滲出性中耳炎の原因と症状は?早期の難聴発見と治療法

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熱も痛みもない厄介な滲出性中耳炎…

一般的に中耳炎というと、高熱が出て耳やその周辺が痛くなるため、子どもにその症状が出るとママは比較的すぐに異変に気付くことが多いでしょう。

話すことができない赤ちゃんでも、以下のように熱が出たときの対処を行い、なるべく早く病院に行けば問題は解決します。

子どもの発熱でママがすること
 1.体温計で熱を計測
 2.症状の確認
 3.おむつのおしっこ・うんちの確認
 4.症状に合わせて着替え
 5.水分をこまめに補給
 6.とりあえず布団を用意
 7.体温が高い場合は冷やす
 8.小児科の予約をする
 9.小児救急電話相談の利用
 10.救急外来を利用

赤ちゃん・子どもの急な発熱!慌てて病院に行く前の10の対処

子どもが高熱を出すとママは慌ててしまいますが、熱が出ると病気の早期発見にもつながるので、ひとまず落ち着いて対処をすれば良いだけです。

ところが、「滲出性中耳炎」という中耳炎の一種は、熱や痛みの症状を伴うことが少ない厄介な病気です。しかも慢性化すると、聴力が低下して軽度の難聴を起こす可能性もあります。

そこで今回は、滲出性中耳炎の原因や特徴、滲出性中耳炎を見抜くためのチェック方法などをお話したいと思います。

滲出性中耳炎(しんしゅつせいちゅうじえん)とは

滲出性中耳炎とは、耳管の排出機能が正常に働かないことで、鼓膜の奥にある骨で囲まれた「中耳(ちゅうじ)」という空間に、「滲出液(しんしゅつえき)」が溜まってしまう病気のことを言います。

滲出液は、中耳の炎症によって中耳の細胞内から滲み出てくる液体のことです。

通常、滲出液は耳から「耳管(じかん)」を通り、のどから鼻に抜けて鼻水や痰といっしょに排出されますが、排出されずに中耳内に留まることで耳が聞こえにくくなりことがあります。

また、滲出性中耳炎を放置すると鼓膜の陥没や萎縮・癒着などにつながる可能性もあり、鼓膜の切開手術を行う必要が出てきてしまいます。

滲出性中耳炎は年齢や性別に関係なく発症しますが、特に3歳ごろから10歳ごろまでに多くみられ、滲出性中耳炎にかかる場合は、ほとんどの子が両耳を患ってしまうため注意が必要です。

滲出性中耳炎と急性中耳炎の違い

滲出性中耳炎と急性中耳炎、この2つはどのように区別されるのでしょうか。

急性中耳炎は発熱、中耳・鼓膜の炎症、耳の痛み、中耳腔内の膿溜まりなどの症状があります。

滲出性中耳炎も中耳の炎症と滲出液溜まりはありますが、発熱や耳の痛みが(それほど)ありません。

つまり、滲出性中耳炎は、多少の炎症や耳の痛みが伴っている場合もありますが、基本的には中耳腔に滲出液が溜まっているだけの状態を言います。

そのため、滲出性中耳炎は急性中耳炎に比べて発見しづらく、気がついたときには中耳炎症状が悪化している場合もあります。

参考|滲出性中耳炎|お母さんのための滲出性中耳炎教室リターンズ

滲出性中耳炎の原因

滲出性中耳炎にかかる原因は、中耳腔に溜まった滲出液が抜ける機構が正常に働かないことです。そのため、根本原因を解決しなければ滲出性中耳炎を反復する可能性が高くなります。

滲出性中耳炎の原因1.急性中耳炎の未完治

滲出性中耳炎は突然発症するのではなく、多くが急性中耳炎が完治しなかったことが原因で発症します。

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滲出性中耳炎の原因2.鼻咽腔の病気

子どもに特徴的なアデノイド肥大が起きていると耳管が圧迫されてしまい、耳管の通りが悪くなります。そのため、耳管に侵入した細菌やウイルスを排出しにくくなり、抽出性中耳炎の原因になります。

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また、蓄膿症(ちくのうしょう)やアレルギー性鼻炎でも耳管が圧迫され、同様に滲出性中耳炎の原因になる可能性があります。

