授乳後に母乳・ミルクを吐く原因は?赤ちゃんの吐き戻し対処と予防法

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赤ちゃんが母乳・ミルクを吐き戻すのはなぜ?

ママがいつものように授乳をして、ゲップをさせた後にしばらく寝かせていると、突然赤ちゃんが母乳を吐き戻してしまいました。

「ちゃんとゲップさせてるのに……。わ、わたしのおっぱいまずいのかしら……。ミルクに変えようかな。」なんて思ったことはないでしょうか。

一般的に、赤ちゃんは生後3か月くらいまでは、よく母乳を吐き戻します。もちろん、ミルクでも吐き戻すので、ママの食生活が特殊でない限り母乳の味に原因があるわけではないと思います。

赤ちゃんが母乳を吐き戻すのは、赤ちゃん特有の原因があるため、ある程度は仕方がないことです。ママにとって大切なことは、赤ちゃんの吐き戻し原因を見極めること、そして吐き戻した後の対処をすることです。

そこで今回は、赤ちゃんが母乳やミルクを吐き戻してしまう原因と吐き戻した後の対処法についてお話したいと思います。

母乳・ミルクの吐き戻し原因

赤ちゃんが母乳やミルクを飲んだ後の吐き戻しには3つの種類があります。

口から「タラー」と溢れるように戻したり、咳といっしょに「コフッ」と飛び出たり、嘔吐のように「おえー」と吐くというものです。

母乳の吐き戻し原因1.飲み過ぎたから

赤ちゃん(新生児)の胃の容量は30ml-50mlほどしかないため、母乳やミルクを飲み過ぎてしまうと容量オーバーになり口から溢れてしまいます。これを「溢乳(いつにゅう)」と言います。

個人差はありますが、生後3ヶ月ごろには胃の容量が100mlを超えて吐き戻しをしにくくなります。ちなみに、赤ちゃんの胃の容量は、生後6か月で150ml-200ml、1歳で200ml-300mlと大きくなっていきます。

また、生後間もない赤ちゃんの内臓は小さく、臓器の間の隙間が多いため固定もされていません。特に食道と胃のつなぎ目(胃の入口)がゆるいため、コップの水が溢れるように、ちょっとした衝撃で口から母乳が溢れてしまいます。

母乳の吐き戻し原因2.空気もたくさん取り込むから

産まれたばかりの赤ちゃんは母乳を上手に飲むことができず、たくさんの空気も一緒に飲み込んでしまいます。母乳と空気を1:1の割合で取り込んでしまうそうです。

そのため、授乳後は背中を叩いてゲップを出すようにするんですが、うまく空気だけを吐き出せずに、空気といっしょに母乳まで吐き戻してしまうことがあります。

母乳の吐き戻し原因3.季節性の病気など

季節性の病気の中で最も多いものが、胃腸炎を伴う乳幼児嘔吐下痢症です。

乳幼児嘔吐下痢症とは、ウイルス性の感染症のことで、有名なウイルスにはロタウイルスやノロウイルスなどがあります。

赤ちゃんが何度も吐き戻したり、吐いた後に苦しそうな場合は病気の可能性があるため、なるべく早くかかりつけの小児科で受診するようにしてください。

嘔吐下痢症を発症すると最初の嘔吐から5-6時間は何も飲むことができません。もし飲ませると胃の内容物を全て吐き戻す可能性があります。

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母乳の吐き戻し原因4.先天性の病気

何らかの病気が原因で母乳やミルクを吐き戻してしまう赤ちゃんがいます。たとえば、「幽門狭窄症(ゆうもんきょうさくしょう)」「胃軸捻転症 (いじくねんてんしょう)」「ミルクアレルギー」などです。

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それ以外での吐き戻しは咳を伴ったり、胃の内容物を戻す嘔吐に近いアクションになります。

