乳幼児が季節や時期でかかる病気・いつでもかかりやすい病気一覧

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赤ちゃんはどんな病気にかかるのか

「赤ちゃんは病気にかかりやすい」
「赤ちゃんは免疫があるから病気にかかりにくい」

どちらも聞いたことがあると思いますが、全く反対のことを言ってますよね。これってどっちが正しいんでしょうか。

実はどちらも正しいんです。赤ちゃんは生後6か月ごろまではママからもらった母子免疫(病気の抗体)に守られているため、かかりにくい病気もありますが、ママが元々持っていない抗体の場合は病気にかかってしまいます。

また、生後4-6か月以降は抗体の効果が切れてしまう(抗体によって持続期間が異なる)ため、自身の成長によって少しずつ免疫力を高めて、抗体を作っていかなければいけません。

つまり、基本的には「赤ちゃんは病気にかかりやすい」と思った方が良いということです。

そこで赤ちゃんがどんな病気にかかるのか、季節や時期によってかかりやすい病気、いつでもかかりやすい主な病気をご紹介したいと思います。

ママからもらう母子免疫の詳細は以下を参考にしてください。

母子免疫の期間はいつまで?生後6か月間病気にならないは本当?

季節によってかかりやすい病気

病気の時期はあくまでも目安ですが、このカレンダーを見る限りほぼ1年中季節による病気の可能性があるということです。

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季節による病気1.麻疹(はしか)

麻疹とは、生後7か月から幼児期にかけて、麻疹ウイルスの空気感染で起きる感染力が強い病気です。

くしゃみ、せきといった風邪に似た症状と2-3日続く39度前後の高熱の他に、目が充血したり、ほっぺの内側に白い斑点ができます。

高熱は一旦下がった後にまた上がり始め、赤い発疹が体中に出てきます。発疹が出てから3-4日後に熱が下がり始めると、発疹の色は赤から赤茶色にかわり、次第に消えていきます。

季節による病気2.風疹(ふうしん)

風疹とは、風疹ウイルスの感染によって起こる感染力が強い病気です。

風疹の症状は38度前後の熱、せき、鼻水という風邪に似た症状に加えて、全身に発疹がでます。風邪+麻疹のようなものと考えれば良いでしょう。

また、首のリンパや耳の後ろのリンパが腫れて痛みを伴います。発熱後に体中に発疹が出ると2-3日で熱が下がり、発疹は徐々に消えていきます。

季節による病気3.インフルエンザ

インフルエンザとは、インフルエンザウイルスによって起こる呼吸器感染症のことで39度前後の高熱、せき、鼻水、頭痛などの他、関節痛、筋肉痛、嘔吐、下痢など、風邪に比べて全身症状が強いことが特徴です。

高熱は1週間ほど続き、熱は何度も上がったり下がったりを繰り返します。また、合併症も起こしやすく、気管支炎、肺炎、中耳炎など様々な病気を伴うことがあります。

季節による病気4.乳幼児嘔吐下痢症

乳幼児嘔吐下痢症とは、色々なウイルスが胃腸に感染して起こる感染症です。

代表的なウイルスはロタウイルスとノロウイルスで、突然の嘔吐で発症し、嘔吐などの吐瀉物から簡単に感染します。ロタウイルスとノロウイルスは冬に増えるため、冬期下痢症とも呼ばれます。

大人も感染する嘔吐下痢症の原因は?潜伏期間、症状の違い、予防

季節による病気5.ヘルパンギーナ

ヘルパンギーナとは、エンテロウイルスウイルスによる急性ウイルス性咽頭炎の一種のことですが、のどに水疱ができて、のどが狭まることから「水疱性口峡炎(すいほうせいこうきょうえん)」とも呼ばれています。

通常5-6歳までに乳幼児の90%発症し、春から夏にかけて拡大します。ウイルスは飛沫感染、経口感染の可能性がある感染力が強いものです。

ヘルパンギーナにかかると、3-5日の潜伏期間の後、急に発熱し39度前後の高熱が2-3日続きます。また、食欲がなくなり、のどが赤く腫れ、嘔吐や咽頭痛、嚥下痛などによって経口での栄養摂取が困難になります。

