大人も感染る?潜伏期間は?嘔吐下痢症の原因・症状と予防・治療法

8047fcbf4c02832419e965afca106735

この記事を読むのに必要な時間は約 12 分です。

子どもが突然嘔吐したその原因

少し肌寒い時期になってくると、子どもは体調を崩しやすくなります。特に秋口から春先にかけては、インフルエンザを筆頭に様々な感染症にかかる恐れがあるため、ママは注意しなければいけません。

ところで、ウイルスや細菌に感染して病気になると、必ず発熱して発覚するものだと思っている人はいないでしょうか。

その認識は間違っていて、感染症を起こしても発熱の症状が出ない病気、発熱が遅れる病気はいくつもあります。

たとえば、数時間前まで元気だった子どもが突然嘔吐を繰り返し、数時間経つと下痢や発熱の症状が出だす場合があります。このような場合に疑うのは「嘔吐下痢症(感染性胃腸炎)」です。

子どもが発熱もせずに食べたものを全て嘔吐し、吐き気が治まらずに何度も胃液を吐いている姿を見ると、初めてのママはとても怖くなるはずです。

では、この嘔吐下痢症とはどのような病気なのでしょうか。子どもが嘔吐下痢症にかかったらどうすれば良いのでしょうか。

今回は、嘔吐下痢症の原因や症状、また、予防法や治療方法についてお話したいと思います。

嘔吐下痢症(感染性胃腸炎)とは

嘔吐下痢症とは、様々なウイルスが胃腸に感染して胃腸炎を起こす病気のことで、主にノロウイルス(ノロウイルス感染症)、ロタウイルス(ロタウイルス感染症)によって起こります。

胃腸にウイルスが感染するため感染性胃腸炎、冬に増えるため冬期下痢症とも呼ばれます。

嘔吐下痢症は、感染するウイルスによって症状が異なりますが、多くは感染後に数日間の潜伏期間があり、突然の嘔吐や腹痛、下痢、または発熱によって病気が発症します。

嘔吐下痢症の病原になるウイルスは感染力が強く、嘔吐の吐物や下痢に含まれるウイルスによって経口感染を起こし、場合によっては大人にも感染します。

また、ノロウイルスよりもロタウイルスが原因の嘔吐下痢症の方が症状が重い場合が多く、対処法も異なるのですが、発症から半日ほどは区別がつきづらいため注意が必要です。

嘔吐下痢症の原因と感染経路

嘔吐下痢症の原因は前述した通り、ノロウイルスとロタウイルスがほとんどですが、多くが飲食を通じて感染が始まり、経口感染で爆発的に広がってしまいます。

特にノロウイルスは食中毒の原因としても有名で、数ある食中毒原因の40%を占めています。

120b75065612f76fa83755f9b3f51457

引用|平成27年食中毒発生状況|厚生労働省

ノロウイルスとロタウイルスはどちらも感染力が強く、1人が感染すると保育園、幼稚園、託児所などでウイルスが広がり、学級閉鎖を起こす原因にもなります。

また、嘔吐下痢症で嘔吐した吐物や下痢のうんちには大量のノロウイルス、ロタウイルスが含まれています。

感染を防ぐためには、吐物やうんち自体の処理だけでなく、おむつの処理や汚れた衣類、布団、タオルなどを消毒除菌するだけでなく、トイレの消毒除菌や処理後の消毒用石鹸での手洗いも必要になります。

嘔吐下痢症の症状と対処法|ノロウイルス感染症の場合

ノロウイルス感染症は年齢は関係ありません。そのため、大人も感染に注意する必要があります。

ノロウイルスの潜伏期間

ノロウイルスに感染すると、1-2日間の潜伏期間を経てから嘔吐下痢症が発症します。

ノロウイルスの初期症状

ノロウイルス感染症を発症した場合、多くが急な嘔吐から症状が始まります。その際は微熱、または発熱はなく、下痢の症状もしばらく出ないことがあります。

嘔吐後は周期的に吐き気を催し、何度か嘔吐して胃の内容物を全て出しきっても5-6時間前後は吐き気が続くため、吐物は徐々に黄色っぽい胃液だけになっていきます。

この間は強い吐き気とともに胃痛が続き、水分摂取をしても全て嘔吐してしまうため、急な飲食は控えるようにしましょう。

嘔吐下痢の状態

ノロウイルス感染症の多くは嘔吐から始まりますが、下痢が始まると吐き気も多少治まることが多いため、注意をしていれば脱水症状を起こす心配はそれほどありません。

ただし、大人の場合は嘔吐に下痢が伴うことも多いため注意しましょう。

医師に見せるタイミングと治療

ノロウイルス感染症の初期症状の間はずっと嘔吐が続いており、吐き気止めもあまり効果がありません。そのため、初期症状が治まってから病院に連れていき、吐き気止めや整腸剤などを処方してもらいます。

ただし、嘔吐とともに下痢がある場合は脱水症状を起こす危険があるため、子どもが小さいほどすぐに病院に連れて行くようにしましょう。

水分摂取はいつから?

