赤ちゃんの涙が出る時期はいつから?泣いても涙が出ない理由

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赤ちゃんはよく泣くけど涙が出てない!

赤ちゃんは生まれてすぐ産声(第一啼泣)をあげます。産声とは、赤ちゃんが生まれて初めて肺呼吸をするために、声を出して泣く行為のことです。

赤ちゃんが娩出されて間もなく、子宮から胎盤が剥がれて体外に娩出されます。以降、胎盤からの栄養や酸素供給はされないため、赤ちゃんは自力で肺に酸素を取り入れ、二酸化炭素を出す肺呼吸をしなければいけません。

つまり、赤ちゃんは初めての肺呼吸しなければいけないのですが、赤ちゃんの肺の中はまだ羊水で浸っています。

そのため、赤ちゃんは無理矢理泣くことで羊水を体外に出し、空気を取り入れて肺を大きく膨らませて、最初の肺呼吸を開始します。

赤ちゃんが生まれて初めて泣く瞬間は?産声をあげる理由は?

ところが、産声をあげる赤ちゃんの目を見ると涙が出ていません。その後も、赤ちゃんは何かある度に泣くのですが、大きな声で泣いているわりに涙はあまり出ていません。

「あれ?涙が出てない……。もしかして病気?」とママは心配するかもしれませんが、新生児のころはまだそれほど涙が出るわけではないんです。

なぜ赤ちゃんは泣いている割に、涙が出ないんでしょうか。また、赤ちゃんはいつごろから本格的に涙を流し始めるんでしょうか。

今回は、赤ちゃんの涙が出る時期、赤ちゃんが泣いてもあまり涙が出ない理由についてお話したいと思います。

人の目から涙が出る理由と仕組み

まず人がなぜ涙が出るのか、理由と仕組みを押さえておきましょう。涙が出る理由は3つあります。

涙が出る理由と仕組み1.反射

目にゴミや砂などが入ったり、何かがぶつかるなど目に何らかの刺激を受けると、異物を洗い流すための反射として涙が流れます。

涙が出る理由と仕組み2.感情

感情で流す涙は科学的に解明されていないそうですが、涙は表情を使ったコミュニケーション能力の1つだと言われています。悲しいときや嬉しさを感じたときに涙が流れます。

涙が出る理由と仕組み3.保護

目は常に涙で潤っています。これは基礎分泌と呼ばれ、角膜を乾燥から守るだけでなく、涙に含まれるリゾチームという抗菌成分によって目を細菌からも守っています。

新生児に涙が出ない理由

ではなぜ赤ちゃん(新生児)は、泣いても涙があまり出ないんでしょうか。1番の理由は、赤ちゃんの涙を作る機能がまだ未熟で、必要な量の涙しか流れないためです。

涙は目尻の上側にある涙腺で作られています。涙腺では常に一定量の涙が作られ、その涙が眼球を覆うことで目を保護しています。赤ちゃんのころは、主に目の保護のために必要な涙が作られますが、眼球を覆う涙の量は大人よりも多いそうです。

眼球を覆う涙の量が多いため、新生児は目にゴミが入っても大人ほど痛みや違和感を感じにくく、違和感を感じないため大量の涙を流すことがありません。

もう1つの理由は、新生児は感情の情報を伝える神経系が十分に発達していないためです。

人間は脳にある扁桃体で自分の身体に起こった状況を好き・嫌いや快・不快で評価して、感情を形成しています。扁桃体で形成された「嫌い」の感情によって交感神経が優位になると、涙腺が刺激されて涙が分泌されます。

新生児が扁桃体で快・不快を評価して、感情を伝達できるようになるのが生後3-4か月ごろからだと言われているため、「悲しい」「寂しい」「悔しい」などの明確な感情が涙腺を刺激するのはもう少し後になります。

というわけで、新生児の涙が出る理由の多くは目の保護のためです。涙によって角膜や目の機能を守っているんです。

参考|涙の数だけストレス解消!この春は思いっきり泣いてスッキリ!|特集記事|元気通信|養命酒製造株式会社
参考|感情はどこから? 実は生存をかけて脳が下した判断|ヘルスUP|NIKKEI STYLE

