新生児の五感は大人より鋭い!視覚・聴覚・味覚・嗅覚・触覚の発達

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新生児が持つ五感の発達具合は?

ママのお腹の中で10か月ほど過ごした赤ちゃんは、視覚・聴覚・味覚・嗅覚・触覚の五感がある程度発達した状態で産まれてきます。

胎児の五感がそれぞれいつごろ、どのように成長するかは以下を参考にしてください。

胎児に五感はある?視覚・聴覚・味覚・嗅覚・触覚の発達時期と順番

産まれたばかりの赤ちゃんは、視覚が発達するまでには少し時間がかかりますが、それ以外の聴覚・味覚・嗅覚・触覚は、うまく使い方を知らないだけで、大人と変わらない機能を持っていることがわかっています。

それどころか、ある時期までは大人よりも優れた五感も存在します。

産まれたばかりの赤ちゃんの五感とはどのようなものなのでしょうか。また、赤ちゃん特有の優れた五感とは一体何でしょうか。

今回は、新生児の五感がどのくらい発達しているのかというお話しをしたいと思います。

新生児の視覚の発達

産まれたばかりの赤ちゃんでも、全く目が見えないわけではありません。

視力は0.02-0.03ほどで、16-17cm程度まで近づいてようやく見えるくらいです。赤ちゃんの視力は少しずつ発達し、1歳ごろには視力が0.1程度、4-5歳ごろには1.0ほどにまで発達します。

また、新生児は風景よりも動く人を認識して、よく見ることがわかっています。このとき新生児が人を認識する部分は「顔」です。

ただし、目・鼻・口のパーツではなく、輪郭や髪型の特徴で人の顔を見分けます。そのため、髪型を変えたり、顔の周りを覆ってしまうと見分けがつかなくなってしまいます。

赤ちゃんがママを認識するのはいつから?声・匂い・顔で時期が違う

もちろん、赤ちゃんから1メートルも離れると人の判別はつかないため、ママはなるべく近づいて声をかけたり、抱っこをしてスキンシップを図ることで、声や匂いの特徴、輪郭などを合わせて、早く赤ちゃんに認識してもらえるようにしましょう。

新生児は視力だけでなく色の識別も未発達で、赤色や黄色など原色のはっきりした色しか判別できません。そのため乳児期のおもちゃは、はっきりした色のおもちゃの方が興味を惹きやすくなります。

また、大人が1分間に20回前後のまばたきを行うことに対して、新生児のまばたきは1分間に3-10回程度です。赤ちゃんのまばたきが少ないのは、まばたきによって目の焦点を合わせる機能が未発達なためです。

赤ちゃんはまばたきがあまりできないため目を開いたままピントの調整をしています。そのため、焦点が合わずにぼーっとどこかを見ていることがありますが、変なものが見えているわけではありません(^_^;)

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新生児の聴覚の発達

新生児の聴覚は、胎児のころから最も発達している五感の1つで、産まれたばかりでも様々な音を聞き分けられますし、大人よりも優れ聴力を持っていると言われています。

ママやパパが産まれてすぐの赤ちゃんに話しかけても何も反応しないのは、声が聞こえていないわけではなく、赤ちゃんが音を認識しても何も反応できないだけでなく、どう反応すれば良いかがわからないためです。

ただ、誰かが部屋に入ってくるとビクッとしたり、そっと閉じたドアの音で起きてしまうこともありますよね。鈴の音、犬の鳴き声、携帯電話の音などの高音域な音には全身で敏感に反応します。

赤ちゃんこの反応をモロー反射と言い、急激な温度変化、身体に響く衝撃や音などに危機感を感じることで、ビクッとして手を大きく広げる反射行動を示します。

赤ちゃんが手を握り返す理由は?動画で見る原始反射の種類

また、新生児は産まれたときから、ママの声と他人の声の違いが明確にわかるそうです。これは胎児のころからママの声を一番聞いていたからだけではなく、胎児のころに聞く声の中で唯一胎内に響いてクリアに聞こえるのがママの声だからです。

新生児の味覚の発達

新生児の味覚は、妊娠28週以降に備わる「甘味」と「苦味」が大きく発達し、次に「酸味」が発達しています。その他の「旨味」「塩味」の区別は成長しながら徐々に感じるようになっていきます。

「甘味」「苦味」「酸味」の区別はとても敏感で、特に大人よりも「苦味」や「酸味」を感じやすいそうです。これは、「苦味」や「酸味」が毒や腐った食べ物だと身体が認識しやすいためです。

味蕾の数は生後3か月までが最も多く12,000個ほどに対して、大人になると徐々に減っていき7,000個ほどになります。味蕾が多いほど味に対して敏感になるため、苦味や酸味、甘味の感じ方も強くなります。

