子どもに小児かかりつけ医制度が必要な理由と特徴・メリット

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行きつけの病院・小児かかりつけ医はいる?

比較的若い20代、30代という年齢で、定期的に病院に通っている人はあまりいません。

もし、普段健康な人であれば、インフルエンザにかかったとき、生理痛が重くて動けないとき、肌が荒れて口唇ヘルペスができたとき、足を捻挫したときなど、自分ではどうしようもない場合でなければ病院に行かないことが多いはずです。

ちなみに、インフルエンザは内科、重い生理痛は婦人科、口唇ヘルペスは皮膚科、捻挫は整形外科と病院を分けて通うことが一般的ですね。そのため、行きつけの病院、かかりつけ医などと言われてもピンと来ない人が多いでしょう。

ところが妊娠すると、小児科の「かかりつけ医」の重要性をあちこちで聞くようになります。

実際に、うちは赤ちゃんのころから6歳の今に至るまで、かかりつけの小児科には毎年平均で10回近く行っています。

今回は、なぜ子どもにはかかりつけの小児科が必要なのか、また小児かかりつけ医制度の特徴とメリットについてお話したいと思います。

かかりつけ医とは

かかりつけ医とは、病気になったときすぐに診療してもらえる病院の医師のことで、患者の健康・病気の管理を行い、患者の相談に適切に回答し、治療や検査に最適な病院などを紹介するコンシェルジュの役割を果たしてくれるものです。

そのため、自分ではどうしようもない病気にかかったり、我慢できない痛みがあるときに利用するのではなく、体調の変化を感じたり、健康に関する相談を専門家にしたい場合に利用します。

極端に言うと、インフルエンザも生理痛もヘルペスも捻挫も、まずはかかりつけ医に行き、次にどう対応すれば良いかのアドバイスを医療の専門家であり、子どもの身体の専門家から受けるという考え方です。

かかりつけ医は、すぐに受診できることが大切なので、一般的には徒歩15分圏内、または電車で一駅程度のところにある病院で、待ち時間が長い総合病院ではなく、予約が取りやすい町の診療所を利用することが多いでしょう。

一般的なかかりつけ医の仕事は以下の通りです。

かかりつけ医の仕事
1.患者の病歴や使用している薬、アレルギーなどの情報を蓄積管理する
2.病気や症状に合わせて、適切な病院や専門医、必要な検査などを紹介する
3.患者の健康相談や体調管理方法などに対して答えたり、指南する

子どもに小児かかりつけ医が必要な理由

これまで自分の健康に無関心だった女性でも、妊娠をすると状況が一変します。まず、妊娠をすると1-2週間に1度の妊婦健診を行うことで、以下の環境が普通になります。

・常時自分の健康と赤ちゃんの健康状態を診てもらう
・各種検診で何か変化があれば予防処置を行う
・普段の生活習慣のアドバイスをもらう
・気になることがあれば医師に相談する環境ができる

妊婦健診の検査内容や頻度・回数は?お金がなくても受けるべき?

ほとんどの健康な女性は、妊娠するまでこのような病院の使い方をしたことはなかったはずです。

妊婦は、日々赤ちゃんが無事に産まれてくることを願ってドキドキしながら過ごします。そのため、定期的に身体の検査をしてもらい、専門家に相談ができる環境がどれだけ大切か理解できるようになります。

出産後は、子どもの病気治療や予防のために、定期的な検診が必要になります。子どものちょっとした体調の変化でも、ママは病気かどうかを判断できないため、常に心配がつきまといます。

そのため、子どもの小児かかりつけ医を持つことで、病気の治療だけではなく、身体の特徴や罹患歴から生活習慣のアドバイスを得たり、必要に応じて他の専門医や病院の紹介を受ける体制が作れます。