水分摂取やつばを飲み込むだけでのどに痛みがあるため、脱水症状に気を付けなければいけません。

季節による病気6.手足口病(てあしくちびょう)

手足口病とは、コクサッキーウイルスの感染により、主に5歳以下の子どもの手・足・口などに丘疹(きゅうしん)や水疱(すいほう)ができる病気のことです。

通常は3-5日の潜伏期間の後、手のひらや指、足のかかとや親指に水疱ができ、破れることなく数日で消えてしまいます。

口の中や周辺にできる丘疹や水疱は破れて潰瘍になってしまうため、口内炎のような痛みを伴います。そのためヘルパンギーナと同様、子どもの栄養摂取や水分補給に気をつけてください。

手足口病は水疱が主な症状のため、発熱をする子どもは3割ほどしかいませんが、熱は38度前後まで上がります。また頭痛や嘔吐の症状があった場合は髄膜炎(ずいまくえん)との合併症の可能性があるため、注意して観察してください。

季節による病気7.プール熱

プール熱とは、アデノウイルスによって感染する夏風邪の一種です。プールで集団感染することがあるため、このように呼ばれています。

プール熱は1週間程度の潜伏期間の後、顎の下などのリンパが腫れて痛み、38-40度の高熱、せきや鼻水などの風邪の症状、腹痛、嘔吐、下痢、関節痛、筋肉痛、結膜炎の症状が出ます。熱は3-4日続き、その他の症状は1週間ほど続きます。

季節による病気8.とびひ

とびひとは、ブドウ球菌や連鎖球菌の感染により、夏に幼児に多く見られる皮膚病です。

主な症状は全身に破れやすい水疱ができるのですが、水疱が破れると中の細菌が飛び散って、付着した皮膚にまた強いかゆみを伴う水疱を作るという感染力の高いやっかいな病気です。

水疱が破れた後はしばらくすると乾いてかさぶたになり、きれいにとれていきます。

季節による病気9.おたふくかぜ

おたふくかぜとは、ムンプスウイルスの飛沫感染や空気感染によって起こる病気のことです。

主に幼児から小学生がかかることが多く、2-3週間の潜伏期間の後、38度前後の熱が1-2日続いた後に耳下腺の腫れと痛み、唾液腺の腫れが生じます。

また、5人に1人くらいは発熱せず最初から耳下腺などが腫れたり、潜伏期間も長いため、おたふくかぜにかかっていることに気付かずに感染経路になってしまうこともよくあります。

季節による病気10.水ぼうそう(水痘)

水ぼうそうとは、帯状疱疹ウイルスの感染によって37-38度前後の発熱の後、体中に虫さされのような赤い発疹が出る病気のことです。

発疹には強いかゆみがありますが、2-3日で乾いて黒いかさぶたになった後、1週間程度ではがれます。

水ぼうそうは接触感染と飛沫感染によって拡散しますが、一度かかってしまえば交代ができるため、幼児以降でかかることはほぼありません。

季節による病気11.溶連菌感染症(ようれんきんかんせんしょう)

溶連菌感染症とは、のどに溶連菌(溶血性連鎖球菌)が感染して起こる病気のことで、咽頭炎(いんとうえん)や扁桃炎(へんとうせん)などの症状を起こします。

溶連菌は、飛沫感染によって幼児から小学生にかけて感染し、発症時には急に38-39度の高熱が出て扁桃部分や咽頭部分が赤く腫れます。

溶連菌感染症にかかると、のどの痛み、嘔吐、腹痛、頭痛、筋肉痛、関節痛のほか、中耳炎、発疹による皮膚炎などの合併症を引き起こすこともあります。

季節による病気12.RSウイルス感染症

RSウイルス感染症とは、冬季に流行するRSウイルスが呼吸器に感染して起こる病気です。

RSウイルスに感染すると2日から1週間ほどの潜伏期間の後、38-39度位の高熱、鼻水、せきなどの症状が出ます。

2歳までの幼児の発生率はほぼ100%で、通常は10日前後で治ります。ただし、1歳以下でRSウイルスに感染すると気管支炎、肺炎、中耳炎などを引き起こし重症化することもあります。