最初の嘔吐から6時間以上が経過し、嘔吐や吐き気が治まってきたら、本格的に水分摂取をするようにしましょう。それまでは、スプーンで少量づつ水分摂取することが基本です。

下痢の症状が見られた場合は、水分といっしょにナトリウムを多く失っています。乳児の場合は母乳を与え、幼児の場合は、経口補水液などナトリウムを含んだ飲料をゆっくりと適量飲ませるようにしましょう。

乳幼児の脱水症状に必要な母乳と経口補水液の飲み方・注意点

固形の食べ物はいつから?

固形の食べ物は、最初の嘔吐から半日以上(12時間以上)経過した後、子どもの様子を見ながら与えるようにします。固形の食べ物は嘔吐の状況によるため、医師の判断を仰いでください。

ノロウイルス感染症の発症から丸一日経っていても、胃に刺激を与えると嘔吐や下痢の原因になります。そのため、なるべく消化が良い食べ物をできるだけ柔らかくし、少量を食べさせます。

具体的には、すりおろしたりんごや潰したおかゆなどを与え、嘔吐が無いようであれば、次の食事のタイミングにうどん・おかゆなどに変えていくと良いでしょう。

回復にかかる期間は?

ノロウイルス感染症から回復する期間は、個人差がありますが5-7日ほどかかります。これは、お腹の調子が元に戻る期間だと考えてください。

ノロウイルス感染症は、初期症状は嘔吐と胃痛がメインで、次に下痢が続き、その間に発熱があるかないかというものです。そのため、発症から2-3日もすればすっかり治って全快した様に見える子どももいます。

ただし、胃腸に刺激を与えると、また嘔吐や下痢をぶり返してしまう恐れもあるため、元気になったと感じても5-7日ほどは食事に気をつけるようにしましょう。

嘔吐下痢症の症状と対処法|ロタウイルス感染症の場合

ロタウイルス感染症は、主に生後6か月-2歳の乳幼児が多く、5歳までに9割の子どもが感染する病気です。また、大人もロタウイルスに感染する可能性があります。

ロタウイルスの潜伏期間

ロタウイルスに感染すると、2-3日間の潜伏期間を経てから嘔吐下痢症が発症します。

ロタウイルスの初期症状

ロタウイルス感染症を発症した場合、ノロウイルスとは違い、38度台の発熱から症状が始まる場合があります。さらに、嘔吐と下痢の症状も伴う可能性があります。

嘔吐後はノロウイルスと同じく周期的に吐き気を催し、5-6時間前後は胃痛や吐き気が続きます。さらに、下痢も同時に起こる場合があるため、初期症状のうちから脱水症状に気をつけなければいけません。

嘔吐下痢の状態

ロタウイルス感染症の症状は、嘔吐と下痢が同時に起こることが多いため、脱水症状を心配しなければいけません。

また、下痢のうんちは、3-4割の子どもにクリーム状の白っぽいうんちが見られます。

医師に見せるタイミングと治療

ロタウイルス感染症では、嘔吐と胃痛に加えて高熱や下痢を伴う場合があるため、経口での水分補給が難しく、点滴が必要になることもあります。そのため、できるだけ早めに病院で診察をしてもらった方が良いでしょう。

脱水症状の心配がなければ、吐き気止め、整腸剤、下痢止めが処方されます。

水分摂取はいつから?

ロタウイルス感染症は、早い段階で下痢の症状が出るため、初期症状が出たときから水分摂取が必要になります。

もちろん、ノロウイルスと同じく急な水分摂取をすると胃に刺激を与えて嘔吐の原因になってしまうため、水分は喉を潤す程度の量を何度も小分けで与えるようにしましょう。母乳も同様に短い時間を意識して与えてあげてください。

もし、水分摂取ができない場合は、すぐに病院に連れて行ってください。

固形の食べ物はいつから?

子どもに嘔吐が続いている間は、固形物は食べることができません。また、発熱をしており、倦怠感も強いことから食欲不振が続く場合があります。

子どもの食欲によりますが、発症から二日目には消化が良いものを少量食べさせるようにしましょう。下痢が続いている間は、あまり無理に食べさせないようにしてください。

回復にかかる期間は?

