海外の寝かしつけ・夜泣き対策は添い寝なしで放置…は本当?

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添い寝以外の寝かしつけ・夜泣き対策

赤ちゃんの寝かしつけや夜泣きには、あやして、添い寝をして、愛情を感じさせることで安心させて寝かしつける……この方法が世界中で当たり前だと思っているママは多いはずです。

おそらくここ20-30年ほどは、これが日本における赤ちゃんの寝かしつけや夜泣き対策の定説になっていますね。

この考え方は、個人的には赤ちゃんにとって良いことだと思っています。ところが、添い寝は少し受け取り方を誤解してしまうと、ママにとって大きな育児ストレスの原因になる場合があります。

それは、「夜泣きに最も効果的なことは、ママが赤ちゃんに愛情を注ぐことだけだ。」という誤解のことです。

たしかに、赤ちゃんに触れて安心感を与えることは赤ちゃんのストレスを軽減し、眠りに入りやすくします。ところが、ママが愛情を注ぐほど、赤ちゃんが安心感を得られるわけではありません。

実は、添い寝は日本やアジア、南米などを中心に多く見られる寝かしつけ方法で、アメリカやヨーロッパではあまり添い寝は行いません。

欧米では、赤ちゃんの寝かしつけや夜泣きをしたときの対処法として、「ファーバー方式(cry it out|泣かせ尽くし)」という方法を多く用います。

そこで今回は、日本やアジアの寝かしつけ・夜泣き対策とは違う、アメリカやヨーロッパで行われる「ファーバー方式」についてお話したいと思います。

ファーバー方式(cry it out|泣かせ尽くし)とは

アメリカやヨーロッパで行なわれているファーバー方式とは、アメリカの小児科医ファーバー氏が提唱する赤ちゃんの寝かしつけ方で、赤ちゃんが1人で寝付くことができるようにする「ねんねトレーニング」のことです。

ファーバー方式は添い寝とは違い、赤ちゃんが寝付くまで赤ちゃん部屋に残して1人で眠らせます。ママは、赤ちゃんが泣いていても抱っこをせず、ある程度あやしたら、また赤ちゃんが1人で寝付くように部屋を出ていきます。

日本でファーバー方式を行うと、「赤ちゃんを部屋に1人で放ったらかしにするなんて!!」とお姑さんに怒られてしまいそうですね……(^_^;)

これだけ聞いても、欧米で行われているファーバー方式が、日本の添い寝とはあまりに違いすぎることがわかりますね。

では、実際にどのような流れでファーバー方式を行うのでしょうか。

ファーバー方式の具体的なやり方

ファーバー方式にはやり方があります。単純に赤ちゃんを1人で放置するのではなく、徐々に慣らしていくことが大切だと提唱されています。

やり方の流れ1.赤ちゃんを1人にして部屋を出る

まずママは部屋にベビーベッドを用意し、赤ちゃんを寝かせる準備をします。ここまでは日本と同じです。

ママは赤ちゃんが泣いたら少しだけあやし、赤ちゃんが眠りにつくまで側にいることなく、部屋から出ていきます。

やり方の流れ2.赤ちゃんが泣いたら部屋に戻ってあやす

もし赤ちゃんが泣いたら、ママはすぐに赤ちゃんの部屋に向かわずに赤ちゃんの泣き声を聞きます。これは赤ちゃんの通常の泣き声をしっかりと把握するためです。

2-3分泣き声を聞いた後に赤ちゃんの部屋に行き、赤ちゃんをあやして泣きやませようとします。ママが1-2分ほど赤ちゃんをあやしたら、泣き止まなくても、赤ちゃん1人を残して部屋を出ます。

やり方の流れ3.少しずつ部屋に向かうまでを長くする

初日に2-3分赤ちゃんの泣き声を聞いてから部屋に向かっていた時間を、5分、10分と少しずつ長くして赤ちゃんを慣らしていきます。

このねんねトレーニングにより、赤ちゃんは泣いても仕方がないことを学習し、1人で眠ることができるようになるというものです。これが、泣かせ尽くし(cry it out)と呼ばれる理由ですね。