母乳の吐き戻し原因5.消化器官が未発達だから

もし、新生児が母乳を吐き戻してしまう場合、消化器官が未発達のためかもしれません。

特に早産で産まれた赤ちゃんは身体の機能発達が未熟な可能性があり、食道・胃・腸などの働きが悪いため消化が悪く、吐き戻しや下痢の原因になることがあります。

母乳・ミルクの吐き戻し後の対処法

赤ちゃんが母乳やミルクを吐き戻した後は、片付けなどの処理をしてあげなければいけません。

吐き戻し後の対処法1.きれいに拭き取る

赤ちゃんが母乳やミルクを吐き戻して顔の周りなどが汚れていたら、ガーゼやウェットティッシュ(おしりふき)できれいに拭きとってください。母乳やミルクは赤ちゃんの肌に付着すると、かぶれの原因になってしまいます。

もし、母乳やミルクを大量に吐き戻した場合は、タオルで拭いて着替えもしてあげましょう。

吐き戻したときに服の中や首回りのしわ、耳の中などに母乳が入り込んでしまい、気が付かずに放置してしまうとかぶれだけでなく、異臭の原因にもなってしまいます。

吐き戻し後の対処法2.吐きたいだけ吐かせる

赤ちゃんが授乳の途中で一度吐き戻したら、すぐに授乳を再開しないでください。

飲んだ母乳やミルクがまだ胃の内容量をオーバーしているかもしれませんし、空気が残っているかもしれません。まずは、空気にしろ母乳にしろ、吐きたいだけ吐かせてあげましょう。

と言っても、口の中に手を突っ込んで無理矢理吐かせるのではなく、いつもどおりゲップを出すように赤ちゃんを抱えて背中をトントンとしながら、しばらく様子を見ます。

吐き戻し後の対処法3.必要な母乳・ミルクを飲ませる

もし、まだ必要な母乳やミルクの量に達していない場合、また、赤ちゃんが飲みたがった場合は、もう一度飲ませてあげてください。

ただし、一度吐き戻した赤ちゃんは、原因によっては繰り返し吐き戻す可能性があります。様子を見ながら少しずつ授乳し、吐き戻しを繰り返す場合はすぐに小児科を受診しましょう。

また、ミルクの場合は、温度による刺激でまた吐き戻しをしてしまうかもしれません。ミルクが冷えていたら、少しだけ温めて飲みやすくしてあげてください。

吐き戻し後の対処法4.吐き戻しを繰り返す場合

授乳を再開しても赤ちゃんが吐き戻しを繰り返してしまう場合は、吐き戻しが原因で母乳不足になる可能性もあります。

毎日の授乳で何度も繰り返す場合は、赤ちゃんの授乳量や吐き戻しの量をメモして、かかりつけの小児科で状況を説明してください。

母乳やミルクの量が足りているかどうかは、授乳量だけではなくおしっこの回数やうんちの回数でも判断できます。新生児から3歳までのおしっことうんちの量と回数は、以下を参考にしてください。

新生児から3歳までの1日のおしっこ・うんち回数と量の目安

母乳・ミルク吐き戻しの予防方法

新生児期~生後3か月の赤ちゃんが、母乳やミルクを吐き戻してしまうのは、身体の構造上ある程度仕方がないことだと思ってください。

吐き戻しを気にして授乳を控えるのは可哀想なので、赤ちゃんが飲みたいだけ(ミルクは量を守って)飲ませてあげましょう。ただし、以下のことに気をつけて、なるべく赤ちゃんの吐き戻しを予防してあげます。

吐き戻し予防法1.授乳後にすぐ寝かせない

赤ちゃんに授乳する際は、母乳の場合もミルクの場合も頭を少し上にして飲ませます。吐き戻しが多い赤ちゃんは、縦抱き姿勢での授乳も試してみてください。

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もちろん、その後に一度ゲップを出してあげるんですが、それからすぐに赤ちゃんを寝かせてしまうと胃から母乳やミルクが溢れて吐き戻してしまうことがあります。

