男性の育児休業取得率や日数は?育休メリットと取得すべき理由

4a3d691076fc4342ecd514daf4227270

この記事を読むのに必要な時間は約 10 分です。

男性の育休取得率・期間

「子どもが産まれたら夫婦で育休を取って、協力して子育てしたい!」

これだけ世間で育休制度が浸透しているんだから、「男性の育休取得率は半分……は言い過ぎでも、3分の1はいるんじゃない?」と思う女性もいるかもしれません。

厚生労働省の「平成27年度雇用均等基本調査」によると、女性の育休取得率は81.5%です。平成8年度から平成19年度の約10年間で育休取得率は49%→90%と倍近く伸び、その後も80%台を維持しています。

女性の育休取得率と推移は?育休のメリットとデメリットを再考

対して男性の育休取得率を見ると「おっ、右肩上がり。」と一瞬思いますが、取得率は平成27年度で2.65%(40人に1人程度)しかありません。たしかに、20年前に比べれば20倍以上には伸びていますが……。

66cd8e19c69227f7766f42b043ac93cc-1

出典|「平成 27 年度雇用均等基本調査」の結果概要 – 厚生労働省

また、同じく育休の平均取得日数(取得期間別育児休業後復職者割合)を見ると、女性の育休取得期間は10-12か月未満が31.1%、18-24か月未満が27.6%に対して、男性の育休取得期間は5日未満が56.9%と半数以上を占めています。

a923bc512cd3db0c44444052e63d8622

男性の育休取得率は2.65%……そのうちの半分以上が5日未満……。もちろん、会社側が男性の育休で何か月も休まれては困る!と考えることはわかりますが、せっかくの制度があっても使えなければ意味がありません。

なぜ男性の育休取得率は低く、取得日数が短いのでしょうか。また、育休の取得は会社にデメリットしか与えないんでしょうか。

今回は、育休の取得で会社が得られるメリット、男性が育休を取得すべき理由とメリットについて考えてみたいと思います。

育休取得が会社に与えるメリット

まず、育休取得が本当に会社にとってデメリットしかないのかを考えてみましょう。

会社のメリット1.企業イメージが良くなる

大手の企業戦略は企業イメージを良くし、ブランディングに活かすことです。そのため、男性の育休取得者が多いことをアピールし、CSRなどに盛り込む会社が増えています。

東洋経済では「育児休業取得者数トップ100」を発表していますが、このような特集が組まれるのは世間に関心がある現れです。男性の育休取得をアピールする企業は、家族をターゲットにした生命保険・銀行が多いですね。

参考|「子育て社員」に優しい100社ランキング | CSR企業総覧 | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準

会社のメリット2.優秀な人材確保につながる

ライフネット生命が行なった「育児休業に関する意識調査」によると、家庭優先の男性だけでなく、仕事優先の男性も高い割合で育休の取得を希望していることがわかります。

e8e8369dad55c09102d1c96460d30241

出典|育児休業に関する意識調査 | 生命保険・医療保険のライフネット生命

つまり、育休を取得できる企業だとアピールできれば、家庭優先の男性だけでなく、仕事優先の優秀な人材確保にもつながる可能性があります。

会社のメリット3.優秀な人材流出を防げる

もし男性が育休を取得できないことが退職を検討する引き金になってしまったら、会社は大切な人材を流出してしまうかもしれません。

優秀な人はどこに行っても仕事ができますし、常に「うちに来ない?」とお誘いを受けているはずです。

優秀な人材の維持は優秀な人材確保よりも労力がかからないため、人材を流出したときの企業のマイナスはとても大きなものになります。

会社のメリット4.人余りの場合は人件費カット

育休中は会社が給与を出さない代わりに(会社規定による)、雇用保険から育児休業給付金が支給されます。給付金の計算は以下の通りで、月給の約6割を受け取れます。

これで完璧!育児休業給付金の申請方法・条件と支給日、金額計算例

もし、会社が人余り状況でタイミングが合う場合は、育休取得者の人件費はコストカットできると考えられます。

会社のメリット5.育休中の社会保険が免除される

育休申請者は、育休中の社会保険支払いが免除されます。同時に会社側も社会保険料の支払いが免除されます。社会保険料免除の申請方法と社会保険料免除の期間の考え方は、以下を参考にしてください。

産休・育休中の社会保険料免除の手続き方法と金額の目安

会社のメリット6.出生時両立支援助成金の受給

平成28年度から、過去3年内に男性の育休取得者がいなかった企業を対象に、「出生時両立支援助成金」という助成金制度があります。

出生時両立支援助成金とは、以下の条件で社員が子どもの出生後8週間以内に14日以上(中小企業は5日以上)の育休を取得した場合に、会社が助成金を受給できる制度のことです。

出生時両立支援助成金の概要
・1人目の育休取得者が出た場合60万円を会社に支給(大企業は30万円)
・2人目以降の育休取得者が出た場合15万円を会社に支給(大企業も15万円)
・1年度につき、1人の助成額を限度に支給される
・助成金は平成28年度から5年間の限定措置

参考|事業主の方への給付金のご案内 |厚生労働省

2016年7月時点の情報です。

会社のメリット7.業務のルール化を徹底できる

男性の育休取得による会社の一番のデメリットは、人材が一定期間抜けて業務に支障がでることです。

もちろん、その人でなければこなせない仕事もありますが、ルールの徹底化や効率化によって業務の多くはカバーできるはずです。

会社が育休に難色を示すのは、人に頼った仕事の仕方だからで、もし業務のルール化や効率化で穴が埋まるならば、人依存を脱却するチャンスだとも言えます。

どちらにしても、昔よりは雇用の流動化が進んでいるため、人の出入りは会社が考えるべき課題です。早く取り組むきっかけと考えれば、出生時両立支援助成金がある今しかないでしょう。

