一般的によく言われる日本の少子化問題の7つの原因

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少子化問題はどれくらいの問題?

2016年5月に総務省が発表した人口推計によると、35年連続で子どもの出生数が減っているそうです。

社会問題化している日本の少子化、および高齢化ですが、この問題を少しでも考えたことがある人なら「まぁ、ある程度は少子化になるし、高齢化にもなるし、日本の人口も減るよね。」と思っているはずです。

少子化を解決するためには、合計特殊出生率(15-49歳の女性1人あたりが生む子どもの数)が2.07人を超えなければならず、これは日本の全女性が生涯で2人の子どもを産んでももまだ足りません。

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引用|日本の出生率と出生数をグラフ化してみる(2015年)(最新) – ガベージニュース

合計特殊出生率の推移グラフを見てみると、合計特殊出生率が2.07人を超えているのはわたしが生まれる前の1970年台前半です。

つまり、日本の人口減少を食い止めようと思ったら、35年連続で子どもの数が減る時代の前に戻すということ……。この事実を知るだけでも、少子化問題を解決することがどれだけ難しいことかわかると思います。

では、なぜこのような少子化が起こっているんでしょう。真偽の程は別として、一般的によく言われる日本の少子化問題の7つの原因を挙げてみます。

少子化の原因1.医療が発達した

医療が発達したため、昔に比べて乳児の死亡割合が圧倒的に減りました。

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引用|乳児・新生児の死亡率変移をグラフ化してみる(1899年以降版)(2015年)(最新) – ガベージニュース

戦後すぐの乳児死亡率が6-8%(1000人中60-80人)に対して、2014年は0.21%(1000人中2人)です。つまり、昔は今の40倍も乳児が死亡する確率が高かったということです。

乳児死亡率が下がるということは、本能的に危険を伴う出産を避けようとする意識が働くのかもしれません。

少子化の原因2.低所得者層の増加

今現在、夫婦二人の生活が経済的に不安定なら、子どもを作りたいとはなかなか思えないでしょう。

以下の表を見てもわかる通り、所得が低くなると未婚率や子無し率が高くなる傾向があります。ちなみに、正社員の30代男性の未婚割合が30.7%に対して、非正規の30代男性の未婚割合は75.6%だそうです。

配偶者および子供がいる者の割合(%)

年収/年齢 20~24歳 25~29歳 30~34歳 35~39歳
~99万円 0.7% 0.6% 10.8% 12.8%
100~199万円 2.3% 7.9% 19.1% 30.0%
200~299万円 4.2% 11.4% 25.2% 37.9%
300~499万円 7.8% 18.9% 37.8% 51.1%
500~699万円 8.2% 28.9% 50.5% 62.4%
700万円~ 10.3% 27.1% 52.0% 70.7%

参考|少子化 – Wikipedia

出典は中小企業庁

少子化の原因3.情報の非対称性が大きい

「出産や育児にはお金がかかる。」ニュースを見て、こんな情報だけを知っている人たちがいます。

たしかに出産をするにはお金がかかりますが、出産補助や育児補助などの助成金や補助金が出る制度を知らない人たちは大勢います。

出産育児一時金で42万円!国保と社保の違いは?差額の扱いは?

妊婦健診の助成はいつから?平均費用と受診券・補助券の使い方

また、出産のリスクが高いと言われる高齢出産の年齢も、医療の発達によって少しずつ引き上げられています。

40歳以上でも出産に成功している人も当たり前のように増えていますが、そうした情報も「高齢でリスクがある中よくがんばった。」という特殊な情報として取り上げられることが多いですよね。

30-40代妊娠・出産リスクは?妊産婦死亡の原因と死亡率の推移

育児に関しても、子どもの病気やママの育児ストレスなどマイナスの情報ばかりが流れていて、医療費の補助など子育てのケアを行う情報がちゃんと流れていないように感じます。

子どもは医療費が無料?乳幼児医療費助成の手続きと年齢・所得制限

少子化の原因4.将来に対する不安

高齢化による社会保障費の増大や雇用の問題があるため、今は良くても10年後、20年後にどうなるかがわかりません。

もちろん、自分たちの将来の生活も不安ですが、せっかく子どもを産んでも「十分に育児ができなかったらどうしよう……。」「子どもたちが将来幸せになれなかったらどうしよう……。」という不安はつきまとってしまいます。

