助産院と病院どっちが良い?助産院の特徴とメリット・費用の違い

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助産院で出産する割合

今妊活に取り組んでいる人は、一体どこで出産をしたいですか?

ママ友に「出産するなら、助産師さんに取り上げてもらう方が安心よ~。」と助産院を勧められた人もいるでしょう。ただ、助産院が病院よりも優れている理由はあまり説明されません。

ちなみに、出産場所で考えられるのは、主に総合病院、産婦人科クリニックや診療所、助産院、自宅の4つですが、厚生労働省の統計によると助産院は全体の1%ほどです。

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出典|助産師の就業状況と活用について|厚生労働省

赤ちゃんどこで産む?統計による出産場所の割合と決め方のヒント

では、全体の1%しかない助産院での出産がなぜ出産場所の選択肢として勧められるのでしょうか。産婦人科と助産院で行う出産の違い、また、産婦人科医と助産師の違いは何でしょうか。

今回は、赤ちゃんを出産する場所、産婦人科医と助産師の違いについてお話したいと思います。

助産所(助産院)とは

助産院とは、助産師が健康な母子に対して分娩の手助けを行う場所であり、妊娠に関わる女性に対して赤ちゃんの保健指導を行う施設でもあります。助産院には以下の特徴があります。

特徴1.医療行為ができない

病院と助産院の最も大きな違いは、助産院での出産は助産師が行うことです。

病院では医師による医療行為を行えますが、助産院には医師が常駐していないため、診察や異常分娩時の医療行為が行えません。異常分娩とは、母体や胎児に産道異常、胎児異常、娩出力異常が見られた場合に医療介助を必要とする分娩を言います。

正常分娩と異常分娩の違いは?症状や出産割合・出産の流れなど

特徴2.出産可能な状態に制限がある

出産前の母子に以下の状態がある場合、医療行為を伴う可能性が高まるため、助産院での出産を行うことはできません。

・子宮を手術したことがある
・子宮筋腫などの子宮異常がある
・帝王切開で出産したことがある
・前置胎盤などの胎盤異常がある
・羊水過多・過少などの異常がある
・妊娠高血圧、妊娠糖尿病などがある
・喘息、甲状腺機能異常などの合併症がある
・B型肝炎、C型肝炎などの感染症がある
・多胎妊娠である
・逆子(骨盤位)がなおらない
・母体の血液型がRH(-)など特殊な血液型である
など

また、これら以外にも、妊婦健診においてハイリスク妊娠だと診断されたり、助産師や医師が不適当だと判断した場合も助産院での出産はできません。

ハイリスク妊娠の定義とは?妊婦や病気の危険要因とリスクスコア

特徴3.一部の妊婦健診は行えない

妊娠は病気ではありません。そのため、妊婦と胎児の健康状態を把握する問診、エコーよる妊娠状況の把握、体重、血圧、尿たんぱくなどの計測、保健指導など一般的な妊婦健診は行えます。

一般的な妊婦健診以外の血液検査や感染症の検査、子宮頸がん検査などは医療行為にあたるため、提携している病院で検査を行ないます。

妊婦健診の検査内容や回数・費用は?お金がなくても受けるべき?

助産院で出産するメリット

このように助産院の特徴を並べると、妊娠から出産までの流れにおいて、総じて医療行為が行えないことが特徴であり、それがデメリットに感じる人もいるでしょう。

では、助産院で出産をするメリットは何でしょうか。

メリット1.出産費用が安い

国民健康保険中央会が発表している正常分娩時の病院、診療所、助産院の出産費用の平均値は以下の通りです。

病院の出産費用|511,652円(入院日数は7日で145,741円、分娩料は231,318円)
診療所の出産費用|501,408円(入院日数は6日で84,086円、分娩料は274,317円)
助産院の出産費用|464,943円(入院日数は5日で84,246円、分娩料は259,589円)

参考|正常分娩分の平均的な出産費用について(平成28年度)|国民健康保険中央会

この4-5万円の違いをどう見るかは人によりますが、助産院の出産費用の平均値が低いことは間違いありません。

メリット2.自然な姿勢で出産可能

助産院では、一般的な普通分娩による出産のこだわりがなく、妊婦が希望する自然なスタイル(フリースタイル分娩)での出産が推奨されています。

そのため、横向き、四つん這い、人に掴まったまま、立ったままなど、妊婦が思う自由な体勢でストレスなく分娩をしたい場合は、助産院を選択する人が多いでしょう。

自然分娩・経膣分娩とは?さまざまな出産方法の種類と割合

メリット3.男性に見られるストレスが少ない

出産中はそんなことも言っていられないと思いますが、たとえ医師でも男性に出産の姿を見られることに抵抗がある女性はいます。分娩までにそれがストレスになることもあるでしょう。