滲出性中耳炎の原因3.耳管が未成熟

耳管の機能は10歳ごろまでに完成するため、それ以前は適切に耳管を開放する筋肉が働かないことで滲出性中耳炎にかかりやすくなります。

また、耳管の機能が未成熟なだけではなく、口蓋裂やダウン症などで耳管を開放する機能に異常がある場合も滲出性中耳炎にかかりやすくなります。

滲出性中耳炎の早期発見方法

滲出性中耳炎は、痛みや発熱を伴うことはほとんどないため、コミュニケーションが取りづらい小さな子ほど、発見が遅れる可能性があります。

効果的な発見方法は、滲出性中耳炎の特徴である難聴(滲出液が溜まって耳が聞こえにくい)の症状を見抜くことです。

発見方法1.普段より大きな音で生活している

滲出性中耳炎になると耳の中に滲出液が溜まっているため、耳が聞こえにくくなります。

そのため、子どもが見ているテレビの音が普段よりも大きかったり、子どもとの会話で声が大きいと感じた場合は、注意して観察してください。

発見方法2.呼びかけに返事をしない

滲出液が溜まると耳が聞こえにくいため、ママの呼びかけに対して返事をしないことがあります。

子どもはテレビなどに夢中になって返事をしないこともあるため、呼びかけに応じたら、改めてママの声が聞こえにくいかどうかを確かめてください。

赤ちゃんの場合は、生後3-4か月を過ぎていれば、左右片側ずつママが呼びかけをして反応するかを確認してください。

発見方法3.耳を気にしている素振りがある

滲出性中耳炎の子どもは耳が聞こえにくく違和感を感じることがあるため、耳を気にする素振りを見せたり、しきりに耳を触ることがあるかもしれません。

滲出性中耳炎発見方法4.慢性鼻炎持ちや風邪が長引いている

滲出性中耳炎は、他の中耳炎と同じように子どもによくある病気です。そしてその原因は、鼻炎や風邪などの一般的な病気から来るものです。

そのため、ママは子どもが風邪を引いたり、鼻炎持ちの場合は注意してください。特に赤ちゃんの滲出性中耳炎はわかりにくいため、鼻炎や風邪が長引いていて、違和感を感じたらすぐ小児科に相談してください。

滲出性中耳炎発見方法5.異変があるかどうかを確認する

滲出液がどの程度溜まっているかは、見ただけではわかりません。そのため、子どもに違和感を感じたら以下のことを確認してください。

「耳が聞こえにくくないか。」
「いつもと違う感じがしないか。」
「耳の中がガサガサ音がしないか。」

小さな子の場合、異変を感じてもうまく言葉で伝えられないため「なんでもない。」「わからない。」と濁すことがあります。ママはちょっとした異変をうまく聞き出せるようにしましょう。

滲出性中耳炎の治療方法

滲出性中耳炎は蓄膿症、風邪、アレルギー性鼻炎、アデノイド肥大などの原因があるため、耳だけではなく、鼻、のどなど全体的に治療が必要な場合もあります。

治療方法1.鼻とのどの薬剤治療

鼻やのどに詰まっている鼻水、痰などを吸引したり、鼻への薬剤や内服薬を使うことで炎症を抑える治療をします。

治療方法2.耳管通気治療(じかんつうきちりょう)

鼻咽腔(びいんくう)の耳管開口部から空気を入れて、滲出液の排出と耳管の詰まりを解消し、耳の機能改善をはかります。

治療方法3.鼓膜の切開治療

鼓膜の陥没や萎縮・癒着などが起こっている場合は、鼓膜を切開して滲出液を吸引します。

治療方法4.鼓膜チューブ留置

滲出性中耳炎が慢性化している場合は、鼓膜の切開部に小さなチューブを入れて、滲出液が溜まらないようにチューブ留置治療を行う場合があります。

ただし、チューブ留置によって、逆に急性中耳炎の発症率が高まる可能性もあるそうです。また、5-6歳以下の子どもは全身麻酔の手術になり、入院の必要もあります。

滲出性中耳炎治療の問題点など

滲出性中耳炎の治療方法は、医師や病院の医療方針によって異なります。そのため、滲出性中耳炎の程度によって投薬治療をするのか、経過観察をするのか、施術療法をするのかは変わります。

また、前述した滲出性中耳炎の治療方法は、医師によっては意味がないと判断される場合もあるため、素人のわたしたちには何を信じて良いか難しいところです。

たとえば、耳鼻咽喉科の老木医院では、滲出性中耳炎の治療方法や治療方針に対して、以下のような意見を持っています。

滲出性中耳炎は自然治癒することが多い。
我が国で行われている耳管通気は、諸外国では、治療法として行われていない。
鼓膜切開にはほとんど効果がない。
飲み薬はごく弱い効果で、1カ月以上飲んでも変わらない。
チューブ留置術とアデノイド切除術は一定の効果はみられる。
滲出性中耳炎が言語発達などの発育をどの程度遅らせるのか、いまだ不明な点も多い。

引用|小児滲出性中耳炎アドバンスト|滲出性中耳炎

また、日本耳科学会が発行している「小児滲出性中耳炎診療ガイドライン 2015年版」では、滲出性中耳炎の治療法として、条件や推奨度が記載されているため、気になる人はそちらも参考にしてください。

滲出性中耳炎の治療は長い目で

滲出性中耳炎は9割が自然治癒すると言われますが、それ以外は薬だけで治療が済むことはあまりなく、慢性化した場合は病院によっては耳管通気治療や鼓膜切開治療を勧められることもあります。

また、自然治癒も含めて完治までに時間がかかる病気のため、ある程度通院をすることを念頭に置いた方が良いでしょう。

滲出性中耳炎にかかりやすい3歳過ぎは、子どもの言葉の発達時期に重なるため、親としては難聴による言葉の遅れは心配するものです。

そのためまずは、滲出性中耳炎の早期発見ができるように、普段から子どもとしっかりコミュニケーションを取るようにしてください。

子どもの軽度の難聴原因で最も多いのが滲出性中耳炎と言いますが、その他にも子どもの難聴には原因があります。けっして他人事ではないので、しっかりと原因チェックをしておきましょう。

赤ちゃん・子どもの先天性・後天性難聴15の原因と早期発見方法


参考|【耳と聞こえのQ&A】<滲出性中耳炎>:社団法人 日本耳鼻咽喉科学会
参考|滲出性中耳炎|横田耳鼻咽喉科医院

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