ファーバー方式の注意点

ファーバー方式を行っても良いのは、生後6か月以降の赤ちゃんです。

それ以下の月齢の場合、急な体調の悪化やうつぶせ寝での窒息などの可能性があるため、赤ちゃんを部屋に1人で放置することは難しいでしょう。

また、赤ちゃんを放置することが目的なのではなく、1人寝に慣れさせることが目的なため、なるべく同じ環境下で行う必要があります。つまり旅行中などの場合は、ファーバー方式は行わないということです。

ファーバー方式のメリットとは

メリット1.赤ちゃんが1人で眠れるようになる

ファーバー方式の1番のメリットは、何と言っても赤ちゃんが1人で寝られるようになることです。赤ちゃんの寝かしつけに苦労しているママにとって、実現するなら素晴らしいですよね。

メリット2.育児ストレスが溜まりにくい

夜泣きや寝かしつけに悩まされているママにとって、「赤ちゃんのために行かなければ……。」という義務感から開放されることは、育児ストレス軽減に大きなメリットがあります。

メリット3.子どもが早く自立する

真偽の程はわかりませんが、積極的にファーバー方式が行なわれているフランスやアメリカでは、ファーバー方式を行うことで、子どもが早く自立すると言われています。

ファーバー方式のデメリットとは

デメリット1.赤ちゃんを放置する罪悪感

ママによっては、赤ちゃんを1人で放置することに罪悪感を感じるでしょう。「夜泣きに付き合うこと」と「罪悪感にさいなまれること」、どちらを重要視するかはママ次第です。

デメリット2.近所に迷惑をかける

泣いた赤ちゃんをそのまま放置して部屋を出るということは、これまでよりも赤ちゃんが泣く時間が長くなるということです。

住宅毎に大きな敷地を持つアメリカなら良いのですが、日本は住宅環境が全く違い、赤ちゃんの夜泣き放置は確実に近所に迷惑をかけます。

デメリット3.乳幼児突然死症候群(SIDS)の確率が上がる

泣かせ尽くしは、少なからず赤ちゃんにうつぶせ寝のリスクやストレスを与える行為です。うつぶせ寝や様々なストレスがあると、乳幼児突然死症候群(SIDS)を引き起こす可能性が高まります。

乳幼児突然死症候群(SIDS)の原因や確率は?予防法はある?

ちなみに、アメリカでは添い寝の方が乳幼児突然死症候群(SIDS)の確率が上がる説があります。理由は、アメリカ人の方が肥満だったり、アルコールを飲んでいる可能性が高いためです。

つまり、日本人よりも大柄な欧米人が赤ちゃんに添い寝をすると潰してしまう……特に酔っ払って冷静な判断ができないとリスクが上がる……とのこと。この理由はアメリカっぽいですね……。

では、実際に日本でファーバー方式を試したい場合、どのような家庭や環境であればファーバー方式に向いているのでしょうか。

日本でファーバー方式に向いている家庭環境とは

有効な家庭1.共働き夫婦

内閣府男女共同参画局によると、昭和50年台は片働き世帯が共働き世帯の2倍でしたが、平成に入ってすぐに逆転し、今では共働き世帯が片働き世帯よりも3割以上上回っています。

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出典|平成24年版男女共同参画白書 | 内閣府男女共同参画局

