逆子の原因や割合・治る確率は?姿勢の種類は?帝王切開の確率は?

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わたしは逆子で帝王切開

「赤ちゃんは自然分娩で産みたい!パパにも立ち会って欲しい!」

そう考えている女性は割と多いでしょう。わたしも妊娠したときはそう考えていましたが、実際は「逆子」のため予定帝王切開になり、立会い出産もできませんでした。

妊娠30週ごろに逆子だと聞かされたわたしは、半ばあきらめモードに入っていて、妊娠35週ごろに「帝王切開になると思うから、準備しておいて。」と医師から告げられたときは、すでに悟りの状態でした。

わたしと同じように、妊娠30週を過ぎてから逆子と聞いて諦めてしまう人もいれば、妊娠35週でも「まだ自然分娩を諦めたくない……。」と思っている人もいるでしょう。

ちなみに、必ずしも逆子が帝王切開になるとは限りませんが、高い確率で帝王切開になるはずです。また、帝王切開でも立会い出産が認められている病院もあります。

では、なぜ胎児は逆子になってしまうのでしょうか。また、逆子になる確率はどれくらいなのでしょうか。

今回は、胎児が逆子になる原因やその確率についてお話したいと思います。

逆子とは

逆子とは、妊娠後期(妊娠28-39週)に入っても、子宮内の胎児の頭が出産準備に向けて下を向いていない体勢を言います。

通常、胎児は子宮内で羊水の中をプカプカ浮きながら、頭を下にした状態で安定しています。これは胎児の頭が身体に比べて重く大きいためで、この状態を頭位(とうい)と言います。

ただし、胎児は妊娠期間中ずっと頭位なわけではなく、妊娠20週前後に胎動が始まると、子宮内をぐるぐる動き回ります。そのため、妊娠中期(妊娠16-27週)は胎児の頭の位置は安定しておらず、どこにあるかわかりません。

そして、胎児が成長して子宮内が狭くなり始める妊娠28週を過ぎてから、徐々に頭位の体勢に落ち着いていきます。

ところが、妊娠後期になっても頭位の体勢をとらない胎児は、成長して手狭になった子宮内で徐々に動きが取りづらくなり、頭位自体が難しくなっていきます。

その結果、出産前に逆子になり、頭を骨盤の入り口に収める第一回旋が行えなくなります。胎児が出産時に行う正しい回旋は以下を参考にしてください。

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胎児が逆子になる原因

胎児は頭が重いため、重力によって頭が自然に下になります。ところが、頭が下になる動作を邪魔するいくつかの原因によって、逆子になることがあります。

逆子の原因1.多胎妊娠

双子や三つ子の多胎妊娠をすると、子宮内が狭くなってしまい胎児が逆子になることがあります。

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逆子の原因2.狭骨盤

妊婦の身長が150cm以下の場合に、狭骨盤がよく見られます。狭骨盤とは、骨盤が一般的なサイズよりも小さく狭いことで、胎児の頭に対して骨盤腔が狭いため頭が入らず、逆子になる可能性があります。

逆子の原因3.巨大児

胎児の発育が良く巨大児になった場合、子宮内で動くスペースが確保できず、逆子になる可能性があります。

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逆子の原因4.前置胎盤

前置胎盤とは、胎盤が子宮の低い位置に形成された状態のことで、胎盤の位置によっては分娩の邪魔になります。また、胎盤の位置が低いため頭位の体勢の邪魔になり、逆子になる可能性があります。

逆子の原因5.子宮奇形

妊婦の子宮奇形によって、子宮の形が変わっていたり、子宮に壁ができることで子宮内が狭くなり、胎児が逆子になる可能性があります。子宮奇形の種類は、双角双頚子宮、双角単頚子宮、単角子宮、中隔子宮などがあります。

