なぜ幸せな夫婦に離婚の危機が…産後クライシス7つの原因とは

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夫婦に離婚の危機…産後クライシスとは

長かった妊娠と出産が終わり、ようやく可愛い赤ちゃんがお家にやって来ました。ママは赤ちゃんのお世話でもっと大変な時期に入りますが、それでも新しい家族が増えて幸せなことに変わりはありません。

ところが、そこに忍び寄る夫婦の危機……。

幸せな出産後になぜか夫婦仲が急激に悪化してしまい、夫婦の愛情が冷めてしまう……。そして、離婚に至ってしまうことも……。そんな状況を「産後クライシス(産後危機)」と言い、社会問題の1つになっています。

産後クライシスとは、2012年9月放送のNHKの情報番組「あさイチ」の中で、産後の夫婦の危機を特集をした際に名付けられたもので、夫婦の一方、またはお互いの愛情が急速に冷めてしまう夫婦関係の危機を指す言葉です。

産後クライシスで特に注目されるのは、妻から夫に対する愛情の低下が激しいことです。

ベネッセ総合教育研究所の調査によると、妊娠期から子どもが2歳になるまでの夫婦の愛情関係は以下のように変化しています。この調査では、夫婦の「結婚生活」と「愛情関係」は別物という観点で調査されています。

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出典|第1回 妊娠出産子育て基本調査・フォローアップ調査(妊娠期~2歳児期) 速報版│ベネッセ教育総合研究所

まず、妊娠期は、夫婦が結婚生活と愛情関係のどちらもある程度満足しており、夫婦両者に差がないことがわかります。

しかし、出産から子どもが2歳までの間で、夫婦の「結婚生活」と「愛情関係」に対する満足度は徐々に低下し、特に夫に対する妻の愛情は34%まで減少しています。

産後クライシスには様々な原因がありますが、名前の通り出産がきっかけになることは間違いありません。なぜ妻から夫への愛は、出産を境に急激に冷めてしまうんでしょうか。

今回は、幸せな出産後に夫婦に産後クライシスが起こる原因についてお話したいと思います。

産後クライシスの原因1.妻の負担が増えたから

これまで愛情を持って夫の料理を作り、掃除や洗濯などの家事を甲斐甲斐しくしてきた妻が育児をするようになると、夫のお世話が負担に感じるようになることがあります。

「自分のことくらい自分でやってよ!」

妻の突然の変化に、「え……今までは色々してくれたのに……。」と夫は思うかもしれませんが、「夫はわたしを手伝わないくせに、面倒を見ろという……。わたしって一体何?」と考えてしまいます。

夫婦にとって子どもができることは、とても大きな変化です。

妻は子どもが産まれる変化を長い妊娠期間にある程度受け入れ、子どもが産まれた後の生活も考えますが、夫は妻の妊娠で子どもが産まれることをなかなか実感できません。

子どもが産まれてからようやく……いえ、もしかしたら子どもがある程度成長したときに、ようやく変化を感じる夫も多いかもしれません。

その子どもの認識に対するズレが、妻から夫への愛情の低下につながってしまいます。

産後クライシスの原因2.夫婦が離れる期間ができたから

里帰り出産をしたり、出産後に妻が実家に帰ってしばらく養生する家庭は少なくありません。育児に慣れて、赤ちゃんも落ち着く3-4か月程度、実家で過ごす人も多いでしょう。

もしかしたら、産休から里帰りし、産後の子育てが落ち着くまでと考えると、半年以上離れて生活をする夫婦も少なくないかもしれません。

結婚していっしょに過ごしてきた夫婦が、初めて長期間離れて過ごすため、今後の夫婦の関係性や家庭のあり方を客観的に冷静に考える妻もいます。

育児に慣れるまでの大切な期間に夫が何もしなかったり、夫が妻を気にかけなければ、夫婦の物理的な距離だけではなく、心の距離も離れてしまいます。

「あれ?この人いなくても良いんじゃない?」と妻が少しでも思ってしまったら、その疑問は止まらなくなってしまうかもしれません。

産後クライシスの原因3.夫に父親の自覚を感じないから

妊娠の期間中、妻はお腹の中の赤ちゃんにずっと愛情を注いで気遣って過ごしますが、夫は赤ちゃんを直接感じられないため、父親の自覚は生まれにくい状況です。

たとえ赤ちゃんが産まれても、夫が自分が産んだわけではないですし、自分のおっぱいで赤ちゃんに授乳ができるわけでもありません。そのため、どこか他人事のように思うようです。

妻は夫に対して父親の自覚がないように感じてイライラしますが、夫は妻がイライラする心情が理解できません。

また、夫に父親の自覚があり、育児や家事を積極的に手伝いたい気持ちはあるものの、上手く表現できなかったり、空回りしている場合もあります。

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その状況を妻が見ると「父親の自覚がない……。」と余計に感じてしまい、結果的に産後クライシスにつながってしまいます。

