少子化とは?出生率・合計特殊出生率の違いと日本と世界の比較

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わたしの周りは子どもが多い…本当に少子化?

よく「少子化が問題だ!」「子どもを産まなきゃダメだ!」と問題提起されたり、女性の出産に対して誰かが行き過ぎた発言をして問題視されたりなど、話題になることが多い少子化問題ですが、少子化って一体どんなことでしょうか。

たとえば、わたしには子どもが2人います。わたしのママ友たちも、ほとんどが2人以上子どもがいます。3人も珍しくないですし、4人もちらほらいます。

わたしと同じような環境で、「わたしの周りは子どもが多いから割と特別なのかな?」と思っているママたちはたくさんいると思います。

でも、そうではないんです。わたしたちの周りにこれだけたくさんの子どもがいても、どんどん日本の少子化は進んでいます。

そこで今回は、少子化がどのような仕組みで、どのように問題になっているかについてお話したいと思います。

少子化とは

少子化とは、子どもの出生数が減少することです。もう少し具体的に言うと、出生数が減少していく中で、出生率(合計特殊出生率)の水準が人口置換水準以下に低下してしまうことを言います。

人口置換水準とは、産まれる赤ちゃんと死んでしまう人たちが年間で同数になる基準値のことです。人口置換水準が同数になると、1年で見て人口が増えもしないし、減りもしない状態になります。

国立社会保障・人口問題研究所によると、平成25年時点で日本の現在の人口置換水準は、「2.07人」だそうです。

人口が増加も減少もしない均衡した状態となる合計特殊出生率の水準のこと。若年期の死亡率が低下すると人口が減りにくくなるので、この水準値は減少する。
[補説]現在の日本の人口置換水準は、2.07(平成25年、国立社会保障・人口問題研究所)。

引用|じんこうちかんすいじゅん【人口置換水準】の意味 – goo国語辞書

つまり、わたしは子どもが2人いますが、人口置換水準を下回っていることになります。まぁできるなら3人目も欲しいですけど……。

ちなみに、単純に出生率と言われることが多いですが、本来は「合計特殊出生率」と言い、出生率とは意味が違います。

出生率(しゅっしょうりつ)とは

出生率とは、その年に生まれた人口1,000人あたりの出生数のことです。平成24年の日本の出生率は8.2人でした。

合計特殊出生率(ごうけいとくしゅしゅっしょうりつ)とは

合計特殊出生率とは、15-49歳の女性1人あたりが産む子どもの数のことです。

平成24年の日本の合計特殊出生率は1.41人でした。この数値は、既婚未婚は関係ありませんし、子どもを産む意志のあるなしも関係ありません。また、病気で子どもが産めない女性もカウントされています。

つまり、不妊治療の技術が進めば、合計特殊出生率も上がることになります。

日本の合計特殊出生率推移

厚生労働省の人口動態統計によると、日本の戦後の合計特殊出生率は以下のように推移しています。

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引用|内閣府

ちなみにグラフにはありませんが、1947-49年の第一次ベビーブームの合計特殊出生率4.32人よりも、戦前の1925年の合計特殊出生率の方が5.11人で高かったりします。