赤ちゃんが涙を流すのはいつごろか

赤ちゃんが反射や感情で涙を流し始めるのは、一般的に生後3-4か月ごろからと言われています。

まずは目に刺激を受けたことによる反射によって多くの涙を流し始めますが、次第に感情によって涙を流すようになります。感情によって涙を流すのは、感情の情報を伝える神経系が発達するからですが、その多くは不快感を感じるためです。

発達心理学者のマイケル・ルイス氏は、人は生まれながらにして「苦痛」「満足」「興味」の3つの感情を持っており、生後3か月を過ぎると「満足」から「喜び」という感情が生まれ、「苦痛」から「悲しみ」と「嫌悪」という感情が生まれるとしています。

つまり、赤ちゃんは「悲しみ」と「嫌悪」という感情によって、涙を流すことになります。「嫌悪」はわかりますね。不快感を感じることで赤ちゃんは泣き、涙を流します。

では、赤ちゃんが感じる「悲しみ」とは何でしょうか。赤ちゃんが悲しみを感じるのは、ママを認識するためです。ママの認識は、愛着形成の始まりでもあります。

赤ちゃんは早い子で生後3-4か月ごろから、愛着関係の対象者を認識し始めます。つまり、ママの存在を認識し始めます。そして、生後5-6か月ごろには、ママが存在することと存在しないことの違いも認識し始めます。

いないいないばあはいつから?赤ちゃんが泣き止む・笑う理由

ママがいるときにその存在を感じ、ママがいなくなると存在しないことを感じます。そして、ママは愛着関係の対象者であるため、ママがいないことに不安や寂しさである「悲しみ」を感じて赤ちゃんは涙を流します。

目やにも涙も出るんだけど…

前述した通り、赤ちゃんの個人差によって生まれて少ししてから涙を流す子もいます。

母乳が欲しいときや機嫌が悪くてぐずっているときに涙が流れる子もいます。そのため、「涙が出ないからおかしい」「涙が出たからおかしい」と考える必要はありません。

ただし、新生児期に涙を流す赤ちゃんで、同時に目やにが溜まっていたり、片方の目からしか涙が出ない場合は注意が必要です。

鼻涙管(鼻と目が繋がっている管)が先天的に詰まっている「先天性鼻涙管閉塞(せんてんせいびるいかんへいそく)」という病気の可能性があります。

先天性鼻涙管閉塞とは、涙腺から出た涙が涙点に流れ込み、のどにつながっている鼻涙管が閉塞しているため、涙が溢れてしまったり、目やにが過剰に溜まってしまう症状のことです。

目やにや片目だけ涙の症状…先天性鼻涙管閉塞の原因と治療法

もし赤ちゃんが先天性鼻涙管閉塞の場合は、手術が必要になることもあります。赤ちゃんが流す涙に異変を感じたら、かかりつけの小児科に相談してみてください。

涙が出るようになると鼻水も出る

ちなみに、赤ちゃんは涙が出るようになると、鼻水もダラダラ出るようになります。赤ちゃんが大泣きすると、涙と鼻水とよだれと汗で大変なことになりますよね(^_^;)

なぜ涙が出るようになってから鼻水がダラダラ出るようになるかというと、あれは鼻水ではなく涙だからなんです。

鼻から涙が出る理由は、前述した通り鼻涙管によって目と鼻がつながっているためです。もちろん鼻を通って出てくるので鼻水も混じってますけど……。

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a.涙腺(るいせん)
b.上涙点(じょうるいてん)
c.上涙小管(じょうるいしょうかん)
d.涙嚢(るいのう)
e.下涙点(かるいてん)
f.下涙小管(かるいしょうかん)
g.鼻涙管(びるいかん)

涙は目尻の上の方の「涙腺」から流れ出て、目頭の上下にある「涙点」に流れ込みます。涙点に涙が流れこむと「涙小管」「涙嚢」「鼻涙管」を通り、鼻から涙が出てくるという仕組みになっています。

そのため、涙が多い赤ちゃんは鼻水も大量に出ます。これは大人も同じです。赤ちゃんも大人も泣いているときに鼻水が出るのは仕方がないことなんですね。


参考|赤ちゃんは泣いても、あまり涙が出ないのはナゼ?|目の雑学|一般の皆さま|千寿製薬

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