今はわたしたちの親の世代とはあまりにも状況が違い、共働きが当たり前のため、より効率良い寝かしつけ・夜泣き対策を考えなければいけなません。

有効な家庭2.近所が子持ち世帯ばかり

添い寝とファーバー方式の良し悪しはありますが、日本のように隣近所が近い住宅環境の場合、赤ちゃんの夜泣きには気を使わざるを得ません。

そのため、赤ちゃんが泣いたときにすぐ対応ができる添い寝、そして赤ちゃんが寝るまでママが側を離れない寝かしつけの方が近所に迷惑をかけないでしょう。

ただし、今の日本の住宅環境でも、隣近所が同じような年の子持ち世帯である程度面識があれば、赤ちゃんの夜泣きに理解を得られやすいと思います。

ファーバー方式が有効な家庭3.ママが育児ストレス

赤ちゃんの夜泣きが原因で、育児ストレスを抱えるママはたくさんいます。育児ストレスが赤ちゃんへの愛情の阻害になり、赤ちゃんを傷つけてしまう重度のストレスを抱えるママもいます。

ファーバー方式によって、ママが赤ちゃんに対する思いが改善するのなら有効な手段かもしれません。

日本人はまず添い寝をベースに

ファーバー方式は世界中で見てもマイノリティではありませんし、子どもに愛情を注がない寝かしつけ・夜泣き対策というわけでもありません。

ただ、学問の分野においては、添い寝とファーバー方式は今もどちらの方法が適しているかで争っている状況です。

南米やアジアからの移民たちの間では、添い寝(cosleeping)が一般的。アメリカ人でも、ナチュラル派や母乳育児促進派の人たちの間では添い寝がはやり始めているものの、乳幼児突然死症候群(SIDS)のリスクを高めるとして白い目で見られることもいまだに多い。実際、米国小児科学会は2011年に、添い寝に反対する声明を出している。だが、親たちが肥満であったりアルコールを飲んでいる場合を除き、添い寝は逆にSIDSを減らすという報告もあり、論争は続いている(Paediatr Respir Rev. 2005; 6:134-52.)。

引用|働くママの寝不足解消、夜泣きは泣かせ尽くしも効果 |WOMAN SMART|NIKKEI STYLE

もし、あなたが添い寝とファーバー方式で迷っているようであれば、まずは添い寝をベースに考えてみてください。

なぜなら、日本では添い寝の方が多数派で、添い寝をベースにした寝かしつけのアドバイスをくれる人がたくさんいるからです。

そこから少しずつファーバー方式の要素を取り入れ、ママの負担を減らしていく試みにチャレンジしてみても良いでしょう。

育児は環境によって異なる

添い寝とファーバー方式には、考え方に大きな違いがあり、添い寝に慣れているわたしたちがファーバー方式を聞くと違和感を覚えます。

たしかに、添い寝で赤ちゃんに安心感を与えることは大切ですが、赤ちゃんの夜泣きで寝不足から病気になったり、イライラして精神が不安定になってまで赤ちゃんに無償の愛を与え続けられるかと言われると、自信がありません。

子育てに正解はありません。育児書通りに育児をして立派な人間が育つなら、人はもっともっと幸せになれるはずです。

わたしたちが認識すべきことは、子育てに無償の愛情を求める人たちも、子育てに自立を求める人たちも、それが自分や今ある周囲の環境だからうまくいっているに過ぎないということです。

たとえば、フランスで行われているファーバー方式は、子どもの忍耐力を養い、自分で最適な睡眠サイクルを作り、早いうちから自立心を育て、ママの育児ストレスがないという、良いこと尽くめの印象づけがされています。

ただしこれは単なる一例に過ぎません。もし、日本でファーバー方式が増えると、育児放棄が問題として取り上げられそうな気がします。また、赤ちゃんを放置しても問題ないと勘違いする親も出てくるはずです。

このような親は、「親は子どもに愛情を注がなければいけない」という固定概念があった方が、育児放棄の抑止につながる場合もあります。

育児には様々な方法があるため、本来は家庭環境に適した育児ができるように、育児カウンセラーの普及を進めた方が幸せになれる人が増えるのかもしれません。

もしも、ファーバー方式(cry it out|泣かせ尽くし)を行なってみたいママは、ファーバー方式のメリットとデメリットを十分に把握して、無理のない状態で行うようにしましょう。


参考|働くママの寝不足解消、夜泣きは泣かせ尽くしも効果
参考|0歳からの教育|NEWSWEEK

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