子どもの扁桃腺肥大の原因・症状は?手術治療は必要?

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子どものころよく聞いた扁桃腺炎

子どもはよく風邪をひき、すぐに熱を出してしまいますが、その原因の1つが「扁桃腺肥大(へんとうせんひだい)」だと言われています。

扁桃腺肥大が起こると、のどがイガイガしてゴホゴホ咳が止まらないだけではなく、高熱を出したり、日常生活にも影響をおよぼす可能性があります。

たしかに、子どものころは扁桃腺炎という単語をよく聞いた気がします。病院に行ったときも「はい、お口アーンして」というのは、この扁桃腺が肥大していないかをチェックするためです。

では、なぜ子どもは頻繁に扁桃腺肥大が起こるのでしょうか。また、扁桃腺肥大とは一体どのような症状を起こすのでしょうか。

今回は、扁桃腺肥大が起きる原因や症状、また、どのようなときに治療が必要なのかについてお話したいと思います。

扁桃腺肥大(へんとうせんひだい)とは

扁桃腺肥大とは、扁桃腺が腫れて大きくなっている状態を言います。ここで言う扁桃腺が腫れて肥大するとは、以下の口蓋扁桃(こうがいへんとう)が肥大化することです。

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photo by LuettePalatineUvula – 口蓋垂 – Wikipedia

子どもの扁桃腺が肥大することは、特に珍しいことではありません。原因は以下の3つです。

1.ウイルスや細菌の影響で扁桃腺が腫れる
2.免疫力向上のために成長期に肥大する
3.体質により(遺伝含む)肥大している

子どもの扁桃腺肥大の原因

子どもの扁桃腺肥大が起こる3つの原因についてお話します。

原因1.ウイルスや細菌の影響で扁桃腺が腫れる

扁桃腺は免疫機能の役割を担っているリンパ腺のため、風邪やインフルエンザなどの病気でウイルスや細菌の侵入を察知するといち早く炎症を起こし、それ以上のウイルスや細菌の侵入を防ごうとします。

ところが、疲労やストレスで抵抗力が落ちているときなど、扁桃腺に感染したウイルスや細菌が繁殖してしまうと、炎症を起こす場合があります。この状態を「扁桃腺炎」と言います。

そのため、風邪や病気になると扁桃腺が腫れやすく、病気が治ると扁桃腺肥大も治まります。

また、扁桃腺炎が悪化すると、扁桃腺が化膿する「化膿性扁桃腺炎」、扁桃腺の周辺が潰瘍化する「扁桃周囲膿瘍」を起こす場合もあります。

原因2.免疫力向上のために成長期に肥大する

子どもの成長期において、扁桃腺では病気の際に免疫細胞が活発に働く準備をしています。

そのため、2歳ごろから扁桃腺が肥大し始めますが、5-6歳で免疫細胞が活発に働く準備が整うため徐々に扁桃腺肥大が治まり、10歳ごろには大人と同じように小さくなります。

原因3.体質により(遺伝含む)肥大している

親の遺伝の影響で、もともと普通の子よりも扁桃腺が肥大していることがあります。

遺伝によって他の子よりも扁桃腺が肥大している子は、疲労やちょっとした細菌・ウイルスの体内侵入でもすぐに扁桃腺が炎症を起こし、熱やのどの痛みを起こす場合があります。

また、風邪などを繰り返すことで、慢性的に扁桃腺が肥大してしまう可能性もあります。

扁桃腺肥大の症状と分類

扁桃腺肥大の症状

扁桃腺が肥大することには前述したとおりの原因がありますが、特に細菌やウイルスが感染して扁桃腺炎を起こすと以下の症状が現れます。

・扁桃腺の腫れ
・38-40度の高熱
・のどの痛み
・頭痛
・倦怠感
・口臭

また、子どもが生理的に扁桃腺肥大気味の場合に扁桃腺炎を起こすと、これらの症状がより強くなる場合があります。

扁桃腺肥大の分類

扁桃腺肥大は、扁桃腺が肥大した大きさでⅠ度、Ⅱ度、Ⅲ度に分類されます。

扁桃腺肥大の分類
Ⅰ度|一般的な口蓋扁桃に比べると多少盛り上がっている状態
Ⅱ度|口蓋扁桃の肥大によって、のどが狭まっている状態
Ⅲ度|口蓋扁桃が両側から肥大して真ん中で接触しそうな状態