季節による病気13.百日咳(ひゃくにちぜき)

百日咳とは、百日咳菌による感染症のことで、ワクチン接種をしていない幼児はほぼ100%発症する病気です。

百日咳菌はのどや肺に炎症を起こし、ときには脳症を併発することもあります。感染のほとんどが3歳未満の乳幼児で、百日咳は母親からの免疫がないため新生児でも感染することがあります。

短い間隔で出す「コンコン」という咳、そしてその後息を吸い込むときの「ヒュー」という音が特徴的な症状です。潜伏期間は1-2週間で、発症後は夜間に連続の咳や鼻水が1週間ほど続き、その後2-6週間ほど「コンコン」「ヒュー」が続きます。

長く続く病気のため、怖いのは脳症による後遺症や新生児の場合は重篤化してしまうことです。

季節関係なくかかりやすい病気

赤ちゃん・子どもがかかる病気には、上記の様に季節性のウイルスや細菌とは関係がない病気もたくさんあります。

季節が関係ない病気1.風邪

風邪とは、ウイルス性の風邪症候群のことです。

発熱、せき、鼻水などが一般的な症状です。特定のウイルスや症状の進行具合によって、個別の病名が付く場合があります。

季節が関係ない病気2.突発性発疹(とっぱつせいほっしん)

突発性発疹とは、ヒトヘルペスウイルス6型(HHV-6)、ヒトヘルペスウイルス7型(HHV-7)の感染で起こる病気のことで、39-40度以上の高熱が出て、熱が下がった後に発疹が出るという症状があります。

突発性発疹はせきや鼻水などの症状が出ない代わりに、高熱による寒気や熱性けいれんなどを伴う場合があります。

ウイルス感染後の潜伏期間は1-2週間ほどで、3-4日ほど高熱が続いて熱が下がった後、体中に発疹が出ます。

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季節が関係ない病気3.熱性けいれん

熱性けいれんとは、高熱が出た際に脳に刺激を受けることで、身体が痙攣してしまう症状のことです。

熱性けいれんは生後5-6か月から6歳前後の子どもによくある痙攣症状のことで、1度熱性けいれんを体験すると低い熱でも熱性けいれんにかかりやすくなる場合があります。

痙攣の強弱には個人差がありますが、熱による脱水症状にさえ気をつければ、比較的安全な痙攣だと言えます。

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季節が関係ない病気4.川崎病

川崎病とは、3-4才以下の幼児に発症する原因不明の急性熱性疾患のことです。

突然発症すると5日間以上38-39度の高熱が続き、赤い発疹、リンパの腫れ、手足の腫れなどの症状がでます。

後遺症が残ることもあり、心臓の冠動脈異常、冠状動脈瘤(かんじょうどうみゃくりゅう)などの合併症のために急死してしまうこともあります。

季節が関係ない病気5.中耳炎(ちゅうじえん)

中耳炎とは、主に乳幼児が発症する耳内部の炎症のことで、鼓膜の内側にある中耳に細菌やウイルスが感染して炎症が起こる病気のことです。

中耳炎は、38度以上の高熱と耳やこめかみなどの痛みを伴います。また、他の病気の合併症になりやすく、慢性化することもあるため注意が必要です。

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季節が関係ない病気6.髄膜炎(ずいまくえん)

髄膜炎とは、脳や脊髄をおおっている髄膜(ずいまく)に細菌やウイルスが感染することで炎症を起こす病気です。

髄膜炎は、高熱、頭痛、嘔吐などの風邪とよく似た症状から始まり、痙攣や意識障害を起こすこともあります。

ウイルスが原因で起こる髄膜の炎症を「ウイルス性髄膜炎」と細菌による髄膜の炎症を「細菌性髄膜炎」と言い、特に細菌性髄膜炎は死亡率が高く、後遺症が残るケースもあります。