わたしの祖母は4人兄弟でしたし、夫の祖母は7人兄弟だったそうです。どちらも大正生まれです。

世界の合計特殊出生率1960年対2014年

ここで気になるのが日本だけが特別に合計特殊出生率が下がって、少子化問題を招いてしまっているのかということです。

そこで、世界の国々の合計特殊出生率を2014年と1960年で比較してみました。表は、2014年の合計特殊出生率が高い国順に並んでいます。

参考|Fertility rate, total (births per woman) | Data | Table

国名 1960年 2014年
ニジェール 7.41 7.60
ソマリア 7.25 6.46
マリ 6.97 6.23
チャド 6.25 6.16
アンゴラ 7.38 6.08
コンゴ 6.00 6.01
ブルンジ 6.95 5.95
ウガンダ 7.00 5.78
ガンビア 5.57 5.72
ナイジェリア 6.35 5.65
ブルキナファソ 6.29 5.52
モザンビーク 6.60 5.36
ザンビア 7.02 5.35
タンザニア 6.81 5.15
マラウイ 6.94 5.13
東ティモール 6.37 5.10
セネガル 6.95 5.09
南スーダン 6.72 5.02
ギニア 6.11 5.01
コートジボワール 7.35 5.00
コンゴ共和国 5.88 4.87
アフガニスタン 7.45 4.84
ギニアビサウ 5.92 4.84
赤道ギニア 5.51 4.84
ベナン 6.28 4.77
リベリア 6.41 4.72
カメルーン 5.65 4.70
シエラレオネ 5.97 4.63
モーリタニア 6.78 4.60
トーゴ 6.52 4.58
サントメ・プリンシペ 6.24 4.58
イラク 6.25 4.57
コモロ 6.79 4.49
マダガスカル 7.30 4.41
エチオピア 6.88 4.40
スーダン 6.69 4.35
ケニア 7.95 4.33
エリトリア 6.90 4.28
ヨルダン川西岸地区   4.18
ガーナ 6.75 4.17
イエメン 7.38 4.16
サモア 7.65 4.09
ソロモン諸島 6.39 3.97
ジンバブエ 7.16 3.92
ガボン 4.38 3.91
ルワンダ 8.19 3.90
パプアニューギニア 6.28 3.76
キリバチ 6.79 3.73
トンが 7.36 3.72
パキスタン 6.60 3.62
ナミビア 6.15 3.52
タジキスタン 6.24 3.49
ヨルダン 7.69 3.42
バヌアツ 7.20 3.35
エジプト 6.63 3.34
スワジランド 6.72 3.27
ミクロネシア連邦 6.93 3.24
グアテマラ 6.53 3.21
キルギス 5.17 3.20
ジブチ 6.46 3.20
レント 5.84 3.19
イスラエル 3.87 3.08
ハイチ 6.32 3.03
ラオス 5.96 2.99
フィリピン 7.15 2.98
ボリビア 6.70 2.97
シリア 7.47 2.95
アルジェリア 7.52 2.86
ボツワナ 6.62 2.84
オマーン 7.25 2.77
サウジアラビア 7.22 2.77
カザフスタン 4.56 2.74
モンゴル 6.95 2.66
カンボジア 6.97 2.64
フェロー諸島   2.60
ベリーズ 6.50 2.58
フィジー 6.46 2.56
ガイアナ 5.75 2.56
エクアドル 6.72 2.54
パラグアイ 6.50 2.54
モロッコ 7.07 2.52
ドミニカ共和国 7.56 2.48
リビア 7.20 2.47
インドネシア 5.67 2.46
ペルー 6.97 2.46
World 4.98 2.45
パナマ 5.87 2.44
インド 5.91 2.43
グアム 6.05 2.39
ホンジュラス 7.46 2.38
ベネズエラ 6.62 2.37
南アフリカ共和国 6.17 2.36
スリナム 6.61 2.36
アルゼンチン 3.11 2.32
カーボベルデ 6.89 2.30
トルクメニスタン 6.42 2.30
セーシェル   2.30
ニカラグア 7.34 2.26
メキシコ 6.77 2.24
ニューカレドニア 6.28 2.24
ネパール 5.96 2.22
ミャンマー 6.05 2.20
チュニジア 7.04 2.20
ウズベキスタン 6.71 2.20
バングラデシュ 6.73 2.18
グレナダ 6.74 2.15
モルディブ 7.02 2.12
クウェート 7.24 2.11
コソヴォ   2.10
スリランカ 5.54 2.08
アンティグア・バーブーダ 4.43 2.08
トルコ 6.30 2.07
バーレーン 7.09 2.06
ジャマイカ 5.42 2.05
フランス領ポリネシア 5.66 2.04
グリーンランド   2.04
ブータン 6.67 2.03
カタール 6.97 2.03
ウルグアイ 2.88 2.02
アゼルバイジャン 5.57 2.00
キュラソー島   2.00
フランス 2.85 1.99
北朝鮮 4.58 1.98
セントビンセント・グレナディーン 7.22 1.97
ベトナム 6.35 1.96
アイルランド 3.78 1.96
マレーシア 6.19 1.94
エルサルバドル 6.67 1.93
アイスランド 4.29 1.93
ニュージーランド 4.13 1.92
コロンビア 6.81 1.90
セントルシア 6.97 1.89
スウェーデン 2.17 1.89
ブルネイ 6.49 1.87
バハマ 4.50 1.87
アメリカ合衆国 3.65 1.86
オーストラリア 3.45 1.86
イギリス 2.69 1.83
コスタリカ 6.45 1.82
グルジア 2.96 1.82
サンマルタン   1.81
バルバドス 4.33 1.79
ブラジル 6.21 1.79
アラブ首長国連邦 6.93 1.78
アルバニア 6.49 1.78
ノルウェー 2.85 1.78
トリニダード・トバゴ 5.26 1.78
チリ 5.11 1.76
アメリカ領ヴァージン諸島 5.62 1.75
フィンランド 2.72 1.75
ベルギー 2.54 1.75
レバノン 5.74 1.71
イラン 6.93 1.71
ロシア 2.52 1.70
モンテネグロ 3.60 1.69
オランダ 3.12 1.68
デンマーク 2.57 1.67
アルバ 4.82 1.66
バミューダ諸島   1.63
ベラルーシ 2.67 1.62
キューバ 4.18 1.62
カナダ 3.81 1.61
リトアニア 2.56 1.59
中国 5.75 1.56
スロベニア 2.34 1.55
ルクセンブルク 2.29 1.55
アルメニア 4.55 1.53
マケドニア 3.84 1.52
スイス 2.44 1.52
エストニア 1.98 1.52
ラトビア 1.94 1.52
タイ 6.15 1.51
ウクライナ 2.24 1.50
ブルガリア 2.31 1.48
プエルトリコ 4.66 1.47
クロアチア 2.33 1.46
チェコ 2.09 1.46
リヒテンシュタイン   1.45
キプロス 3.50 1.45
オーストリア 2.69 1.44
モーリシャス 6.17 1.43
セルビア   1.43
日本 2.00 1.42
ルーマニア 2.34 1.41
ドイツ 2.37 1.39
イタリア 2.37 1.39
マルタ 3.62 1.38
ハンガリー 2.02 1.35
スロバキア 3.04 1.34
ギリシャ 2.23 1.30
ポーランド 2.98 1.29
スペイン 2.86 1.27
ボスニア・ヘルツェゴビナ 3.77 1.26
モルドバ 3.33 1.26
シンガポール 5.45 1.25
マカオ 4.95 1.24
香港 5.16 1.23
ポルトガル 3.16 1.21
韓国 6.16 1.21