また、信頼できる小児かかりつけ医に健康管理をしてもらうことで、子どもの病気予防だけでなく、病気の早期発見につながることもあります。

小児かかりつけ医を持つ理由

小児かかりつけ医を持つ一番のメリットは、子どもの成長に合わせてアレルギーなどの体質、罹患歴、生活習慣などの特徴を正確に把握してもらえることです。

これらの情報を小児かかりつけ医に集約しておくことで、以下のメリットがあります。

かかりつけ医のメリット1.症状に対して的確な判断をしてもらえる

子どもに何らかの病気の症状が見られた場合に、蓄積された子どもの情報から判断して、適切な薬の処方や家庭での対応をアドバイスしてもらえます。

かかりつけ医のメリット2.専門検査や他病院を紹介してもらえる

子どもの病気の症状や状態から、客観的に判断して、専門検査などが行える専門の病院を紹介してもらうことができます。

かかりつけ医のメリット3.他病院で病気や子どもの体質などの説明の必要がない

かかりつけ医の紹介状(診療情報提供書)を持って専門医に行くと、体質や病歴などの説明の必要なく適切な診察を受けられます。

かかりつけ医からの紹介制度や診療情報提供書の詳細は、以下を参考にしてください。

小児かかりつけ医の変更方法と紹介状(診療情報提供書)の役割

もちろん、説明の必要が無いと言っても、基本的な質疑によるコミュニケーションによって、体質や病歴などの再度の確認は行なわれます。

かかりつけ医のメリット4.健康に関する育児のアドバイスを受けられる

赤ちゃんの母乳の飲み具合や睡眠時間、睡眠の質など、子どもの健康や病気対策につながる育児のアドバイス、ママの体調管理に関するアドバイスを専門家から受けられます。

かかりつけ医のメリット5.子育てに安心感を得られる

子どもの病歴やアレルギーなどの身体的な特徴を知ってもらっている専門家がいることで、子育てに安心感を得られます。

小児かかりつけ医の利用頻度

育児をしていると、「この場合、病院に連れて行っても良いのかな……。」という場面がよくあります。かかりつけの小児科には、どのくらいの頻度で行くべきなんでしょうか。

医師・病院検索サイトのドクター・オウチーノが首都圏在住の子持ち女性(20-39歳)を対象に行なった「「乳幼児と病院」に関する実態調査」において以下の結果が出ています。

月に1回以上子どもを病院に連れて行くという人は、専業主婦は44.8%だったのに対し、ワーキングマザーは54.1%と約10%もの差が生じています。

これは専業主婦の方が、 常に子どものそばにいて様子をみることができるため、あえて医者に頼る頻度が少なくなる傾向があることがわかります。

ちなみに約8割もの母親が、子どもの「かかりつけ医」を決めており、(専業主婦77.4%、ワーキングマザーでは81.5%)こちらも、自分の子どものことをあらかじめ知っている、かかりつけ医を持っていたほうが、子どもの状況に対して素早く対処でき、働く女性にとっては安心できるためでしょう。

引用|本当に大切な「かかりつけ医」を持つことのメリット!|NPO法人 住民安全ネットワークジャパン

ママが月に1回以上子どもを病院に連れて行く割合は、専業主婦にしろ働くママにしろ半数程度が平均的なようです。

子どもを病院に連れて行く頻度は、子どもの年齢や病気のかかりやすさによっても異なりますが、子どもが0歳の場合は、体調に違和感を感じた時点ですぐにかかりつけの小児科に連れて行きましょう。

特に、生後6か月未満の赤ちゃんであれば回数を気にする必要はありませんし、病院への行き過ぎを心配する必要はありません。

「違和感程度で病院に連れて行くと迷惑になる。」という、よくわからないことを言う人もいますが、まだ体質や身体の特徴が判明していない赤ちゃんを大人と同じに考えないでください。