逆子の原因6.子宮筋腫

子宮筋腫とは、子宮内にできる良性の腫瘍(しゅよう)のことです。腫瘍が良性であっても、筋腫が肥大することで子宮内が狭くなり、胎児が逆子になる可能性があります。

逆子の原因7.羊水過少症

羊水過少症とは、前期破水や胎児の尿生産機構の障害が原因で、子宮内の羊水量が100mlを下回っている状態を言います。羊水量が少ないと胎児が子宮内で動き回れなくなるため、逆子になる可能性があります。

逆子の原因8.羊水過多症

羊水過多症とは、胎児の発育不全や臓器異常によって羊水を吸収できなかったり、胎児の多尿が原因で、子宮内の羊水量が800mlを上回っている状態のことを言います。

羊水が増えた場合、胎児は妊娠30週を過ぎても頭位で安定せずに胎動を繰り返すため、胎児が逆子になる可能性があります。

逆子の原因9.過短臍帯

過短臍帯とは、臍帯の長さが25cm以下の臍帯を言います。臍帯が短すぎると子宮内で胎児が動き回れなくなるため、逆子になる可能性があります。

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逆子の原因10.水頭症

水頭症とは、頭蓋骨内に水が溜まってしまう胎児の病気です。水頭症の胎児は頭が大きくなるため、子宮内で動き回れなくなり、逆子になる可能性があります。

逆子の種類

逆子にはいくつか種類があり、胎児の姿勢によっては自然分娩を行える場合もありますが、一般的には帝王切開を行う可能性が高いものだと考えた方が良いでしょう。

逆子の種類1.単臀位(たんでんい)

単臀位とは、胎児の頭が上を向き、おしりが一番下にあり、両足は上に上げたV字の状態のことです

単臀位の分娩はおしりから娩出されますが、身体が折りたたまれているため産道を通りにくい体勢です。

逆子の種類2.全複臀位(ぜんふくでんい)

全複臀位とは、胎児のおしりと膝を曲げた足の裏が一番下にある体育座りの状態のことです。

全複臀位の分娩はおしりから娩出されるのですが、出産前に足が伸びて単殿位にならない場合は帝王切開の可能性が高い体勢です。

逆子の種類3.不全殿位(ふぜんでんい)

不全殿位とは、全複臀位の姿勢から片足だけを上げている状態のことです。

全複殿位と同じく、出産前に足が伸びて単殿位にならない場合は帝王切開の可能性が高い体勢です。

逆子の種類4.全膝位(ぜんしつい)

全膝位とは、胎児の両膝が一番下にあり、膝立ちをしている状態のことです。

足が曲がった状態は分娩の際に引っかかりやすいため、帝王切開の可能性が高い体勢です。

逆子の種類5.不全膝位(ふぜんしつい)

不全膝位とは、胎児の片膝と片足が一番下にあり、片膝立ちをしている状態のことです。

こちらも全膝位と同じく、足が曲がった状態の分娩になるため、帝王切開の可能性が高い体勢です。

逆子の種類6.全足位(ぜんそくい)

全足位とは、胎児の両足の裏が一番下にあり、胎児が立っている状態のことです。

足からの娩出は胎児の回旋が難しいため、一般的には帝王切開を行うことになります。

逆子の種類7.不全足位(ふぜんそくい)

不全足位とは、胎児の片足の裏が一番下にあり、もう片足は曲げている片足立ち状態のことです。

全足位同様、足からの娩出は胎児の回旋が難しいため、帝王切開を行うことになります。

逆子の種類8.横位(おうい)

横位とは、胎児が横に寝てしまっている状態のことで、足を曲げているか伸ばしているかは関係ありません。

横位が確認された場合は娩出ができないため、帝王切開を行うことになります。

逆子は必ず帝王切開?