一方、助産師は女性にしかなれない職業のため、助産院で出産をすればそのようなストレスがなく出産を行えます。

メリット4.妊婦健診から分娩まで担当が同じ

助産院は、妊婦健診から分娩まで同じ助産師が担当をすることが一般的ですが、病院では担当制になっていることが多く、妊婦健診と分娩の担当者が異なります。

そのため、助産院では妊婦健診で相談していたことを含めて、より長く1人の助産師との信頼関係を築きながら出産に臨むことができます。

助産院で出産する注意点

最後に助産院で出産する際の注意点、知っておいてほしい点をいくつかご紹介しましょう。

1.病院にも助産師はいる

病院や診療所では医師が分娩を行うと思っている人も多いと思いますが、病院や診療所でも医療行為の必要がない分娩は助産師の資格を持った女性が出産介助を行うことがあります。

そのため、場所はどこでも構わないけど助産師に赤ちゃんを取り上げてもらいたいという人は、一度病院に聞いてみても良いでしょう。

2.助産院もある程度の設備が必要

助産院と聞いて、いまだに産婆さんのイメージを持っている人もいると思います。もしかしたら、助産院は身一つで妊婦の分娩を介助していると考えているかもしれません。

ところが、日本助産師会では、助産師が揃えるべき機材として以下のものを挙げています。

妊婦健診時使用物品
・ドップラー
・血圧計
・メジャー
・尿検査紙
・体重計(成人用)
・聴診器(成人用)

分娩時使用物品
・分娩器械
・分娩監視装置
・衛生材料
・尿検査紙
・医療用酸素
・点滴セット一式(留置針・輸液セット・点滴台等)
・医療用酸素
・アンビューバッグ(新生児用・成人用)
・パルスオキシメーター
・新生児を保温する用具

新生児使用物品
・メジャー
・新生児用体重計
・体温計
・聴診器(新生児用)
・ストップウオッチ
・経皮黄疸計
・沐浴用品
・臍処置用品
・新生児採血セット1式

事務機器その他
・パソコンおよび周辺機器
・鍵のかかる保管庫
・胎盤保管用の冷蔵庫

備えることがのぞましい備品
・超音波診断装置
・血糖測定器
・オートクレーブ
・血液ガス測定器
・その他

薬剤
・維持点滴液
・子宮収縮剤
・点眼薬
・K2シロップ
・その他、包括指示に基づく薬品

参考|分娩を取り扱う助産所の開業基準|日本助産師会

助産院では医療行為は行なえませんが、分娩に必要な機材だけでなく、妊婦健診に必要な機材やパソコン周辺機器、個人情報を保護する保管庫まで揃っていることが望ましいとされています。

このことを知るだけでも、助産師や助産院の設備に対するイメージが大きく変わるのではないかと思います。

3.助産院と病院の連携が重要

助産院での出産で最も注意するべきことは、万が一のときに医療行為が行えないことです。妊娠・出産は病気ではないとは言え、分娩の途中で医療行為が必要になる可能性もあります。

その際、助産院がどのような体制で病院と提携し、これまでにどのような緊急対応の実績があるかは聞いておきましょう。

4.信頼できる助産師を見極める

助産院での出産は、一般的な妊婦健診から分娩まで同じ人が担当をします。これは、人によっては人間関係を築けて心強いことですが、ある意味その助産師に依存する行為です。

妊婦が急な異変を感じてそれを訴えたとしても、「わたしを信じて。」と言われると何も言えなくなるかもしれません。助産師との信頼関係は大切ですが、それ以上に妊婦を気遣い、心に寄り添ってくれる助産師を見極めましょう。

病院と助産院どちらが良いのか

どこでどのように出産をするかは、妊婦とその家族の自由です。助産院にも病院にもメリット・デメリットはあるため、よく理解したうえで出産場所を選んでください。

助産院にはさまざまな種類がありますが、助産院と病院の両方のメリットを享受したい場合は、病院施設内に併設された助産院もあるため、調べてみると良いでしょう。

ただし、病院、助産院のどちらを選んでも、人間なので今後も医療ミスや判断ミスがなくなることはありません。

また、どちらも、プロフェッショナルとして仕事を全うしていますが、少しの環境の違いやスタンスの違いで、妊婦やその家族との反りが合わない事も考えられます。

そのため、病院だから、助産院だからという理由で優劣はなかなかつけられません。

ちなみに、わたしは大きな病院ではなく、助産院でもなく、診療所(産婦人科クリニック)で2人の子供を出産をしました。1人目は逆子が治らず予定帝王切開で出産したため、結果論ですが診療所で正解だったと思います。

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