つまり、ゴーヤが苦くて食べられないという感覚を持つ大人と同じように、子どももピーマンが苦くて食べられない可能性があります。

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苦味や酸味の感度(味蕾の数)は生後4-5か月ごろから徐々に減っていき、離乳食に備えるようになります。

また、新生児はいつも飲んでいる母乳の味にも敏感で、もし違うママから母乳をもらっても区別することができるそうです。

もちろん、赤ちゃんにも味の好みがあります。途中からミルク授乳を始めたり、ミルクの種類を変えると赤ちゃんが急に飲まなくなってしまうのは味覚が敏感なためです。

新生児の嗅覚の発達

新生児の嗅覚は、嗅覚は味覚と同じように危険を察知する大切な感覚であり、母乳を嗅ぎ分けるためにもとても大切な感覚です。そのため、ある時期までは大人よりも優れています。

赤ちゃんは、母乳の匂いでママを判別することもできます。そのため、普段から匂いが強い香水や化粧品を使っていると、成長をしてもそれがママの一部だと錯覚するようになる子もいます。

このように嗅覚は記憶に残るため、離乳食が始まると妊娠中にママがよく食べていたものを好むようになり、ママがあまり食べていなかった食べ物の匂いは、刺激として認識され、好き嫌いの原因になる場合があります。

胎児に五感はある?視覚・聴覚・味覚・嗅覚・触覚の発達時期と順番

新生児の触覚の発達

新生児の触覚はほぼ大人と同じような機能を持っています。とはいえ、感じた触覚に対して反応することはまだできません。

そのため、赤ちゃんが不快な感覚を感じると、モロー反射で対応したり泣いて訴えることになります。

暑い、寒いなどの周囲の温度変化も感じていますが、体温調節機能が未熟なため赤ちゃんが生後6か月を過ぎるまで(体温調節機能の成熟は2歳ごろ)は、ママは特に注意する必要があります。

体温調節機能の働きや必要性については、以下を参考にしてください。

体温調節機能の役割とは?赤ちゃんの体温管理が必要な理由

また、赤ちゃんは皮膚感覚も育っているため、ママと触れ合う感触で「オキシトシン」というホルモンが分泌され、血圧を下げたり、ストレスを軽減して、安心感を感じることができます。

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赤ちゃん特有の優れた五感「共感覚」

では、冒頭でお話した赤ちゃん特有の優れた五感とは、どのようなものでしょうか。

大人は知っている人の顔と知らない人の顔を見分けることができますが、猿の顔を見分けることができる人は少ないでしょう。

イギリスのシェフィールド大学が行なった実験によると、生後6か月の乳児は見たことがない人や猿の顔を長く見つめる傾向があることがわかっています。つまり、乳児は人だけではなく、猿の顔を見分けられるということです。

参考|ポーポー・ポロダクション著「伸ばすための子ども心理学: のびのび育む発達心理と育児心理」

また、赤ちゃんは何でも口に入れて、噛んだり、舐めたりします。赤ちゃんのこの行為は、視覚が発達していない分、物を口に咥えることで「硬い・柔らかい」「大きい・小さい」「温かい・冷たい」などを明確に判断するためです。

つまり、わたしたちが目で見て物を触ることでその物がどのような物かわかるように、赤ちゃんは口に咥えることで、大人と同じように物の判断ができるということです。

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さらに、赤ちゃんは元々聴覚も優れていますが、日本語、英語など母国語と外国語の違いがわかると言います。「そんなのわたしもわかるよ……。」という話ではなく、たとえば大人でも難しい英語のLとRの発音の違いが聞き分けられるそうです。

この感覚を「共感覚」と言い、一つの刺激に対して複数の脳の部位が活動して現れる現象で、他にも音を聞いて色を感じたり、文字に色を感じたり、形を見て味を感じるなど、大人には想像ができない能力です。

共感覚は赤ちゃんの脳のシステムがまだ完全に分離していないため起こるものと考えられており、成長とともに消えていきます。

赤ちゃんは大人より感覚が鋭い

わたしたちは、産まれたばかりの赤ちゃんは何もできない、何も感じないと思いがちですが、それは大きな間違いです。

たとえ新生児でも大人と変わらない五感やより優れた感覚を持っており、その五感をフルに使いながら日々の刺激を感じて成長をしています。

新生児が産まれてすぐにママのおっぱいを咥えてちゅーちゅー吸うことができるのも、五感と母乳を飲むために適した原始反射がしっかりと備わっているからです。

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そのため、授乳、おむつ交換、寝かしつけなどの子育てにおいて、赤ちゃんの反応が薄いからといって手を抜くのではなく、優しくスキンシップをしたり、語りかけをすることはとても大切な行為になります。

赤ちゃんは育児をする人の行為や感情の変化などを優れた五感で細かに感じ取って、学習をしながら成長しているのでしょう。このような話を聞くと、より愛情を込めた育児の必要性を感じるはずです。

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