以下のグラフで見るとわかりやすくなります。オレンジが1960年、グレーが2014年です。明らかに2014年の方が合計特殊出生率が下がっていることがわかります。

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アフリカの合計特殊出生率は今も昔も高いですが、減っている国も目立ちます。それ以外の国、特にアジアの合計特殊出生率は大きく下がっています。

日本は世界的に見ると合計特殊出生率が低い国ではありますが、韓国、香港、シンガポールなど、わたしたちがお馴染みの国は日本よりも合計特殊出生率が低くなっています。

また、ドイツ、イタリア、スペインなど、1960年は日本よりも合計特殊出生率が高かった国も、2014年は日本よりも低い値になっています。

なぜ少子化なのか?なぜ合計特殊出生率が下がっているのか?

表の中に「World」とありますが、これは世界の合計特殊出生率の平均値です。

1960年が4.98人、2014年が2.45人で半分以下になっています。世界中で女性が産む子供の数が減っているということです。

「あれ?世界の人口って70億人突破したとか言ってたような……。」

その通りです。世界の人口はドンドン増え続けています。つまり、新しく産まれてくる子どもは半分に減り、これまでよりも死んでしまう人が減っているため、「世界的に少子化傾向なのに世界的な人口爆発状態」という歪なお話しになっています。

少子化問題と人口増加問題が同時に起こる理由について、詳しくは以下でお話しているので参考にしてください。

特にこの50年でアジアの医療が発達して、赤ちゃんからお年寄りまで病気やケガで死んでしまう人が減っているため、女性は命がけで出産をする必要性が減っています。

子どもの将来のために考える少子化問題と地球規模の人口増加問題

日本でも医療の発達は、少子化の1つの原因だと思います。もちろん他にも原因はあります。

わたしたちの周りに子どもがたくさんいても、合計特殊出生率が下がってしまう理由、少子化問題の原因については以下を参考にしてください。

一般的によく言われる日本の少子化問題の7つの原因

ちょっと難しいお話ですが、ママにとって少子化は身近な社会問題の1つです。がんばって知っておいても良いかもですね。

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