基本的に子どもが幼児の間は、体調が悪いと感じた場合はすぐに小児かかりつけ医を頼れば良いですし、そのための小児かかりつけ医制度だと考えてください。

子どもの身体の特徴がわかるようになり、徐々に言葉でのコミュニケーションも可能になってくれば、少しずつ対応も変わっていくでしょう。

小児かかりつけ医の対応案内

広島市にある桑原医院では、サイト上で小児かかりつけ医制度の対応について、以下のように内容がわかりやすく書かれていました。

「小児かかりつけ医」に、3歳未満のお子さんが登録すると…
①何かの症状があれば、まず、当院を受診して頂くこととなります。
②他の医療機関で継続的に受診されている場合は事前に申告してください。
③特に専門的な診療の必要にない、皮膚科疾患、耳鼻科疾患、眼科疾患、整形外科的疾患なども対応させていただきます。
④ただし、専門的な医療を要すると判断した場合は、紹介などを行います。
⑤当院への連絡は、診療時間内であれば、082-873-2516 にお電話ください。
⑥夜間・休日には、当地区では、「小児救急電話相談事業#8000」等が利用できますが、それだけでは対応が難しい場合など、緊急の相談に、いつでも対応します。
連絡先 小児救急電話(深夜もかかります):#8000 桑原医院:082-873-2516
⑦原則、常時対応いたしますが、医師の体調保持にもご協力いただくと助かります。予防接種、発達のことなど、急を要さない相談内容の場合は、診療時間内にご相談ください。
⑧なお、外出時、自動車運転時、飛行機や新幹線による移動時、入浴時、飲酒時、爆睡時!などの際には、対応いたしかねる場合もありますことをご了承ください。お互い人間として尊重しあえるといいですね。
⑨診療代金としては、乳幼児等医療費受給者証をお持ちの方は、窓口料金は今まで通り変わりません。
乳幼児等医療費受給者証をお持ちでない方は窓口支払い時、60円程度の負担増となります事をご了承ください。

引用|4月1日から小児科「かかりつけ医」の登録ができます | 医院からのお知らせ | 広島市安佐南区の小児科・内科 地域のホームドクター 桑原医院

このように小児かかりつけ医制度への対応方針がわかりやすく書かれていると、利用者としても安心感を得られます。

特に夜間・休日の救急対応や料金にも触れていることが安心感につながりますし、「どんなときも対応できるわけではない」ということを予め理解できれば、もしものときにイライラしなくて済みます。

また、小児救急電話相談(#8000)での対応が難しい場合にも、できる限りの窓口があることが嬉しいですね。

夜間の発熱・嘔吐・ケガに小児救急電話相談!繋がらない場合は?#8000

いくら子どもが病気で親が心配しているからと言って、病院が24時間365日の対応をできるわけではありません。

また、子どもの心配から来るイライラをかかりつけ医にぶつけて良いわけではありません。マナーを守って利用すれば、上記に書かれている通り、お互い人間として尊重しあえると良い関係が築けると思います。

子連れママのかかりつけ医院・小児科・救急外来の受診マナー

全ての小児科がこのような小児かかりつけ医としての方針を示してくれていると良いですね。

小児かかりつけ医の選び方

小児かかりつけ医を選ぶ場合は、出産後ではなく妊娠時にいくつかの小児科の目星を付けておくようにしましょう。

ママ友に聞いたり、ネットで調べたりして、近所や職場に近い小児科をピックアップしておき、色々な人に病院や医師の評判を聞いてみると良いと思います。

もちろん、すべての小児科が一律で満足する対応をしてくれるとは限りません。人と人のお話なので、性格的・生理的にどうしても合わない医師だということもあると思います(医師から思われることもある)。

そのため、小児かかりつけ医の選び方は、慎重に行うようにしましょう。信頼できる、良い小児科の探し方・選び方は以下を参考にしてください。

小児科の年齢制限は何歳まで?良い病院の探し方と選び方13項目

また、急な引っ越しや何らかの事情で小児かかりつけ医を変えなければいけないという人は、以下を参考にしてください。

手順を守ることで、子どもの医療の引き継ぎをスムーズに行えるようにしましょう。

小児かかりつけ医の変更方法と紹介状(診療情報提供書)の役割


参考|かかりつけ医を持ちましょう | 津山中央病院

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