逆子を治す骨盤位外回転術とは?治療の成功率と合併症の割合

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逆子を治す医療行為

たとえ妊娠30週前後に逆子だと医師から言われたとしても、帝王切開が確定したわけではありません。

逆子が原因となる帝王切開が確定するのは、妊娠35-36週ごろです。そのため、寝耳に水の妊婦とその家族は、5週間ほどの短い期間で何とか逆子を治そうと、逆子体操や半身浴、鍼灸治療などを試みます。

逆子治したい!逆子体操・外回転術・半身浴など6つの方法

そんな数ある逆子治療の中で、ほぼ唯一医師が行う「骨盤位外回転術」という医療行為があります。「医療行為なら、なんだか期待できそう!」と感じる人もいるでしょう。

では、骨盤位外回転術とはどのような逆子治療で、逆子が治る確率はどの程度なのでしょうか。また、骨盤位外回転術に何らかのリスクは無いのでしょうか。

今回は、骨盤位外回転術に関してお話したいと思います。

骨盤位外回転術(こつばんいがいかいてんじゅつ)とは

骨盤位外回転術とは、妊娠34-36週の逆子の胎児に対して、医師が体外から物理的に回転させることで逆子治療を行い、骨盤位分娩や帝王切開を回避するために行う医療行為のことです。

骨盤位胎児外回転術や単に外回転術とも呼ばれます。

時期的には妊娠34-36週に分娩室で行われるもので、骨盤位外回転術にかかる時間は5分程度ですが、重篤な合併症などの経過観察のために1日入院を必要とします。

ちなみに、帝王切開や筋腫核出による子宮創がある、前期破水、前置胎盤、胎児発育不全、羊水過少、子宮奇形、巨大な子宮筋腫、多胎妊娠の場合は、骨盤位胎児外回転術は行なえません。

外回転術の成功率

気になる骨盤位外回転術の成功率ですが、国立成育医療研究センターの症例によると成功率は74.4%で、初産婦が71%、経産婦が86%となっています(一般的な成功率は5-6割ほど)。

妊娠35週以降で逆子が自然に治る確率は2%以下と言われているため、外回転術の成功率が非常に高いことがわかります。

海外での文献によると初産婦さんでは麻酔無しで32.4%, 麻酔ありで66.7%の成功率となっており、経産婦さんでは麻酔無しで57.5%, 麻酔ありで87.1%の成功率となっています。
当センターでの成績ですが、2012年1月から2014年8月の間に250例外回転術を施行し186例(74.4%)が頭位に矯正できました。内訳としては、初産婦さんでは177人中123人成功(71%)、経産婦さんでは63人中53人成功(86%)となっています。

引用|骨盤位外来 | 国立成育医療研究センター

骨盤位外回転術の方法

骨盤位外回転術は、具体的に以下のように行われます(深谷産婦人科による外回転術の方法)。より詳しい内容はリンク先を参照してください。

①超音波で胎児の向き、胎盤の位置、羊水量、臍帯巻絡の有無等を確認します。
②子宮収縮抑制剤(早産止めとしてよく使われる薬です。子宮筋の緊張を除きます)の点滴を行います。
③硬膜外麻酔(無痛分娩に使う麻酔と同じです)を入れて、子宮筋の緊張を除くと成功率が50%だったものが80%に迄上がります。又緊急帝王切開する場合は手術の麻酔として使えます。
④外回転術を10分、治らなければ休憩をはさんで更に10分、それで治らなければその日は諦めて後日再度外回転術を試みます。
⑤外回転術後、NST,超音波で胎児や胎盤の状態を観察します。胎盤剥離は起こる場合は外回転術後6時間以内に起こるので、6時間は注意して看ます。
⑥母体がRH(-)の場合は、外回転術後、抗D抗体を注射します。

引用|04】妊娠後期: ₀₇₎骨盤位(逆子)と外回転術 – 【深谷産婦人科】,医学情報

下の動画を見た方が、外回転術のやり方がイメージしやすいかもしれません。

骨盤位外回転術の合併症と割合

骨盤位外回転術は、物理的に胎児の姿勢を動かす行為のため、運悪く合併症を起こしてしまう可能性があります。

前述した国立成育医療研究センターによると、アメリカでの報告として一過性胎児心拍数異常(6.1%)、破水(0.22%)、性器出血(0.34%)、常位胎盤早期剥離(0.18%)を合併症の例と割合として挙げています。

また、その他の合併症例として、子宮破裂、胎盤血腫、絨毛膜下血腫、羊水塞栓、母児間輸血症候群、血液型不適合妊娠、早産、胎児腕神経叢損傷、胎児徐脈・胎児死亡などの可能性も考えられます。

そして、骨盤位外回転術中や術後に起こった合併症が重篤な場合は、緊急帝王切開が必要になる場合もあり、日本国内で骨盤位外回転術から緊急帝王切開に至った割合は2.9%となっています。

もちろん、逆子は自然に治る確率も高いのですが、妊娠34-36週は予定帝王切開の判断直前の時期です。そのため、骨盤位外回転術はどうしても逆子が治らない場合の検討方法としては期待をしてしまう成功率ですね。

骨盤位外回転術が勧められるのは、合併症が起こる割合と比較しても骨盤位分娩や帝王切開を回避する方がリスクが少ないためですが、最後に判断するのは妊婦自身です。

医師とよく話し合ってから骨盤位外回転術を行うかどうかを決めてください。

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