妊娠週数毎の胎児体重の推移は?グラフで見る胎児発育曲線

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ママは胎児の体重が気になる

赤ちゃんは、個性によって産まれてくるときの体重に差があります。また、産まれてくる時期によっても体重差があります。

たとえ正産期(妊娠37週0日-妊娠41週6日)の出産だったとしても、その期間は35日もあるため、産まれてくる赤ちゃんが1000g以上体重が違うことはザラです。

ただ、産まれてくる赤ちゃんの体重が少なすぎても、多すぎても分娩が困難になったり、赤ちゃんの疾患の原因になる可能性があります。

そのため、ママにとっては、赤ちゃんがお腹の中で過ごす際にどれ位成長しているかを知ることはとても大切なことですし、実際に気になるところですね。

お腹の中の赤ちゃんの成長具合を確認するためのものに「胎児発育曲線」というグラフがあります。

今回は、胎児発育曲線と胎児の体重の増え方・推移についてお話したいと思います。

胎児発育曲線(たいじはついくきょくせん)とは

赤ちゃんが産まれてからの発育具合を見る指標は、一般的に体重を用いますね。

同じように、胎児も妊娠週数に合わせた体重を推定することで、発育の具合を評価しています。

そのため、胎児がママのお腹の中で過ごす際の体重には、妊娠週数に応じたおおよそ一般的と考えられる目安があります。そして、その推定した胎児の体重目安をグラフで表したものを「胎児発育曲線」と言います。

胎児発育曲線は、正期産、経膣分娩、正常体重(2,500g-3,999g)という条件で、健康に産まれた赤ちゃんの推定胎児体重データからグラフが作られています。

結果として健康に産まれた赤ちゃんのデータから作られたグラフであるため、胎児の体重が胎児発育曲線の基準値に収まっているかどうかを見ることで、胎児の正しい発育具合を判断し、胎児の成長異常や妊婦の病気を発見するために役立ちます。

出産後の体重の誤差がある理由

出産を経験したママの中には、「あれ?低体重児と思ってたけど、産まれた子は3000g以上もある……。ま、元気だしいっか。」という経験をした人もいるでしょう。

胎児の体重はエコーで見て計測するのですが、実際にわかるのは胎児の身体の特定の部位の長さや面積だけで、正確な体重がわかるわけではありません。

そのため、胎児の体重は、エコーの際の胎児の複数の部位を計測して、推定しなければいけません。この体重を「推定胎児体重(EFW)」と言い、以下の計算式を用いることで、胎児の体重を±10%の誤差の範囲で推定することができます。

日本で一般的に使われている胎児体重推定式は、以下の2つの式のどちらかを用いて計算されます。

EFW (g) = 1.07 × BPD (cm)3+ 3.42 × APTD (cm) × TTD (cm) × FL (cm) 
EFW (g) = 1.07 × BPD (cm)3+ 0.30 × AC (cm)2 × FL (cm)

EFW :estimated fetal weight 推定胎児体重
BPD :biparietal diameter 児頭大横径
APTD :antero-posterior trunk diameter 躯幹前後径
TTD :transverse trunk diameter 躯幹横径
FL :femur length 大腿骨長
AC :abdominal circumference 躯幹周囲長

引用|「推定胎児体重と胎児発育曲線」保健指導マニュアル|日本産科婦人科学会

胎児体重推定式を覚える必要はありませんが、導き出された結果は胎児発育曲線で確認して、胎児の発育具合を観察しなければいけません。

「あれ?低体重児と思ってたけど、産まれた子は3000g以上もある……。」というのは、±10%の誤差があったり、出産の日を少し伸ばしたからかもしれません。また、検査機器の性能や医師の熟練度・性格で違いが出たのかもしれません。

それだけ胎児体重推定式は誤差があり、正産期近くの胎児の成長は著しい場合があるということを認識しておきましょう。

胎児発育曲線と妊娠週毎の平均体重

では、実際に胎児発育曲線と妊娠週毎の平均体重を見てみます。以下はSDスコア(標準偏差曲線)による胎児発育曲線です。

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引用|胎児計測と胎児発育曲線について|日本産科婦人科学会