季節が関係ない病気7.尿路感染症(にょうろかんせんしょう)

尿路感染症とは、尿道口から細菌が入り、腎臓・尿管・膀胱・尿道などの腎尿路系で炎症を起こす病気のことです。

尿道が短い赤ちゃんから2歳までの子ども、特に男の子に比べて尿道の短い女の子は4-6歳くらいまでかかりやすく、腎臓・尿管・膀胱・尿道のどこに菌が感染するかによって、症状や病名が変わります。

たとえば膀胱で感染すると膀胱炎(ぼうこうえん)と呼ばれ、腎臓まで進入すると腎盂腎炎(じんうじんえん)になります。

赤ちゃんに多い尿路感染症の症状と原因は?予防法はある?

38-39度の高熱、嘔吐、下痢、頻尿などの症状があるため、脱水症状に気を付けなければいけません。また、おしっこ時の痛み、背中の痛みなども伴うため、排尿を嫌がる子どももいます。

季節が関係ない病気8.亀頭包皮炎(きとうほうひえん)

亀頭包皮炎とは、幼児から小学生くらいの男の子の包皮と亀頭部の間に垢がたまり、菌が繁殖して炎症を起こす病気のことです。

炎症を起こすと、痛みやかぶれによるかゆみがあり、患部が膿んで発熱することもあります。

真っ赤で痛痒そう!亀頭包皮炎の原因、症状、予防、治療法

季節が関係ない病気9.マイコプラズマ肺炎

マイコプラズマ肺炎とは、マイコプラズマ・ニューモニエという細菌によって起こる肺炎の一種です。

感染すると1-4週間の潜伏期間の後、発熱、頭痛、せき、痰、咽頭の腫れなど比較的軽症の肺炎を起こします。熱が下がってからも4週間ほどせきが続き、気管支炎や鼓膜炎の合併症を起こすことがあります。

飛沫感染、接触感染で大人にも感染しますが、1歳未満の乳児に感染することはほとんどありません。

季節が関係ない病気10.脳炎・脳症

脳炎とは、1-5歳の幼児がインフルエンザ、はしか、風疹、水ぼうそうなどにかかった際、ウイルスや細菌が脳に感染し炎症を起こす病気のことで、痙攣、意識障害、異常行動などの神経症状を起こします。

脳症とは、原因が様々でウイルス、薬物、金属成分、酸素欠乏が合併して起こる病気のことで、脳炎と同じく痙攣、意識障害、異常行動などの神経症状を起こします。ただし、脳に炎症は見られません。

脳炎・脳症とも痙攣が起きやすい病気であるため、熱性けいれんが5-10分以上続く場合、何度も繰り返す場合は脳炎や脳症の可能性があります。どちらの病気も後遺症の可能性があり、臓器にまで異常が見られる場合があります。

赤ちゃんから子どもの病気はとてもたくさんある

もちろん、紹介した病気以外にも赤ちゃん・子どもがかかる病気はとてもたくさんありますが、どの病気も乳幼児の体力や免疫力を考慮すると重症化しないように注意しなければいけません。

ママは赤ちゃんが病気にかかることをとても心配しますが、全ての病気にかかるわけではありませんし、予防接種や普段の生活リズムによって多くの病気は防ぐことができます。

予防接種には定期接種と任意接種があります。予防接種が受けられる病気については以下を参考にしてください。

予防接種のワクチンの種類は?定期接種と任意接種の違い

病気ごとに適切な処置をすることは、医療関係者でない限りとても難しいことです。とは言え、わたしたち親はせめて子どもの病気について、早めの対処や応急処置ができるように普段から学んでおく必要があります。

季節毎の基本的な病気、感染力の高い病気とその症状を覚えておくだけで、いざというときに冷静に対応できるようになりますよ。

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