産後クライシスの原因4.愛情を注ぐ対象が変わったから

これまで妻は夫に愛情を注いでいれば良かった(楽だった)のですが、出産後に自分がお腹を痛めて産んだ赤ちゃんに愛情を注ぐようになるのは当たり前のことですね。

愛情を注ぐ対象の変化は、赤ちゃんが成長するまでの一時的な優先順位の変化であることがほとんどでしょう。

ところが、その一時的な優先順位の変化を「愛情がなくなってしまった」と夫婦両方が誤解してしまうと、産後クライシスにつながってしまいます。

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産後クライシスの原因5.マタニティブルー・産後うつが起こったから

マタニティブルーとは、出産後の「プロラクチン」「オキシトシン」という女性ホルモンの分泌によって、ホルモンバランスが乱れて起こる情緒不安定な状態を言います。

その際に夫が妻の心のケアをしなければ、マタニティブルーが悪化してしまい、産後うつになってしまうことがあります。

うつ状態になると、悲しい気持ちになったり、今まで好きだったことや趣味が変化したり、物事に情熱ややる気が起きなくなったり、家族と話すことが面倒になったり、常につまらなさを感じるなどの症状が起こります。

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それらの症状が夫への愛情低下につながり、産後クライシスを引き起こしてしまいます。

また、妻がマタニティブルーにならなかったとしても、夫がマタニティブルー(パタニティブルー)になってしまい、それが産後クライシスにつながる場合もあります。

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産後クライシスの原因6.プロラクチンの影響が強く出たから

出産後の女性に大量に分泌される女性ホルモンの「プロラクチン」は、母性本能に基づいた作用をもたらします。

プロラクチンには、母乳の出を良くしたり、子宮復古、排卵抑制をする機能の他に、赤ちゃん以外の他者を排除しようとする敵対行動を引き起こす作用もあります。

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このプロラクチンによる敵対行動が夫を遠ざけ、産後クライシスにつながってしまうこともあります。

産後クライシスの原因7.妻がママになったから

産後クライシスは、妻の心の変化だけで起こるわけではなく、夫の心の変化がきっかけで起こる場合もあります。

夫は妻の妊娠・出産を間近で見ることによって、妻の身体や心の変化によって1人の女性からママになったと感じてしまいます。

その変化のせいで妻への愛情が冷めてしまったり、妻の妊娠~出産~里帰りの期間で寂しさを感じることで、つい羽を伸ばし過ぎてしまうと……。

もともと浮気癖がある夫はお話しにならないので置いておきますが、夫が妻に対する愛情低下などの感情の変化がきっかけになって、産後クライシスにつながってしまう場合があります。

産後クライシスチェック

夫婦問題のカウンセラー岡野あつこさんによると、以下のチェックに1つでも当てはまると「産後クライシス」の可能性があるそうです。

□出産後、セックスレスだ
□もっと夫に育児や家事を手伝ってほしいと思っている
□友人や知人の夫を見ると、自分の夫との違いを感じて焦る
□出産後も父親の自覚のない夫にイライラする
□出産前後で夫が浮気をした

引用|実録!「産後クライシス」で悩む妻たち [離婚] All About

産後クライシスは、出産をきっかけとして様々な原因で起こる夫婦関係の危機なので、ちょっとした感情の変化がきっかけになることはわかります。

ただ……これ1つもあてはまらない夫婦っているんですかね……(^_^;)

とにかく、チェックが付いたものがあれば、夫婦でその原因を認識して解決する努力をすることは、産後クライシスを起こさない方法の1つだと言えそうです。

産後クライシスは夫婦お互いに原因がある

産後クライシスは誰が悪いという決め付けをしてはいけません。夫に原因があることもありますし、妻に原因があることもありますし、お互いに原因があることもあります。

また、女性ホルモンによる情緒不安定な状態になれば、誰のせいでもないことだとも言えます。男女の愛情には、婚姻関係にかかわらず変化があるため、結婚当初からの心変わりがあることも仕方がないことでしょう。

人によっては産後クライシスが起こり、「顔も見たくない」「触られたくない」「話しかけられたくない」「同じ空気を吸いたくない」……そして離婚……という場合もあります。

どちらにしても、夫婦仲が冷えきった家庭にいる赤ちゃんは悲しいです……。今後赤ちゃんが成長していくうえで、受ける影響は少なくありません。

もしも夫婦がお互いに愛情を感じなくなったとしても、それは一時期の誤解かもしれませんし、夫婦の愛情が形を変えようとしている過程かもしれないと考えてください。

せっかく可愛い赤ちゃんが産まれたんですから、まずは冷静になって、もう一度家族としての役割を話し合うことが大切です。

次回は産後クライシスを防ぐ方法や、産後クライシスになってしまった夫婦が話し合うことについてお話したいと思います。

産後クライシスの解決法は?後悔前に夫婦で話し合う3つのこと


参考|産後クライシス – Wikipedia

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