ただ、将来に対する不安は、今の時代だけでなくわたしたちの両親の時代でもあったはずです。

いつの時代でも不安があるにもかかわらず、いつでも将来の不安を煽るような情報ばかりが流れてきます。不安な情報が先行すると出産をしたいと思わなくなるでしょう。

少子化の原因5.女性の社会進出

女性の社会進出が一般的になったため、共働き世帯が増えました。共働き世帯が増えたことで夫婦の時間が減り、妊娠出産をしなくなった女性が増えたと言う人もいます。

たしかにこのグラフを見る限り、片働きと共働きは逆転していますし、あと10年もすれば昭和50年代中ごろの逆パターンの水準まで差が広がりそうです。

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引用|平成24年版男女共同参画白書|内閣府男女共同参画局

もちろん、女性が社会進出することが悪いことではありません。むしろ、日本は今後働き手を増やして、税収も増やさなければいけません。

ところが、働いている女性が全て社会に出て働きたいかのように煽る人がいますし、それによって少子化が進むという人もいますが、それはちょっと違いますよね。

現実は、将来の不安から結婚後も働かざるをえない女性が増えたため、共働き世帯が増えただけのことだと思います。

少子化の原因6.晩婚化

経済問題、価値観の多様化などにより男女ともに晩婚化が増えたため、子どもを作る期間が短くなったことが少子化の原因の1つと考えられています。

実際、1970年台と比べると男女ともに5歳ほど晩婚化が進んでいます。

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引用|日本の婚姻率・離婚率・初婚年齢の推移をグラフ化してみる(2016年)(最新) – ガベージニュース

もちろん、高齢出産は母子にリスクがありますが、医療技術の進歩によって出産の成功率は上がっているため、1993年に高齢出産の基準年齢は30歳以上の初産から35歳以上の初産に1度引き上げられています。

そのため、子ども作ることができる期間は以前よりも長くなっていると考えられます。

少子化の原因7.高等教育の普及

昔と違い大学に行くことは当たり前になり、1人の子どもにかける養育費や教育費が増えています。

家庭環境はそれぞれ違いますが、子どもが大学卒業までにかかる費用が当たり前だと考えると、「うーん、子ども欲しいけど……。」となる気持ちはよくわかります。

子どもが大学を卒業するまでにかかるお金、教育にかかる費用の目安は以下の通りです。やはり金額が大きいですね……。

出典|AIU保険「現代子育て経済考」2005年度版

出産から22年間の養育費

妊娠出産から子どもが社会人になる22歳までの養育にかかる費用の目安です。

養育費合計 1640万円
出産・育児費 約91万円
食費 約671万円
衣料費 約141万円
医療・理美容費 約193万円
おこづかい・レジャー費 約469万円
私的所有物代 約93万円

出産から22年間の公立の教育費

子どもが社会人になる22歳までの公立の教育費にかかる費用の目安です。ちなみに全て私立の場合は、さらに500万円以上必要になります。

公立教育費合計 1345万円
幼稚園 約64万円(2年間)
小学校 約308万円(6年間)
中学校 約229万円(3年間)
高校 約252万円(3年間)
大学 約492万円(国立、4年間)

少子化の現実を理解しておく

たとえ少子化でも、子どもを産むことは義務ではありません。

また、子どもを産めない人、子どもが好きではない人、子どもを産んで育てるよりも他にしたいことがある人もいます。これらは男女ともに、ある程度考慮されるべきだと思います。

ただ、目の前に大きな問題がある中で、子どもを産み、しっかりと育てている家庭はそれだけお金もかかっていますし、リスクも負っているため、あえて子どもを産まないと選択した人よりも優遇されるべきだと思います。

わたしもそうですが、子どもを産めるならば、4人でも5人でも産みたい人たちは少なくはないはずです。

子どもを産みたくない女性に出産が大事だと感じさせるよりも、まだ子どもを産みたいけど様々な問題で産めない人をサポートする方が、少子化対策に貢献するように感じます。

まぁ、こんなことはみんなわかっているんですよね。ただ、どうやってサポートを充実させるのか、サポートを充実させる財源をどうやって捻出し、何と天秤にかけるのか……難しい問題ですね。

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