新生児死亡・周産期死亡・乳幼児死亡の定義や違いと死亡率の推移

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妊娠・出産と死には大きな関係がある

妊娠用語には本当に色々な言葉があります。しかも難しい用語・漢字ばかりです(^_^;)

それでも、たった10か月程度の妊娠期間のために、妊婦は色々な妊娠用語や言葉の意味を詰め込んで勉強しますよね。そんな妊娠用語の中でも、特に気になるのは「死」に関する用語です。

胎児、新生児、妊婦がどのようなときに、どのような原因で、どれくらいの確率で運悪く死亡してしまうのかは、自分が妊娠していれば他人事ではない重要な関心事項です。

ところで、胎児・赤ちゃん・子どもの死に関する「新生児死亡率」「早期新生児死亡率」「周産期死亡率」「乳児死亡率」「乳幼児死亡率」の意味や、日本における割合を知っていますか?

これらはとても重要な言葉にもかかわらず、直視することに抵抗があってスルーしている妊婦やその家族も多いと思います。

そこで今回は、「新生児死亡率」「早期新生児死亡率」「周産期死亡率」「乳児死亡率」「乳幼児死亡率」の言葉の意味や日本におけるそれぞれの死亡率の推移について、詳しくお話したいと思います。

新生児死亡率(しんせいじしぼうりつ)とは

新生児死亡率とは、出生から生後4週間(28日)未満の新生児が死んでしまう割合のことです。

新生児死亡率は、昔に比べると件数がかなり少なくなっているため、100対ではなく以下のように1000対で表示することが一般的です。

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引用|乳児・新生児の死亡率変移をグラフ化してみる(1899年以降版)(2015年)(最新) – ガベージニュース

2014年の日本の新生児死亡は1000対で0.9人となっています。これを100対の率に直すと0.09%になります。

つまり、生まれてきた子どもが分娩直後から生後4週間未満で死亡してしまう確率は、1,000人に1人いるかいないかということになります。

早期新生児死亡率(そうきしんせいじしぼうりつ)とは

早期新生児死亡率とは、出生から生後1週間未満の新生児が死んでしまう割合のことで、1000対で表示されます。

早期新生児死亡は、妊娠満22週以降の死産と合わせて「周産期死亡」と表現されることが多いため、グラフなども合わせて周産期死亡率(数)で表示されることが多くなります。

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引用|平成26年人口動態統計|厚生労働省

日本では、2000年台に入ってから1,000人当たりの早期新生児死亡数は2人を切っており、2014年の早期新生児死亡は0.7人/1,000人となっています。

これに対してアメリカは1,000人当たり3.3人、フランスは1.6人、イギリスは2.2人、ドイツは1.7人であるため、日本の早期新生児死亡率が如何に低いかということがわかります。

周産期死亡率(しゅうさんきしぼうりつ)とは

周産期死亡率とは、周産期における胎児と新生児を合わせた死亡率のことです。周産期の死亡は「妊娠満22週以後の死産+早期新生児死亡」で表します。

以下は先程のグラフです。

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引用|平成26年人口動態統計|厚生労働省

日本では、2014年の周産期死亡は1,000人当たり2.5人(妊娠満22週以後の死産1.8人+早期新生児死亡0.7人)となっています。

これに対してアメリカは1,000人当たり6.3人、フランスは11.8人、イギリスは7.0人、ドイツは5.4人となっており、日本の周産期死亡率も非常に優秀だということがわかります。

ドイツでさえ日本の周産期死亡数が倍もあるというのは驚きです。ちなみに、日本に次ぐ周産期死亡率の低さを誇るのはシンガポールの2.9人です(妊娠満22週以後の死産2.0人+早期新生児死亡0.9人)。

周産期死亡の原因は以下の通りです。

赤ちゃんに起こる周産期死亡10の原因と死因別割合

乳児死亡率(にゅうじしぼうりつ)とは

乳児死亡率とは、出生から生後1年未満の乳児の死亡率のことです。乳児死亡率も1000対で表すことが一般的です。

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引用|平成26年人口動態統計|厚生労働省

上記棒グラフで見ると緑のラインが乳児死亡率の値で、平成26年(2014年)の乳児死亡数は2,080人、出生数に対する乳児死亡率は1,000人当たり2.1人となっています。

乳幼児死亡率(にゅうようじしぼうりつ)とは

乳幼児死亡率とは、出生から6歳未満(6歳の誕生日の前日まで)の幼児の死亡率のことです。

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引用|世界開発指標 – Google Public Data Explorer

平成26年(2014年)の乳幼児死亡率は1,000人当たり2.8人、平成27年(2015年)の乳幼児死亡率は1,000人当たり2.7人となっています。

乳児死亡率が2.1人ほどのため、1歳から6歳未満の幼児の死亡率は1,000人当たり0.6-0.7人ほどしか増えていないということになります。

日本の周産期医療・小児医療は素晴らしい

「新生児死亡率」「早期新生児死亡率」「周産期死亡率」「乳児死亡率」「乳幼児死亡率」それぞれの意味と数値を見ると、日本の周産期医療、小児医療がどれだけ素晴らしいかがわかると思います。

妊娠満22週以後から6歳未満で死亡してしまう胎児、赤ちゃん、子どもの数は、妊娠満22週以後の死亡数と乳幼児死亡数を合計して算出できます。

その数字は何と4.5人です。つまり、妊娠満22週に突入した胎児1,000人に対して、6歳未満の死亡確率が0.45%ということになります。

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日本以外の先進国でもこの10倍は普通のことで、開発途上国や途上国では数百倍の数になってしまいます。

もちろん、赤ちゃんがお腹の中で死んでしまうこと、生まれてきた子どもが何らかの理由で死んでしまうことは非常に悲しく、経験しなければその深い悲しみはわからないと思います。

ただ、出産や子育ては本来それくらいリスクの高いことであり、日本で妊娠・出産を経験できることは世界のどこで子どもを生むよりも恵まれていることも認識しなければいけないのかもしれません。

また、妊娠をすると胎児・子どもの死とともに、妊婦自身の死についても気になるはずです。妊娠や出産によって妊婦が死亡してしまう「妊産婦死亡」やその割は以下を参考にしてください。

30-40代妊娠・出産リスクは?妊産婦死亡の原因と死亡率の推移

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