正常な体重で産まれる赤ちゃんの約95.4%は、この上下二本の曲線の間に入ります。ちなみに、上下に外れる値はそれぞれ2.3%です。

上下二本の曲線は上が+2.0SD、-2.0SDという閾値になり、胎児発育曲線の±2.0SDの範囲内で胎児の発育が見られれば、基本的に胎児の発育は順調だということになります。

妊娠週数による推定胎児体重は以下の通りです。

※左から「-2.0SDの体重」「平均体重」「+2.0SDの体重」

妊娠18週0日|126g|187g|247g
妊娠19週0日|166g|247g|328g
妊娠20週0日|210g|313g|416g
妊娠21週0日|262g|387g|512g
妊娠22週0日|320g|469g|618g
妊娠23週0日|387g|560g|733g
妊娠24週0日|461g|660g|859g
妊娠25週0日|546g|771g|996g
妊娠26週0日|639g|892g|1145g
妊娠27週0日|742g|1023g|1304g
妊娠28週0日|853g|1163g|1473g
妊娠29週0日|972g|1313g|1654g
妊娠30週0日|1098g|1470g|1842g
妊娠31週0日|1231g|1635g|2039g
妊娠32週0日|1368g|1805g|2242g
妊娠33週0日|1509g|1980g|2451g
妊娠34週0日|1649g|2156g|2663g
妊娠35週0日|1790g|2333g|2876g
妊娠36週0日|1927g|2507g|3087g
妊娠37週0日|2058g|2676g|3294g
妊娠38週0日|2181g|2838g|3495g
妊娠39週0日|2293g|2989g|3685g
妊娠40週0日|2388g|3125g|3862g
妊娠41週0日|2465g|3244g|4023g

胎児発育曲線から外れてしまったら?

胎児の体重がこの上下二本の曲線から外れてしまった場合でも、直ちに問題があるわけではありません。胎児や母体に何らかの異変がないか、正常な発育を妨げる要因がないかを調査します。

もし、+2.0SDを上回ってしまった場合、胎児が大きく成長しているため、栄養を取りすぎていないかを検査します。たとえば、胎児が大きく成長している原因の1つに妊婦の妊娠糖尿病が考えられるため、血糖値などの検査を行います。

そして、妊娠糖尿病だとわかった場合は、食事療法や運動療法によって、胎児への影響を最小限に抑えるための治療を行うことになります。

また、-2.0SDを下回ってしまった場合、胎児の成長が遅れてしまっているため、成長阻害要因を調査します。胎児の成長が遅れてしまう原因には胎児の形態異常、母体の病気や栄養不足、生活習慣の乱れなど様々な原因が考えられるため、1つずつ確認をして処置を行なっていきます。

とは言え、胎児の発育には個人差があるため、同じ妊娠週数を過ごしても同じ体格・体重になるわけではありません。そのため、一回のエコーによる推定児体重だけで一喜一憂しないようにしましょう。

生産期の巨大児と低体重児をどう考えれば良いか

正産期の新生児の体重は、2,500gから3,999gまでが便宜的に正常とされています。これは、2500g未満が低出生体重児、4000g以上が巨大児と分けられているためです。

そのため、一般的な新生児は3,250gがちょうど中間の体重になり、上下に750gもの幅があることになります。

ところが、胎児発育曲線やその数値を見てもわかる通り、正産期の-2.0SDの値を見ると全て低出生体重児です。また、妊娠41週の+2.0SDも巨大児になっています。

特に正産期の-2.0SDに納まっている低出生体重児は、昔であれば生命の危険が大きいものでしたが、現在の医療技術があれば基本的には問題がない発育状況です。

また、極端な低出生体重児や巨大児を抑制するために、陣痛促進剤や陣痛抑制を投与することで、分娩時期を変える方法が取られることもあるため、あまり心配をする必要はありません。

低出生体重児が産まれる原因は?後遺症や障害のリスクは?

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このような新生児体重の違いは、胎児が持っている遺伝的な要素と妊婦の子宮内の環境、また発育条件の違いによるものと考えられます。

胎児発育曲線は母子手帳にも記載されているため、いつでも確認することが可能です。母子手帳の交付に関しては以下を参考にしてください。

母子健康手帳はいつもらう?交付方法と紛失時の再発行申請

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