熱性けいれん持ちの子どもに対する幼稚園・保育園の対応は?

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保育園でも熱性けいれんの対応をして欲しい…

子どもにとって「熱性けいれん」は、それほど特殊な病気ではありません。6歳までに熱性けいれんを経験する子は、1割弱ほどいます。

熱性けいれんとは、主に生後6か月から5歳までの乳幼児に起こる38度以上の発熱に伴う発作性疾患のことで、発作の原因として、髄膜炎などの中枢神経感染症、代謝異常、その他の明らかな発作の原因が見られないもので、てんかんの病歴がある乳幼児は除外されます。

ただし、熱性けいれんには、痙攣度合いの強弱があります。稀ですが泡を吹く子もいますし、気を失う子もいます。それが癖になってしまう子もいます。

多くの一般的な熱性けいれんは、成長とともに症状が無くなってはいきますし、余程のことがなければ命に別状はないものなのですが、自分の子どものこととなると心配は強くなります。

子どもが熱性けいれん持ちだと、「できれば熱性けいれんの対応を幼稚園や保育園でやって欲しい……。」と思うママも少なくないはずです。気持ちはわかります。

そこで今回は、昨今の保育園問題も踏まえて、熱性けいれんに対する園の対応はどのようなものなのかをお伝えしたいと思います。

幼稚園や保育園は子どもの病気をどう扱うか

熱性けいれんに限らず、幼稚園や保育園は子どもの病気にどう対応しているのでしょうか?

ひとことで言うと「園によって違う。」になると思います。

幼稚園や保育園はあくまでも子どもを預かる場所であって、子どもたちの病状に合わせた最高の対応を行える施設ではありません。

そもそも幼稚園と保育園の意味も違いますが、特に保育園は一定のルールに沿って子どもを預かる施設だという意識が強いと考えてもらって良いでしょう。

保育士1人で乳児から幼児くらいの年齢の子を10人ほど見るので……ママが3歳の三つ子、4歳の三つ子、5歳の三つ子を同時に育てているというとイメージしやすいと思います。

もちろん、保育士も子どものこと全てがわかるわけではありませんし、医療行為やそれに付随する行為には手を出してはいけないことになっています。

しかも、自分の子どもではなく人様の子です。異なる病気や症状の個性を理解し対応するには限界があるため、重病を抱える子どもは、やむを得ず受け入れをお断りする園も少なくないです。

最初にお話した通り「園によって違う。」ということです。

幼稚園や保育園は熱性けいれんをどう扱うか

「うちの子、熱性けいれんを何度か経験してるんです。」ぐらいであれば、受け入れ拒否をする園はあまりないはずです。認可保育園、無認可保育園にかかわらず。

ところが、「うちの子熱性けいれん持ちで、37度台で痙攣を起こすんです。」になると話が変わります。

幼稚園や保育園が設定している熱性けいれんの受け入れルールに当てはまらなければ、受け入れ拒否をせざるを得ません。受け入れ拒否をしなければいけない理由は以下の様なものです。

受け入れ拒否の理由1.保育士は痙攣抑制の坐薬を扱えない

坐薬投与は医療行為になるため、保育士が投与することは法律的に難しい場合があります。

厳密には医師の指導があれば扱うことはできますが、痙攣抑止の坐薬は「急性期」の薬になるため、投薬判断による責任は重いと考えます。

受け入れ拒否の理由2.看護師が常駐していない園では対応が難しい

看護師が常駐している園は簡易な医療行為を行えます。また、子どもの病気で何かがあった場合に、直ぐに判断をして次の行動をとることができます。

子どもの症状を正しく判断して、迅速に救急車を呼んだり、保護者に連絡をしたり、緊急の対応をしたりということは、保育士では難しい場合があります。

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受け入れ拒否の理由3.熱性けいれんの判断に責任を持てない

軽度の熱性けいれんであれば、子どもの身体に大きな心配はありません。

ただし、痙攣が起こっても、熱性けいれんなのかそれ以外の痙攣なのか、熱性けいれんだけなのか別の病気を併発していないかの判断が難しい場合があり、安易に「これは熱性けいれん。」という判断ができません(してはいけません)。

よくある痙攣は以下を参考にしてください。

お、お、お落ち着いて!子どもの痙攣4つの原因と対処法

熱性けいれん持ちの子の保護者は、子どもが痙攣を起こす別の病気を持っていないこと、疑いがないことを示す必要があります。

受け入れ拒否の理由4.すぐに保護者が迎えに行ける体制が必要

総合的に見て子どもが痙攣を起こした時にすぐに対応が取れない場合は、保護者にいつでも連絡が取れ、すぐに迎えに来ることができる体制が必要になります。

家族が対応することを約束できなければ受け入れを拒否せざるを得ませんし、単純な熱性けいれんだったとしても、大事を取ってすぐに救急車の手配を行うというルールを設けておかなければいけません。

保育所運営型の病児保育室の検討

熱性けいれんに限らず、何らかの病気や症状を抱えている子は、もしもの時を考えて関係する保育士たちで情報を共有しています。

つまり、子どもたちの症状の重い軽いによって対応が異なることを、それぞれの保育士が把握しているんです。

わたしの園の場合は状況によりますが、慢性期の薬の場合は看護師が預かり管理をしますが、急性期の場合は薬を預かることさえ慎重になります。

そこで、検討してほしいのが病児保育室です。病児保育室とは、子どもが病気になり親が仕事を休めないときに、親に代わって子どもを預かる育児支援施設のことです。

病児・病後児保育とは?施設利用方法・料金・預入日・時間など

病児保育室は病院や保育園に併設されている場合が多いのですが、中には病院と保育園が併設され、その中に病児保育室がある施設もあります。

保育園に預けている子どもに何らかの病気の疑いがあった場合は、医師や看護師の指導のもと病児保育室で子どもを預かることになります。

全国的に見ると数は少なく、わたしも詳しくはわからないため、地方自治体に尋ねてみてください。

乳幼児特有の病気や症状は、成長とともに改善していくことは多いのですが、その分正しい対処が必要です。それでも、ママはずっと子どもといっしょにいることが難しい場合が多いでしょう。

子どもにとって、保育園は初めて社会を体験するとても大切な場所です。子どもが健やかに成長できるように、また、ママが安心して預けることができるように色々と調べて検討してみてください。

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