先程の写真は、Ⅱ度とⅢ度の間ぐらいに扁桃腺が肥大しているものです。通常の風邪やインフルエンザなどの病気であれば、Ⅰ度-Ⅱ度の扁桃腺肥大を起こす場合があります。

子どもの成長期には、風邪などではなくてもⅠ-Ⅱ度程度の扁桃腺肥大が見られますが、一般的には5-6歳程度から扁桃腺が縮小し始めるため、特別心配する必要はありません。

ところが、扁桃腺肥大がⅡ度以上になると発熱しやすい、鼻づまりしやすい、呼吸をしづらい、食べ物を飲み込みにくいなどの症状が見られ、炎症が大きいⅢ度になると膿をもったり、悪臭がしたり、痛みを伴うことがあります。

また、日常生活においても、気道が狭まるため頻繁にいびきをかいたり、無呼吸症候群になったり、細菌の侵入によって滲出性中耳炎を引き起こしやすくなる可能性もあります。

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扁桃腺肥大の治療法

前述した通り、扁桃腺はリンパ腺です。つまり、細菌やウイルスの進入を防いで、身体を守るために扁桃腺が働くため、子どもの扁桃腺が肥大化していても、安易に切除するべきではないことを知っておかなければいけません。

扁桃腺肥大の治療1.抗生物質

扁桃腺(口蓋扁桃)が常に炎症によって腫れている場合は、抗生物質を使って炎症を鎮めるための薬物療法を行います。

扁桃腺肥大の治療2.切除手術

化膿性扁桃腺炎や扁桃周囲膿瘍は高熱が続き、これらの病気が悪化した場合は、入院や扁桃腺の切除手術を検討する可能性があります。

扁桃腺の切除手術は、全身麻酔のため一般的には5-6歳までは様子を見ますが、扁桃腺肥大が原因で頻繁に高熱を出したり、睡眠時無呼吸症候群や嚥下障害が起こっている場合は、目安の年齢より手前でも切除手術を検討します。

ちなみに、いつくか調べてみると手術費用の目安は3割負担で10万円前後ですが、乳幼児医療助成の対象であればさらに負担は軽くなります。

市区町村によって「通院費」「入院費」「両方」に適用される助成があるため事前に調べておきましょう。また、小さな子どもなので個室利用で差額ベッド代を必要とする場合もあります。

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扁桃腺肥大の予防

子どもの扁桃腺が肥大することは一概に悪いことではないため、具体的に予防する方法はありません。

ただ、通常よりも扁桃腺が肥大している子の場合、特に遺伝や成長中の子どもに見られる扁桃腺肥大は、成長につれて縮小することが望ましいものです。

それまでは体質的に風邪などの病気で扁桃腺が腫れやすく、高熱を出しやすい子もいるので、まずは風邪などの病気予防をして、扁桃腺肥大が慢性化しないように注意しましょう。

基本ですが、十分な睡眠、手洗い、うがい、栄養バランスなどの生活習慣を整えることが一番ですね。これらを教えるのはパパやママの役割です。

また、扁桃腺が慢性的に肥大している状態で、日常的に以下の症状を抱えている子は、医師に相談して生活習慣のアドバイスをもらいましょう。

・発熱しやすい
・鼻づまりしやすい
・呼吸をしづらい
・食べ物を飲み込みにくい
・頻繁にいびきをかく
・無呼吸症候群
・滲出性中耳炎

扁桃腺肥大は地味にやっかい

うちはいびき一家なんですが、その原因は夫も息子も娘も(わたしも)、一般に比べると扁桃腺が肥大気味で、気道が狭いことです。

娘は気管支も弱く、夜寝ているときはしょっちゅう鼻水をのどに詰まらせながら咳をし、たまに嘔吐して起きます。そして、ひとしきり泣くと、「ぐぅーーー」といびきをかいて寝てしまうことがあります。

もちろん、これは扁桃腺肥大だけが原因ではないのですが、「女の子なのに、このままいびきが続いたらどうしよう……。」と心配はしています。

きっと同じように女の子がいびきをかく姿を見て心配するママも多いでしょう。まずは医師に相談して欲しいのですが、無呼吸症候群や嚥下障害、睡眠を妨げる程の鼻づまりを起こしていなければ、5-6歳までは様子見で良いのではないかと思います。

もし、それ以上の年齢でもいびきをかくようであれば、扁桃腺肥大の治療も含めて何らかのいびき対策をした方が良いのかも……。

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参考|扁桃肥大・アデノイド肥大|妹尾小児科

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