男性が育休を取得すべき理由とメリット

さて、上記の育休取得が会社に与えるメリットを踏まえたうえで、次は男性が育休取得で得られるメリットや育休を取得すべき理由を考えてみましょう。

男性の育休メリット1.育児でママに信頼される

「片付けするから先に寝かしつけてー。」
「ご飯作っとくから、お散歩してきてー。」
「買い物してくるから30分ほど面倒見ててー。」

パパの育児を信頼していないママは、「大丈夫かな……。でも、ちょっと見るくらいだし……。なるべく早く片づけよ。」という気持ち。

もし、パパが一通りの育児をこなせれば、ママからの信頼は絶大です。幸せな家庭のためにも、ママの信頼は必要不可欠です。そのためには、パパがある程度育児に費やす時間が必要です。

男性の育休メリット2.赤ちゃんの気持ちがわかるようになる

「お客様の気持ちを読み取れよ!」
「クレームはありがたいんだぞ!」
「足を運んで、時間をかけろ!」

普段仕事で後輩に説教をしているパパは、ちょっとした仕草や表情を読み取れば、顧客の気持ちを理解できることを知っています。

赤ちゃんも同じです。言葉が伝わらなくても語りかけ、反応や表情で赤ちゃんの機嫌の良し悪しや要求を理解できるようになります。

「赤ちゃんの気持ちを読み取れよ!」
「泣くことははありがたいんだぞ!」
「寝かしつけには、時間をかけろ!」

赤ちゃんの気持ちがわかれば、パパはより育児に積極的になり、子どもが成長しても心を通わせることができます。語りかけが苦手なパパは、以下を参考にしてください。

赤ちゃんとの会話が苦手…親の自覚を促す語りかけ方と5つの効果

男性の育休メリット3.長男・長女と向き合える

子どもが2人以上いるママは、赤ちゃん返りの大変さはわかりますよね。やっと赤ちゃんが寝ても、上の子がベッタリ。夜泣きが再発したり、「ママーママー」が増えたり、赤ちゃんの泣き声で癇癪を起こす子もいます。

赤ちゃん返りはママの手間が増えるだけでなく、子どもの成長時期と重なると、成長の阻害原因にもなりかねません。

子どもの赤ちゃん返りはいつまで続く?4つの原因と原因別対処法

育休を取得したパパは、長男・長女とコミュニケーションを取るチャンスです。赤ちゃん返りを解消しつつ、ママ優先だった子どもの気持ちをガッチリつかむことができます。

男性の育休メリット4.ママの職場復帰を考えられる

共働きは普通の時代です。個人的には女性の社会進出意欲が高まったというよりも、家計の問題の方が大きいと思います。今は片方の稼ぎだけじゃ辛いですから。

cf9352eeb496f80a80bc9e26fc2f5c66

出典|平成24年版男女共同参画白書|内閣府男女共同参画局

一般的によく言われる日本の少子化問題の7つの原因

そのため、職場復帰したいママは多いのですが、育児に追われて考える時間も準備をする時間もなく、退職せざるを得なかったママを何人も知っています。

ママが本気で職場復帰したいなら、パパが一時的に支えなければいけません。ママが職場復帰できないと、家計はパパ1人で支えることになります。

育休明けの仕事復帰が不安…育児の両立に必要な21の準備とは

男性の育休メリット5.家族の思い出が作れる

ある程度成長した子どもがいるパパはわかると思いますが、子どもはいつの間にか大きくなり、気付いたら生意気になっています。

もちろん、子どもが成長するとコミュニケーションも取れますし、遊びに行くこともできます。でも、ときどき何もできなかった赤ちゃんのころが懐かしくなります。

パパが思い出す赤ちゃんはどんな仕草で泣いたり、笑ったり、何かを訴えようとしていたか覚えていますか?

写真や動画を残すことも良いのですが、感覚に残しておきたいですよね。やっぱりパパが思い出を残すためには、ある程度まとまった時間を子どもと共有することが大切だと思います。

男性の育休取得率を上げるためには

男性の育休取得率が低いのは会社都合もありますが、「仕事に穴は空けられない。」という男性の責任感が作っている部分もあると思います。

男性が育休を取得して本気の育児をできれば、ママや子どもが得られるメリットは以下の通りたくさんあります。

パパの育児参加は将来の投資! 本気の子育てで得る10のメリット

もし、育休を取得したい男性が「育休は会社に迷惑かも……。」と思い込むと、育休を取りたくても取れない被害者意識しか生まれません。

ちなみに冒頭で、平成27年度の女性の育児休業取得率が81.5%、男性が2.65%という話をしていますが、この調査には従業員数9人未満の会社は含まれていません……。

日本の会社は、「従業員20人以下の製造業及びその他」「従業員5人以下の商業・サービス業」という小規模企業が8割を超えるため、本来の育休取得率はもっと低いんでしょうね……。

国は平成32年度(2020年)に男性の育休取得率13%を目標にしていますが、育休による男性のメリットだけではなく、会社のメリットもクローズアップしなければ、目標達成は難しいでしょう。

参考|数値目標(別紙1)|内閣府

育休申請を迷っている男性がいたら、会社側のメリットも踏まえた上で、一度話し合いをしてみてはいかがでしょう。男性の育休取得の草の根活動の一環として。

記事のURLとタイトルをコピー