、働く時間を短縮した分だけ収入は減ってしまいます。

育児時短勤務はいつまで?給料・賞与・残業・社会保険はどうなる

勤務形態の収入格差理由2.昇進や昇給に影響があるから

法律に照らし合わせるならば、時短勤務や勤務時間の変更自体が昇進や昇給に悪影響を及ぼすことがあってはいけません。

ただし、会社から見て勤務時間に融通が効かない社員は、責任が重い仕事や時間がかかる仕事を任せることができません。そのため、必然的に昇進や昇給に影響がある仕事の機会が減ってしまいます。

母子・父子・標準世帯間の収入格差を埋めるためには

同一能力、同一環境の男女であれば、働く時間が同じ場合に年収格差があってはいけません。

ただし、一人親家庭の場合、フルタイムの仕事と育児との両立が困難なため、必然的に仕事の環境を調整して育児を行うことが多くなります。

妊娠・出産・子育てに関係がない社員からすれば、「勤務形態が変われば、仕事内容や年収が変わることは仕方がないことだ。」と考えるでしょう。

そのため、会社単位で母子家庭・父子家庭に配慮した制度が設けられることは少なく、これらの要因によって母子家庭、父子家庭は標準世帯に比べて世帯の平均年収が低くなってしまいます。

女性の社会進出、保育園の受け入れ、核家族化、母子家庭・父子家庭の増加、国民の生活水準の低下など、様々な要素と課題が絡みあうため、今のところ母子家庭・父子家庭・標準世帯間の収入格差を埋める明確な方法はありません。

そのため、収入格差を作りたくないのであれば、母子家庭、父子家庭にならないようにすることが1番の対策になるでしょう。または、両親と同居するなど、働き手を増やして世帯年収を上げることも考えるべきでしょう。

近年、結婚をせずにシングルマザーやシングルファーザーを選択する人は増加していますが、平均世帯年収の格差が生まれるため、やむを得ない理由でなければ、安易な選択は控えるべきだと思います。

わたしたち親の責任は子どもを産むまでではなく、子どもを育てて、将来へのサポートをしてあげるまで続くからです。

シングルマザー・シングルファーザーになる理由と人数の推移

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