ロタウイルス感染症から回復する期間は、7-10日ほどかかります。発熱と嘔吐の症状は発症1-3日目にみられ、下痢の症状は1-5日目に見られます。

ロタウイルスの嘔吐下痢症は、発熱、嘔吐、下痢などが同時に起こるため体力の消耗が激しく、症状が回復してからも身体の機能が回復するまでは少し時間がかかります。

また、うんちには1週間ほどロタウイルスが含まれるため、もし子どもの体調が回復したと感じても1週間は登園を控えた方が良いでしょう。

嘔吐下痢症の予防

嘔吐下痢症は、ロタウイルスであれば任意接種のワクチンがあるため、予防することができます。ロタウイルスワクチンは生後2か月ごろから予防接種を始め、2回・3回接種するすることになります。

予防接種のワクチンの種類は?定期接種と任意接種の違い

ただし、ノロウイルスにはワクチンがないため、予防接種による予防を行うことはできません。

また、どちらのウイルスも潜伏期間が短いことが特徴のため、保育園や託児所で1人でも嘔吐下痢症にかかった子がいたら、手洗いうがいと消毒をして、感染の恐れがあることを覚悟しておきましょう。

ノロウイルスとロタウイルスの嘔吐下痢症の比較

ノロウイルスとロタウイルスによる嘔吐下痢症の特徴と比較を簡単にまとめておきたいと思います。

ノロウイルス ロタウイルス
感染の特徴 全ての年齢に感染する 5歳までの乳幼児がよく感染する
潜伏期間 1-2日 2-3日
初期症状 嘔吐で発症する
嘔吐が5-6時間続く
腹痛がある
発熱する場合もある
37-38度の発熱で発症する
嘔吐が5-6時間続く
腹痛がある
下痢を起こす
嘔吐下痢の状態 下痢が始まると嘔吐が治まることが多い 下痢と嘔吐が同時に続く
白い便が出る場合がある
水分摂取 基本は初期症状が治まってから 常に少しずつ水分摂取する
点滴が必要な場合もある
固形物の摂取 発症から12時間以上経過してから(医師の判断) 発症から1日以上経過してから(医師の判断)
回復期間 5-7日程度 7-10日程度
予防方法 予防接種はない 任意の予防接種がある
二次感染 吐物・便から感染する
感染力が強く大人も感染する
吐物・便から感染する
感染力が強く大人も感染する

より気をつけたいのは、ロタウイルスによる嘔吐下痢症ですが、発症直後はノロウイルスなのか、ロタウイルスなのか、別のウイルスが原因なのかはわかりにくいと思います。

また、病院で診察をしてもらっても、便からウイルスや菌の採取をしない限り明確な原因まではわかりません。あくまでも、「嘔吐下痢症の疑いがある。」と言う診断で薬の処方をしてもらうことになります。

そのため、子どもが嘔吐を繰り返した場合は、ノロウイルスかロタウイルスはあまり関係がありません。どちらの可能性もあると思って対処した方が良いでしょう。

同じ嘔吐下痢症でも症状は違う

嘔吐下痢症の症状は様々で、うちでは家族4人全員が感染しましたが、それぞれ症状が違いました。以下、症状の違いを参考にしてください。

娘の嘔吐下痢症

1日目|突然嘔吐を繰り返し、4-5時間で7回の嘔吐。
2日目|下痢が始まって嘔吐はなくなる。下痢は軟便程度。
3日目|昼食でおかゆを食べられるようになる。
4日目|下痢は3日ほど続いたが、その間発熱はせず。

娘が苦しんだのは1日目だけで、あとは比較的元気でした。

息子の嘔吐下痢症

1日目|嘔吐を1回、その後少しの吐き気と少しの腹痛があるがすぐに熟睡。
2日目|昼間は全く問題なく食欲もあったが、夜にもう1度嘔吐。
3日目|見た目も元気で発熱も下痢もなし。念のため病院に行く。

医師に聞いたところ、今季の嘔吐下痢症は嘔吐が1-2回だけのパターンも流行っていたそうです。

わたしの嘔吐下痢症

1日目|突然の嘔吐、数時間後に吐き気・発熱(38度弱)・下痢が同時に始まる。
2日目|丸2日間、嘔吐・発熱・下痢が続く。
3日目|嘔吐と発熱が治まり、下痢は3-4日目まで続く。
4日目|ようやく下痢が治まりだしたが気分は優れず。

嘔吐、下痢、発熱の他に倦怠感と頭痛もあったので、わたしが1番症状が重かったようです。……辛かった。

夫の嘔吐下痢症

1日目|突然の下痢が半日で5回。吐き気はなく微熱(37度ちょい)が出る。
2日目|嘔吐はないが多少の吐き気と1日中の下痢。
3日目|下痢が治まり、食欲も出だす。

夫は1度も嘔吐がなかったのですが、吐きたくても吐けなかったそうです。


同じ嘔吐下痢症で、(恐らく)同じウイルスが原因で起こる病気でもこれだけ症状が違うため、確実に見極まることは難しいですね。

もちろん、子どもが嘔吐を繰り返すのは嘔吐下痢症だけではありません。他の原因もあるため、それぞれしっかりと対応できるように準備をしておきましょう。

3歳の娘が熱なし下痢なし一晩7回の嘔吐…原因は病気?


参考|嘔吐下痢症/感染性胃腸炎 ノロウイルスを中心に
参考|ロタウイルス感染症とは

記事のURLとタイトルをコピー