赤ちゃんが逆子になると、必ず帝王切開で出産するしかないと考えている人はいるでしょう。

アメリカ産婦人科医会では、帝王切開が望ましいとしながらも、2006年に「経腟分娩の適応と管理に関する施設ごとのガイドラインに従うならば、経腟分娩を選択することは理に適っている」と発表しています。

つまり、逆子は必ずしも帝王切開になるわけではないということです。ちなみに、逆子で経腟分娩を行うことを「骨盤位経腟分娩」と言い、日本産婦人科医会は以下を骨盤位経腟分娩の適応基準の一例としています。

・単殿位・妊娠34週以上であること
・骨盤児頭不均衡がないこと(対角結合線―児頭前後径≧0.8cm,産科的結合線―児頭前後径≧-0.6cmを満たす)
・推定児体重2,000~ 3,800g以内
・児頭が屈位で過伸展(90度以上)がないこと
・臍帯下垂,脱出がない
・産婦,家族の文書による同意
・緊急帝王切開に対応できること
・骨盤位娩出術に熟知した産科医師の立会い
・新生児科医が立ち会いもしくは新生児蘇生に熟知すること

引用|12.骨盤位娩出術 – 日本産科婦人科学会

実際の骨盤位経腟分娩の方法は、上記PDF(日産婦誌60巻5号)を確認してください。

逆子になる確率・自然に治る確率

医師によって多少前後はしますが、妊婦が胎児の逆子を告げられるのは妊娠28-30週ごろです(早い場合は妊娠24-25週ごろだそう)。

プレママタウンで行われた、「妊娠中に逆子と診断されたことがあるか」というアンケート結果で、一時的にでも逆子と診断された割合がわかります。

逆子と診断されたことがなかった|51.6%
逆子と診断されたことがあった|48.4%

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出典|骨盤位・逆子(さかご)|プレママタウン

つまり、妊娠28-30週以降で逆子と診断される妊婦は50%近くもいるということです。

ただし、この時期に逆子だとしても逆子が治る可能性は十分にあり、最終的に帝王切開をするかどうかの選択は妊娠35-36週ごろになることが多いようです。

逆子の場合、出産予定日よりも少し早い妊娠37-38週を目安に出産を行いますが、「37週以降の骨盤位分娩の頻度は3~5%※」で、日本では逆子の多くが帝王切開を行うことになります。

※引用|12.骨盤位娩出術 – 日本産科婦人科学会

つまり、妊娠28-30週以降に逆子だと診断された妊婦のうち、9割以上が逆子が治る可能性があるということです。

まれに、妊娠37-38週で逆子が治ることがあったり、反対に妊娠37-38週で逆子になってしまう場合もあります。

逆子の予防や治す方法はある?

逆子を確実に予防したり、治すことはできませんが、逆子体操や軽い運動、鍼灸治療などによって妊婦の身体の改善を行い、胎児を動きやすくすることで逆子を治そうとする試みはあります。

もともと、出産前の胎児の体勢は頭位が自然なため、胎児が子宮内で動くスペースが確保できれば、妊娠30週を過ぎていても逆子が治ることは珍しくありません。

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また、そのような逆子の予防法や治療法を実践することで、ストレスを解消したり、良い出産にしようという気持ちを持つことは良いことだと思います。

せっかく妊娠生活を順調に過ごしていて、もう少しで出産という妊娠30週過ぎに逆子と告げられるのは、冷静な妊婦でもショックを受けるものです。

もちろん、わたしもショックを受けて、「え……逆子……。治らないの……?帝王切開……?怖い……。わたしのせいかも……ごめんね……。」と色々な感情が湧いてきました。

ただ、もう赤ちゃんは出産間近です。ママがストレスを溜め込んだり、不安を抱えてしまうことは、赤ちゃんの健康な出産に少なからず影響を与えるかもしれません。

現在、出産全体の20%以上の赤ちゃんが帝王切開で娩出されています。そのため、「逆子が治らなければ帝王切開の可能性が高い。」という事実を時間をかけて受け止めましょう。

そして、受け止めた後に逆子を治すための最善の努力を行ってください。

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