麻酔や抜糸は?痛みは?出産で会陰切開を行う理由と手術方法

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会陰切開が痛いって聞いたけど…

赤ちゃんの出産前の陣痛の痛み、分娩の痛み、出産後の後陣痛の痛みなど、出産はどの段階でも何らかの痛みが伴います。この痛みが怖くてブルーになる妊婦も大勢います。

痛みの強さや痛みの耐性は人によって変わりますが、特に分娩の痛みは「もう二度と経験したくない。」「鼻からスイカ。」「地獄の苦しみ。」なんて言われていますね。しかも、分娩に丸一日以上かかることも珍しくありません。

そんな分娩の痛みを少しでも短くするため、また、赤ちゃんを早く安全に出産するために、膣口と肛門の間の会陰という部分を切開して赤ちゃんを通りやすくする「会陰切開」という切開手術を行うことがあります。

もちろん、会陰切開を行うことで赤ちゃんは出てきやすくはなりますし、実際に初産ママの7割程度が会陰切開を行いますが、切開手術を行っているため、出産後も傷口はジンジンと痛みます。

中には、「地味だけど、分娩よりも会陰切開の方が痛い……。」というママがいるほどです。

もちろん、できれば切りたくないという人のために、なるべく会陰切開をしない方法もありますが、まずは会陰切開がどのようなものかを知っておく必要があります。

そこで今回は、会陰切開の意味と必要な理由、どのような痛みでいつまで続くのかなどについてお話したいと思います。

会陰切開(えいんせっかい)とは

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会陰切開とは、イラストのように分娩の際に膣口と肛門の間の「会陰」と呼ばれる部分を切開して、赤ちゃんの頭が通りやすくする処置のことです。

初産の場合、産道があまり広がらず、膣口の伸長も少ないため、会陰部分が自然に裂けてしまう「会陰裂傷(えいんれっしょう)」が起こる場合があります。

一般的に会陰切開を行うと、産後1-2週間程度で傷が閉じ、徐々に痛みも和らぎますが、会陰切開をせずに重度の会陰裂傷が起こると痛みが増し、傷が閉じるまでに産後1-2か月必要になる場合がもあります。

この会陰裂傷を避けるために、積極的に会陰切開を行う病院もあります。

切開部は2種類あります。上記イラストで言うと、Midline episiotomyが「垂直切開(正中切開)」、Medio-Lateral episiotomoyが「斜め切開(正中側切開)」という会陰切開方法です。

初産で会陰切開を行う理由

会陰切開を行うかどうかは医師の判断によりますが、明確な判断基準があるわけではありません。そのため、妊婦健診時に医師が会陰切開を行う基準や方針を聞いておくと良いでしょう。

では、医師はどのようなときに会陰切開を行うんでしょうか。

会陰切開を行う理由1.会陰裂傷を避けるため

前述した通り、初産は膣口の伸長が少ないため皮膚がかなり突っ張った状態で分娩することになり、会陰裂傷が起こりやすくなります。そのため、会陰裂傷を避ける目的で最初から会陰切開を行うことが多くなります。

会陰切開を行う理由2.分娩が長引くことを避けるため

妊婦がどれだけいきんでもなかなか赤ちゃんが出てこない場合、陣痛室と分娩室を行ったり来たりすることもあります。

出産までに24時間かかった、36時間かかったという武勇伝は無事に出産できれば話のネタにはなりますが、出産リスクが増しているため良いことではありません。

そのため、素早く赤ちゃんを取り出せる様に会陰切開をする場合があります。

会陰切開を行う理由3.器具を使った補助分娩を行うため

赤ちゃんがなかなか産道から降りてきてくれない場合、器具を使って「吸引分娩(きゅういんぶんべん)」や「鉗子分娩(かんしぶんべん)」を行うことがあります。

器具を使うためには膣口を拡張しなければならないため、会陰切開を行うことが増えます。

吸引分娩は頭の形が変わる?後遺症・障害リスクとその原因

後遺症・障害リスクはある?鉗子分娩が行われる理由

会陰切開の方法と流れ

会陰切開の流れ1.局所麻酔の有無

分娩中に会陰切開が必要だと感じた医師は、妊婦に確認せずに局所麻酔を行ってから会陰切開を行います。

切開時に麻酔を行うかどうかは医師の判断によるそうで、麻酔無しでいきなりジョキッとハサミを入れられることもあるそうですが、分娩時の痛みの方が強いため気にならない人が多いようです……人によりますけど……。

会陰切開の流れ2.2つの会陰切開術

会陰切開には、前述した通り主に2つの方法があります。

ひとつは膣口から肛門に向けて垂直に切開する「垂直切開(正中切開)」で、縫合後の違和感が少ない利点がありますが、切開部が裂けて肛門に達するリスクがあります。

もうひとつは膣口から斜め約45度にハサミを入れて切開する「斜め切開(正中側切開)」で、傷が肛門まで裂傷するリスクが低いという利点があります。

会陰切開の流れ3.縫合と抜糸

会陰切開術をして、無事に分娩が終わった後には会陰切開部分の縫合を行います。

分娩が終わって落ち着いた後なので、ここで局所麻酔を行う場合もあります。縫合の多くは吸収糸を使って行われるため抜糸の必要がなく、およそ1か月程度で体内に溶けてなくなってしまいます。

また、会陰切開後の傷跡はほとんどなくなりますが、会陰裂傷の傷跡は残ってしまうこともあります。どちらにしても目立つところではないので、あまり気にする必要はないと思います(^_^;)

会陰切開したくない…どうすれば良い?

「身体を切られるのが怖い……できれば会陰切開をしたくない……。でも、会陰裂傷もやだ……。」というのが本音でしょう。

もちろん、会陰切開後の痛みが強い人もいれば、会陰切開がとても楽な人もいます。会陰切開をしない分娩に挑んで、会陰裂傷してしまい「こんなことなら会陰切開しておけば良かった……。」というママもいます。

また、会陰切開をしたのに、会陰裂傷も同時にしてしまったという可哀想な人もいます。

会陰切開を避けて、自然分娩をしたい人は日頃の事前準備が必要です。事前準備によって会陰切開と会陰裂傷の可能性を低くすることはできます。ただし、準備をしても会陰裂傷が起きる人はいます。

また、病院で出産を行うと会陰裂傷の予防のために会陰切開をする機会が増えますが、助産院では医療行為ができないため会陰切開をすることはありません。

というわけで、会陰切開をしてスムーズな分娩の保険をかけるか、会陰切開をしない分娩を目指すのかはあなた次第です。人にもよりますが、良い悪い、痛む痛まないは一般的に以下の順番なので、よーく考えて判断してください。

「会陰裂傷+会陰切開 < 会陰裂傷 < 会陰切開 < 会陰裂傷が起きない」

わたしは息子も娘も帝王切開だったので、会陰切開とも会陰裂傷とも縁はありませんでしたが、身体を切った傷口が痛む気持ちはよくわかります。

次回は、会陰切開をしないための準備についてお話したいと思います。

会陰切開したくない…会陰裂傷しない分娩準備と出産後のケア


参考|会陰切開ってどういうもの? [出産の基礎知識] All About

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