吐き戻しをしやすい赤ちゃんは、生後3か月前後までは授乳後にしばらく抱っこをしてから寝かせてあげるなどの工夫をしましょう。

吐き戻し予防法2.ゲップを十分に出す

赤ちゃんのゲップは一度出してもまだ空気がお腹の中に残っていて、時間差で「ゲフッ」ということがよくあります。

もし、赤ちゃんが横になっているときに大きなゲップが出てしまうと溢乳の原因になってしまいますし、吐き戻したミルクで呼吸が阻害される可能性もあります。

そのため、抱っことゲップ出しに時間をかけて、十分にゲップを出してから寝かせてあげましょう。

吐き戻し予防法3.空気が入らないように授乳する

授乳を行う際は、なるべく乳首が赤ちゃんの口にしっかりと入るように調整してあげましょう。

ミルク授乳の場合は哺乳瓶の角度によって空気が入りにくくすることは可能です。一般的には赤ちゃんの口に対して哺乳瓶を90度にすると赤ちゃんが飲みやすくなると言いますが、そこから少しずつ調整して授乳にベストな角度を探ってみてください。

初めから飲みやすい角度がついていて、かつ空気が入りにくい哺乳瓶も売られています。わたしはドクターベッタを使っていました。

また、授乳時の姿勢で赤ちゃんが飲みやすい体勢を見つけてあげることも重要です。上手に飲めるようになれば、空気を取り込む量も減っていきます。

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授乳時の抱っこ2.交差横抱き姿勢での授乳方法
授乳時の抱っこ3.フットボール抱きでの授乳方法
授乳時の抱っこ4.縦抱き姿勢での授乳方法
授乳時の抱っこ5.添い乳での授乳方法

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母乳の吐き戻し予防4.ミルク量を少なくする

ミルクは母乳に比べて消化に時間がかかることがあり、大量に飲んでしまうと吐き戻しを起こしやすくなります。

そのため、ミルクの量を少しだけ少なめにして授乳してみましょう。飲み足りないようであれば、少しずつ追加してあげてください。授乳量の目安は以下を参考にしてください。

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母乳の吐き戻し予防5.授乳後の時間を大切に

新生児期が終わって少し授乳に慣れたママは、授乳の動作にかかる時間を一気に短縮してしまいがちです。授乳の理想は、おっぱいを咥えている時間を短く、その後を長くです。

授乳の流れは、「授乳→安定させる→ゲップさせる→安定させる→寝かせる」の流れで落ち着いて行うのが良いのですが、「授乳→ゲップさせる→寝かせる」になると、赤ちゃんは動きについていけず吐き戻しやすくなります。

赤ちゃんが母乳を飲み慣れるまでは、しっかりコミュニケーションを取りながら授乳を行い、時間をかけてゲップをさせ、ゆっくりと寝かせてあげるようにしましょう。

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病気かも?注意が必要な赤ちゃんの吐き戻し

赤ちゃんが勢いよく母乳やミルクを吐き戻したり、吐いた後に苦しそうにしている場合は、何らかの病気の可能性もあります。

ミルク授乳で吐き戻した後に苦しそうにしている場合は「ミルクアレルギー」、母乳の場合は「幽門狭窄症(ゆうもんきょうさくしょう)」「胃軸捻転症 (いじくねんてんしょう)」などを疑います。

また、授乳後でもないのに嘔吐したり、明らかに様子がおかしい場合は、細菌やウイルス性の病気の可能性があります。まずは以下を参考に嘔吐後の処理をして、すぐに小児科を受診をしてください。

赤ちゃん・子どもの21の嘔吐原因…適切な対処法と片付けの注意点

赤ちゃんは生後3か月ごろまでは吐き戻しが多いため、初めはママもびっくりすると思います。でも少しずつ胃が大きくなり、形も安定して、上手に母乳を飲めるようになるため、吐き戻しも徐々に減っていくはずです。

夜の授乳後の吐き戻しを処理するのは眠くて大変だと思いますが、何とか乗り切って早く赤ちゃんを成長させてあげましょう。

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